FACE to FACEで4時間
現地2020年6月18日の最新情報です。MLBPA(選手会)はMLBの60試合開催の提案に対して、70試合の開催をカウンターとして提示しました。
この70試合提案の前に現地17日にMLBが提示した60試合提案の方を先に見てみたいと思います。
建設的だった17日のアリゾナでの会談
現地17日、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーと選手会のエグゼクティブ・ダイレクターのトニー・クラークの両氏がついにアリゾナでFACE to FACEのミーティングを行いました。もうこれは直に会って、解決策をさぐる段階に来ていると思われたため、そのように実行されたことはとても歓迎されるものでした。仮の話ですが、たとえ2020シーズンが開催されなかったとしてもどうせなら直に会って案をぶつけ合う方が書簡などでやりとりするよりもよほどましだとも言えるからです。
会談は4時間にも及びました。
MLB:60試合&フルプロレーティッド
そしてMLBが提示したのは60試合開催のフルプロレーティッド・ペイ、日割り100%という提案。
【60試合提案の内容】
- 60試合(7/19スタート)
- レート:フル・プロレーティッド(100%)
- ロスター:30名
- 2020−2021年の2年間はポストシーズンを16チームに拡大
- 2020−2021年の2年間はユニバーサルDH(ナ・リーグもDH)
- $25Mのポストシーズン・プール(PS出場のクラブで分けるボーナスのことです)
- $10Mの社会正義用ファンドの創出(いや、先にマイナーリーガーでしょ!!)
- 潜在的な苦情の却下(異議申し立ての却下)
最後の「文句言うな」という規定は笑えますが、今まではプロレーティッド(日割り)の75%または70%という提案だったがゆえにかなり進展。
沸き立ったが即座に否定
日割り100%という点、ポストシーズンの参加チームが増えるという2点において、これは「合意に近づきつつある」のではないかと沸き立たせるものとなりました。
ただ、その報道も選手会側が即座に否定。どうやら選手会には60試合という数字が独り歩きするのが嫌だったようです。
このMLB側の60試合提案には、選手会側からは「もっと試合数を」という思惑がちらついていました。
そこですぐに選手会が提案したのが、70試合のプラン。
選手会:70試合開催を提案
選手会が今回行った提案は以下のもの。
- 試合数:70
- 開幕:7/19 – シーズンエンド:9/30
- レート:フルプロレーティッド(日割り)100%
- スプリングトレーニング2.0:6/26から6/27の間にスタート
- 2020−2021年の2年間はポストシーズンを16チームに拡大
- 総額$50 Mのプレーオフ・ボーナス
- 2021年のポストシーズンのTV収益の折半(50%/50%)
- Tier I-IIIプレイヤーのサラリー前払い:これは選手とスタッフ3層に分けて、前払いを実施してくれということかと思います。TIER I-IIIは、MLBが出したメディカル・プロトコルでその定義が定められています。
- TIER 1:プレーヤー、現場の担当者、および医療担当者
- TIER 2:フロントオフィスの職員など
- TIER 3:清掃員やグラウンドキーパーなど、必ずしも選手らと対話する必要のないスタッフ
- ユニバーサルDHの導入
- 双方ともに苦情を免除(双方、異議申し立てなし)
MLBは却下の見込み
選手会が出した今回の提案は、MLB側も即却下すると見込まれています。
またしても、決裂か?というところではありますが、現時点ではかなり建設的であるという見方ができそうです。
60−70の間に落とし込むか?
これは交渉の成り行き次第ですが、こうなると落とし所は限られてくると思います。選手会は日割り100%を取り込めたことが大きいはず。一方のMLBは日割り100%なら、少しでも試合数を削りたい。
そうなると、試合数に関しては60から70試合の間で決めるしかありません。
決裂の場合は?
仮にですが、MLBが今回の70試合を却下→双方ともに60−70試合で決着をつけようとするも→選手会がまたしても蹴った場合、以下のことが考えられると思います。
- アンチ・オープンニングのオーナーが8人に増えれば、マンフレッド氏はシーズンを開催しない選択肢をとる可能性がある(これは最悪です)。
- もしくは、3月の合意によりシーズンを50試合に設定。(もしMLBと選手会との交渉が合意に至らない場合、MLBは50試合近辺のいずれかでスケジュールを設定し、選手にそれに相当する日割りのサラリー、その総額である約$1.25B相当を支払うことを提案していたと。)
ここ数日が山になりそうです。筆者は割と楽観的に考えています。60試合以上はやってもらいたいところです。
ユニバーサルDHが本当に実現しそう・・・
ただ、野球が変わるのを懸念しています。特にユニバーサルDHは反対です。今季と来年は少しでも選手が出場できる機会があればという点でよいとは思いますが、あくまで期間限定であって欲しいと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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