まさにナスティー・ネイトへモデルチェンジ
現地2020年7月24日、ボストン・レッドソックスはフェンウェイ・パークでオリオールズを迎えての開幕戦。
先発はネイサン・イオバルディでした。
2019年のレッドソックス
2019年のレッドソックスは破壊力のある打線を抱えながらも、ことごとく先発投手が崩れてスタートダッシュに失敗。シーズンを通じて機能したのはエドゥアルド・ロドリゲス一人だけ。頑張ったブルペン陣でしたが、苦心のパッチワーク・リレーもついには限界が来て、最終的には84勝78敗と勝ち越すのが精一杯というシーズンでした。
また、フィールド外でも厳しいシーズンとなりました。2018年のモニター・ルームの不正使用でサイン・スティーリング疑惑の調査。あらためてクローズ・アップされた2017年のアップル・ウォッチ疑惑。そしてアストロズの処罰に紐付いて当時のベンチ・コーチであったアレックス・コーラが監督解任に追い込まれるなどオフも含めて散々なシーズンでした。さらにはプロスペクトの枯渇、贅沢税の大幅超過など勝ち急いだ負の遺産にも直面。
2020年は監督、ベースボール・オペレーションのトップも変わり、新た船出でもあります。
そんな中、進化を見せてくれたのが、ネイサン・イオバルディでした。
イオバルディ、6回1失点!
クリス・セールのトミージョン手術、エドゥアルド・ロドリゲスのCOVID-19 ILなどでシーズンのオープニングを任されることとなったネイサン・イオバルディ。
対戦相手のオリオールズはエキシビジョン・ゲームは1勝2敗と負け越したものの、9安打、10安打、10安打と打線が活発。そのオリオールズをいかにリズムよく抑えて攻撃につなげるかが、ポイントでしたが、イオバルディは6回を89球、被安打5、失点1でナイス・ゲームメイク。与四球1、奪三振4というのもリズム感の良さを表しています。
レッドソックス、13得点
イオバルディがシーズンの入りをスムーズにしたことで、3回裏、ついにレッドソックス打線がトミー・ミローンを捕まえました。
3回裏は4本の二塁打で4得点。4回裏には4球3つと5本の長短打が飛び出し、一挙6得点。序盤でゲームを決めました。
終わってみれば17安打で13得点。
イオバルディ降板後は、オースティン・ブライスが7回表を1失点、8回表と9回表はフィリップス・バルデスが2イニングをパーフェクトに抑え、13-2で快勝。
イオバルディの変化
2018年のポストシーズン・ヒーローはその勢いのあるファストボールが最大の武器。時に100mphを超える剛球で相手打線を封じ込めてきました。
しかし、2019年はスピードに頼ったのか、どこか単調でせっかくのファストボールもその威力をあまり感じさせない味気ないピッチングに変わっていました。投げても結果が出ず、シーズン途中に関節ねずみで離脱。非常に不本意なシーズンに終わったのでした。
威力を発揮したカット!
2020年はどう変化したのか楽しみだったのですが、変化どころか進化していました!
その特徴の一つはカッター投手に変わったのか?というほどカットボールが増えたこと。初回こそ、4シームで押しまくりましたが、2回以降は90mphから93mph近辺のカットボールを多用。
この速度帯を基準に、さらに遅い86mph-88mph近辺のスプリッターで空振りやファウルでカウントを稼ぎ、78mph近辺のカーブで仕留める。
そしてフィニッシュはカーブという傾向を見せつつ、実に20mphもの速度差のある100mph近辺の4シームも活用。結果、速いのと遅いのとで的が絞れない中、凡打を積み上げるという非常に寝られたスタイルにモデルチェンジしていました。
イオバルディ、よかったです。今年が60試合で残念というくらいに勝ち星は期待できそうです。
ユニフォームも変化!?
なおイオバルディは3回表、なんとクリスチャン・バスケスの7番のジャージを着てマウンドに。
開幕戦でさすがに神経をつかったのか、2回を終えてジャージは汗まみれに。それを着替えにロッカーに行ったところ、ジャージがバスケスと同じところにかけてあったため、ついそれに手をかけてしまったとのことです。一応、番号も確認したつもりが一桁目の7番を見てこれだと思い、着てしまったと。
4回以降はまた17番に着替え直しました。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント