2022 NLCS Game5 (SDP 3- 4 PHI)
すごいゲームでした!
“It’s the most resilient club I’ve ever been around.” ❤️ pic.twitter.com/JSdyCFjwkS
— Philadelphia Phillies (@Phillies) October 24, 2022
現地2022年10月23日に行われたNLCS Game5はあっと言う間に終わったと感じてしまう程、見所満載の素晴らしいゲームとなりました。
パドレスの先発はダルビッシュ投手。チームが追い詰められた状況でローテーションの順番が巡ってくるというまさにエースならではの「断ち切る役割」を担うことになりました。一方のフィリーズの先発はザック・ウィーラー。Game1で圧巻の投球を見せ、信頼度抜群のエースは「フィラデルフィアで決める」ことを託されて登板。ブルペンにも余裕があり、飛ばせるだけ飛ばして味方打線を守備の面からサポートするという意気込みがわかるくらいに強気の投球でした。
この大事なゲームでフィリーズはクリームのオルタネイトを着用!このジャージは本当にきれいです。
リース・ホスキンスがまたしても一発!
1、2回ともに先頭打者を塁に出しながら、フィリーズはいずれもダルビッシュ投手にうまくダブルプレーを打たされて無得点。ちょっと嫌なゲームインとなったのですが、3回裏に先制しました。
2アウトから四球で出塁したカイル・シュワーバーが2塁への盗塁を決め、スコアリング・ポジションに進み、チャンスを拡げます。
ここでリース・ホスキンスは、3ボールからのカット・ボールがハンギングになったところを捉え、左中間へ2ランHRを放ち、フィリーズが2点を先制します。
3回からXファクターとなった雨
3イニング目、両投手にとって厄介な雨が降ってきました。
ソトがソロHR
3回表、パドレスは1アウトからウィーラーの96.7mphの4シームが甘く入ったところを叩き、RFスタンドにソロHRを放ち、1点を返します。スコアは2-1でフィリーズがリード。
雨はだんだんと強くなり、ダルビッシュ投手もスパイクの刃の周辺についた泥を掻き出す所作が多くなってきました。スローで見ると、踏み出した左足が滑っているのがよくわかる程です。下手をすると股関節を傷めてしまうかも!と心配するレベルの滑りになってきていました。
セランソニー、ボールがひっかかり3WP
7回表、ウィーラーは先頭のジェイク・クロネンワースにシングルを許したところで降板。ロブ・トムソン監督は早めに仕掛けてきました。
フィリーズは2番手にGame4で9回を締めたセランソニー・ドミンゲスを起用。ブルペンが豊富だっただけに、旬の良い投手をここでぶつけてきたという感じです。
そのセランソニー・ドミンゲスを苦しめたのは雨。このタイミングが一番強く降っていたと思います。カットボール、スライダー、チェンジアップを得意とするセランソニーは本来のリリースが出来ずに大苦戦。まずはジョシュ・ベルの打席でボールが抜けるワイルド・ピッチ(1つ目)。
さらに、ジョシュ・ベルには5球目の4シームが高めに浮き、右中間へ2塁打。ハイ・ボール・ヒッターに投げてはいけないボールでした。これでクロネンワースが還ってパドレスが2-2の同点に。なお、パドレスは2Bランナーにホセ・アゾーカーを起用し、ベルを下げました。
つづくバッター2人を2者連続三振に仕留めたセランソニー・ドミンゲス。雨の中、慣れてきたのかと思われたのですが、トレント・グリシャムの打席で、3球目のカット・ボールがひっかかり、2つ目のワイルド・ピッチ。これでアゾーカーが3塁へ進塁。
そして5球目。またしてもカットボールがひっかかり、痛恨のワイルド・ピッチでの失点。パドレスが雨も味方につけて3-2と逆転に成功しました。
なお、ウィーラーは6.0イニング、87球を投げ、被安打3、失点2、BB0、SO8、HR1という成績でした。
ダルビッシュ投手も好投
ダルビッシュ投手ですが、7回裏に先頭のブライソン・ソトットに二塁打を打たれたところで降板となりました。6イニングで被安打4、失点2、BB3、SO5、HR1。91球の熱投でした。6回裏のブライス・ハーパーの打席で60mph台後半のカーブを2球も使って三振に仕留めた投球はさすがの引き出しの多さを感じさせました。
2番手にはロベルト・スアレスが上がり、このイニングを無失点で切り抜けます。
8回表、フィリーズはホセ・アルバラードが登板。雨の影響が心配され、その通りに2人の出塁を許しましたが、こちらも無失点で切り抜けます。
ブライス・ハーパーが逆転の2ランHR
8回裏、フィリーズは先頭のJT・リアルミュートがロベルト・スアレスのチェンジアップを捉えて出塁。
そして、同点のランナーを置いて、ブライス・ハーパーが打席に。
厳しいから甘いコースへ
スアレスも強気にハーパーと対し、ゾーンで勝負してすぐに2ストライクを奪います。6球目、いいチェンジアップを投じたものの、これをハーパーに見逃されます。5球目と6球目は枠からボール1つ分ほど外れた厳しいボールでした。
7球目、スアレスの投じたシンカーは枠ギリギリで良いコースに投じられたものの、高さが甘くなりました。本当に甘かったのはこの1球のみです。これをハーパーが捉え、LFへ運んで、逆転の2ランHRに。
ブライス・ハーパーのここぞという強さでフィリーズが一気にワールドシリーズに近づきました。
パドレス、9回に1本が出ず
9回表、フィリーズのマウンドはデービッド・ロバートソン。通算157 SVのベテランです。
そのデービッド・ロバートソンも雨で苦戦しました。ウィル・マイヤーズを三振に仕留めたまでは良かったものの、つづくブランドン・ドゥルーリーとキムに連続四球を与えます。ロバートソンはこの2人の打席でナックルカーブが3球も抜けてしまいました。アウトコースへのスライダーが非常に切れていただけにもったいない四球でした。
フィリーズ・ベンチは判断が早かったです。
レンジャー・スアレスを起用
ここでロブ・トムソン監督が起用したのはGame3で先発したレンジャー・スアレス。スペシャル・リレーですね。
そのスアレスの初球、パドレス・ベンチはトレント・グリシャムにバントを指示。これで労せずしてレンジャー・スアレスは2アウトを奪います。この2アウト目は大きかったです。
つづくバッターはオースティン・ノラ。ノラは初球をあっさり打ち上げてRFとなり、ニック・カステヤーノスが掴んでゲームセット。スアレスは2球で火消しに成功。フィリーズが2009年以来となるワールドシリーズ進出を決めたのでした。
MVPはハーパー
CSから授与されるシリーズMVPですが、今季はブライス・ハーパーが受賞しました。NLCSの成績は20-8、打率.400、OBP .400、SLG .850、OPS 1.250、HR2、RBI 5。
【YOUTUBE】Bryce Harper is on FIRE! Phillies superstar is crushing as he leads Phils to the World Series!
ゲーム終盤の選択
パドレスはポストシーズン絶好調のジョシュ・ヘイダーを起用せずに終わりました。前日にニック・マルチネスが3イニングを投げた関係でブルペンのキーマンが一人減ったので大事に使う必要もありましたが、登板間隔も空いていたジョシュ・ヘイダーをイニングをまたがせても起用してよかったのではないか?とも思いました。フィリーズ視点からするとこれが嫌でしたので。
ただ、延長に入った場合は、今回の投手起用で正解だったので、これは後付の結果論に過ぎません。
バント!?
9回表に1アウトでランナー1、2塁でトレント・グリシャムにバントをさせたシーンですが、これはフィリーズからするとラッキーとしか言いようのない作戦でした。労せずして2アウト目が手に入ったのですから!この采配は批判されても仕方ないと思います。ここはじっくりと攻撃するべきでした。ダブルプレー回避が目的だったのでしょうか?
これにより、オースティン・ノラが相当打ちにくくなりました。もしもマニー・マチャードなら「あり」だったかもしれませんが、マチャードでもいやでしょう。
そしてそのノラもじっくり行きたかったところを初球に手を出してあっさり凡退。これももったい攻撃でした。
パドレスはメッツ、ドジャースを下してここまで上がってきました。フェルナンド・タティス・Jr.を抜いた中でのこの成績です。
ダルビッシュ投手の契約延長の話も出ているようですから、来季も戦力を維持できそうです。
フィリーズは現地2022年10月28日からヒューストンでのワールドシリーズGame1に臨みます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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