NLCS Gm3 PHI 1 @ 2 AZ (サヨナラ) AZ: 1勝2敗
現地2023年10月19日に行われたNLCS Gm3は、舞台をシチズンズ・バンク・パークからチェイス・フィールドに移して行われました。大声援で話題のフィラデルフィアですが、アリゾナも負けていなかったですね。チェイス・フィールドのキャパシティー49,033人に対し、この日の観衆は47,075人。
トレイ・ロブロ監督がフィラデルフィアの歓声に対し、まあドジャースとの最終戦くらいの音量かな??と平静を保っていた理由がわかった気がします。
投手戦!
フィラデルフィアでの2戦を見ると、このままフィリーズがDバックスをストレートで沈めるのか?と思われましたが、この日は意外な展開!投手戦になりました。
この日投げた両クラブの投手陣はこちら。
【Gm3: フィリーズ投手陣】
P | IP | H | R | ER | BB | K | HR | ERA |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R・スアレス | 5.1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 0.64 |
ホフマン | 0.2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 6.75 |
カーカリング | 0.0 | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2.25 |
アルバラード | 2.0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0.00 |
キンブレル | 0.1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 2.08 |
Total | 8.1 | 9 | 2 | 2 | 4 | 9 | 0 | – |
【Gm3:Dバックス投手陣】
P | IP | H | R | ER | BB | K | HR | ERA |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ファート | 5.2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0 | 2.13 |
ソールフランク | 0.1 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 4.50 |
トンプソン | 1.0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3.00 |
ギンケル | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0.00 |
シーワルド | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2.08 |
Total | 8.1 | 9 | 2 | 2 | 4 | 9 | 0 | – |
ゲームを作ったのは両先発で、フィリーズ先発のレンジャー・スアレス、Dバックス先発のブランドン・ファートが素晴らしい出来でした。
レンジャー・スアレスの好投はいい左打者の多いDバックスに対してある程度機能することは予想出来ました。今回はNLDS Gm1の時とは違い、中盤まで投げましたね。
非常に頑張ったのがDバックス先発のブランドン・ファートです。
ブランドン・ファート、6回途中スコアレス
ゲーム前はブランドン・ファートはシュワーバー、ハーパー、ストット、マーシュのいるフィリーズ打線にかなり苦戦するのかと予想しましたが、これが非常に頑張りました。
1回表、シュワーバーから三振を奪い、トレイ・ターナーにはシングルを打たれるもブライス・ハーパーは93.7mphの甘いコースの4シームでダブルプレー。これで乗って行きましたね。
3回裏にはブランドン・マーシュに2塁打を打たれるも、アウト2つを三振で奪いました。
2巡目となった4回表、5回表も三者凡退。そして6回表、ブランドン・マーシュから9つ目の三振を奪い、ヨハン・ロハスをCFフライに打ち取って2アウト。ここまでスコアは0-0。3巡目となるカイル・シュワーバーを迎えたところでなんとロブロ監督はアンドリュー・ソールフランクにスイッチしました!
ファート降板の決断
スコアレス投球を続ける投手を降板させるのは野球の常から言って悪い結果が出ることの方が多いです。
ここまでブランドン・ファートとカイル・シュワーバーの対戦は2−0でブランドン・ファートが2三振に抑えていました。しかも球数は70球。
3度目の対戦がどうなるのかは誰もわかりません。一発のあるカイル・シュワーバーにコントロールミスをすれば先取点を与えることに。しかし、多くの観客がこのスイッチにブーイングを浴びせたように、何故変える?と多くの人が思ったと思います。
思い出す2020 WSのブレイク・スネル
やはり誰もが頭によぎったであろうサンプルは、2020年のワールドシリーズGm6でのブレイク・スネルの交代。ドジャースが3勝2敗でチャンプに王手をかけて迎えたGame6でレイズはブレイク・スネルが先発。レイズは初回にランディー・アロウザリナのソロHRで1点を先制。そしてブレイク・スネルはドジャース打線を圧倒。5回までヒット1本を許したのみ。
6回裏、ブレイク・スネルは先頭のAJ・ポロックを2Bポップフライに打ち取り1アウト。つづくオースティン・バーンズにはCFへライン・ドライブのヒットを許してしまいます。このゲームではまだ2本目の安打です。
ところが、念には念を入れたかったのか、ここでケビン・キャッシュ監督はなんとブレイク・スネルをマウンドから降ろし、レギュラーシーズンでERA 0.55でこのシーズンのブルペンのキーマンに使っていたニック・アンダーソンにスイッチしたのでした。
この交代は当時大きな物議を醸しました。結果は完全に裏目に出て、その後にドジャースが逆転。ワールドシリーズ・チャンプに輝いたのでした。
結果は奏功
この件もあり、今回のファート交代も「何をするんだ?」という反応がほとんどでした。
試合中、ロブロ監督はこの決断を投手コーチのブレント・ストロームと熟考した際、「5回2/3で9奪三振の彼を降板させるなんて、僕はバカなのか?」と思ったと言います。
シュワーバーとの対戦でのリスクを避けた決断はロブロ監督が正しかったことに。
アンドリュー・ソールフランクはカイル・シュワーバーを歩かせたものの、トレイ・ターナーを打ち取り、このイニングもスコアレスに抑えました。
先制点はフィリーズも、Dバックスがサヨナラ勝利
6回裏に大きなチャンスを迎えたDバックスをそれを活かせずに無得点。
そして7回表、ライアン・トンプソンがワイルピッチで1点を先制される展開に。
このままフィリーズが逃げ切るかと思われましたが、7回裏にDバックスがオライオン・カーカリングを攻め、1-1の同点に。
Dバックスは同点で迎えた9回表、またしてもロブロ監督が英断して同点の状況でクローザーのポール・シーワルドを投入。シーワルドは1BBを出すもスコアレスに抑え、9回裏の攻撃に。
フィリーズのマウンドにはクレイグ・キンブレル。Dバックスはキンブレルを攻め、1アウト満塁とし、最後はケーテル・マルテが安打を放ち、2-1でDバックスがサヨナラ勝利を収めたのでした。
これでNLCSはDバックスの1勝2敗に。面白い展開になってきましたね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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