熾烈なALワイルドカード争い
熾烈な争いとなってきたア・リーグのワイルドカード争い。現地2021年9月29日は、関連する4クラブ全体の差がキュッと縮まる様相を見せた日でした。
そうなったのは、現時点でワイルドカード2位のレッドソックスが勝利し、首位のヤンキースが敗れたことにあります。まずレッドソックスの状況からです。
イオバルディ、全球種のキレがバツグン
ア・リーグ東地区最下位のオリオールズは、今季ワースト・ピッチングを繰り広げ、大苦戦してきた訳ですが、ここに来て残りカードがレッドソックスとブルージェイズというワイルドカードを争う2クラブが相手ということで注目されています。
要は、直近の戦いぶりから言っても6連敗が濃厚な中、ひょっとしたら、健闘するゲームも出てくるかもしれないという思った通りには行かない勝負事の常を秘めています。
そして、それにやられてしまったのが現地2021年9月28日のGame1。レッドソックスはトミー・ジョン手術から復帰後、負け無しのクリス・セールを立てたにもかかわらず、中盤にオリオールズに逆転を許し、3-4で敗れてしまいました。
そして迎えたGame2。レッドソックスはネイサン・イオバルディを投入。24日の前回登板のヤンキース戦では、3回持たず7失点と、肝心なところで負けを喫してしまった右腕ですが、この日は素晴らしい出来でした。
イオバルディの悪いときは、100mphほどのファストボールを持ちながら、その速さを感じさせないところ。これは捕手との相性もあります。
イオバルディと捕手の相性
今季、組んだ捕手はケビン・プラウェッキ、クリスチャン・バスケス、コナー・ウォンと3人のキャッチャーがいるのですが、このうち、プラウェッキとバスケスとの比較はご覧の通り。
捕手 | ERA | G | IP | HR | BA | SLG |
---|---|---|---|---|---|---|
プラウェッキ | 3.28 | 17 | 96.0 | 6 | .239 | .364 |
バスケス | 4.77 | 13 | 66.0 | 7 | .269 | .451 |
この日の先発捕手はもちろん、ケビン・プラウェッキ。ちなみに、前回のヤンキース戦の登板時はバスケスでした。この辺は攻撃力を重視するかどうかなど、指揮官の総合的な判断になりますね。
変化球がバツグン
今日のケビン・プラウェッキは速さを感じさせるリード。もっとも変化球のキレがバツグンでバットに当たる直前にひょいとかいくぐるようなスライダー、スプリットがバツグンでオリオールズ打線に仕事をさせませんでした。
イオバルディは、6イニングを投げ、被安打4、失点0、与四球1、奪三振7とほぼ完璧な投球でした。
リリーバーもヒットレス
そして2番手のライアン・ブレイジャー、3番手のハンセル・ロブレス、抑えのマット・バーンズとともに1イニングをヒットレスに抑える好投でシャットアウトリレーを達成。この日だけを見ると、マット・バーンズも復調の兆しが見えてはいます。
打線はJD・マルチネスがHRと二塁打を含む3打点を上げるなど、チームに勢いをもたらし、6得点。調子が上がったかと思われたダルベックがまたヒットレスなど、打線がまだ機能していない面はあるものの、負けてはいけないゲームを取りました。
WC枠内で差が縮まる
この日、ワイルドカード首位のヤンキースが、ブルージェイズに5-6で敗れました。ゲリット・コールを立てての敗戦は痛いところですね。
よって、ヤンキースとレッドソックス間のゲーム差が縮小。
【ワイルドカード】
- ヤンキース:90-69
- レッドソックス:89-69
これにより、ワイルドカードを争う4チームのゲーム差がグンと縮まりました。
マリナーズ、2001年以来のPSに向け勢いあり
ここに来て負けないのがマリナーズ。打線が好調です。イチローさんと佐々木さんがいて116勝を上げた2001年以来のポストシーズン出場に目の色が変わっているという状況です。これはイチローさんの影響もあると信じたいですね。
そしてマリナーズですが、現地2021年9月29日時点でまだ地区優勝へごくごくわずかな望みではありますが、可能性を残しています。ただ、アストロズのマジックが1なので、アストロズが勝利すればそれで終了。ワイルドカード枠1本になります。
アスレチックス、敗退
ことごとく善戦していたアスレチックスですが、シーズン終盤のマリナーズとの全7試合をスイープされ、29日、ワイルドカード枠から敗退となりました。
ワイルドカード順位
現地2021年9月29日終了時点のワイルドカード順位はご覧の通り
- ヤンキース:90-68
- レッドソックス:89-69 (ゲーム差1.0)
- マリナーズ:89-70 (WC枠へのゲーム差0.5)
- ブルージェイズ:88-70 (WC枠へのゲーム差1.0)
改めて、ワイルドカード争いをする4クラブの対戦カードはこちらです。
Club | 9/28-30 | 10/1-3 |
ヤンキース | @ブルージェイズ | vsレイズ |
レッドソックス | @オリオールズ | @ナショナルズ |
マリナーズ | vsアスレチックス (9/27-29) | vs エンゼルス |
ブルージェイズ | vs ヤンキース | vs オリオールズ |
現地30日にゲームのないマリナーズ。これでブルージェイズがヤンキースに勝ち、レッドソックスもオリオールズに勝てば、さらに混戦!面白いことになりますね。
追記:レッドソックス、負け越し
現地2021年9月30日、レッドソックス@オリオールズの3連戦が終わりました。結果は、2勝1敗とオリオールズが勝ち越しに。Xファクターがここで来るとは!レッドソックス先発のニック・ピベッタは素晴らしい立ち上がりだったのですが、ライアン・マウントキャッスルに3ランHRを打たれ、さらにリリーバーも追加点を許し、2-6と完敗。
レッドソックスはポストシーズンも怪しくなってきました。
現地2021年9月30日終了時点のワイルドカード順位です。
- 1. ヤンキース:91-68
- 2. レッドソックス:89-70 (首位とのゲーム差2.0)
- 2. マリナーズ:89-70
- 3. ブルージェイズ:88-71 (WC枠へのゲーム差1.0)
レッドソックス、ナッツと今季初対戦
あろうことか、レッドソックスはナショナルズと今季初対決。最終戦にどんなスケジュールを組んでいるのかと思いますね。ヤンキースはレイズに今季7勝9敗。
組みやすし!のTOR/SEA
カードから言うと有利なのは、マリナーズ、ブルージェイズ。ともに、エンゼルスとオリオールズから一方的に勝利。
エンゼルス、オリオールズが一矢報いれば面白いところ。マリナーズは大谷選手を四球漬けにすることでしょう(勝負に見せかけた四球も含む)。地元ですから大いにやると思います。その消極性に足元をすくわれなければ良いですね。いずれにせよ、今の打線ならエンゼルス投手陣を打ち込むことでしょう。
楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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