エンゼルス、地味に補強しています
大谷選手が抜けてどうしても寒風が吹きすさぶように見えてしまうエンゼルスですが、ロン・ワシントンを新監督に据え、新しい体制で編成を実施中です。
とは言え、まったく派手には動けておりません。というのも2023年は苦心の据え、贅沢税の基準額である$233Mを$232.9Mでクリアー。これはもう神業というか、テクニカルな方法でなんとかラインを超えないように設計したいう状況でした。
2024年のエンゼルスの高額サラリー
トレードを志願しているという噂も出ているマイク・トラウトですが、現状では当然エンゼルスの顔です。エンゼルスの高額サラリーはこのような選手となります。
【LAAの2024年の贅沢税上の高額サラリー】
- アンソニー・レンドン:$35M (2026年まで)
- マイク・トラウト:$35.54 M (2030年まで)
- タイラー・アンダーソン:$13M (2025年まで)
- ブランドン・ドゥルーリー:$8.5M (2024年まで)
- カルロス・エステベス:$6.75M (2024年まで)
あとは$5M以下ということになり、現時点で$166.8Mとの概算が出ています。ちょうど大谷選手の$30Mが抜けた後というような状況です。
そんな中、エンゼルスの補強状況を記載しておきたいと思います。
【1】RHP:アダム・シンバー
エンゼルスは2023年12月6日にブルージェイズからノンテンダーFAとなっていた右腕のアダム・シンバーとサイン。
契約内容
両者の契約内容は下記です。
- 1年/$1.65M (2024)
アダム・シンバーは2023年はブルージェイズと調停を避けて1 年/$3.15Mでサインしていましたから、かなりお得な内容でサインしています。
メジャー1、美しいアンダースロー
MLBでアンダースローと言えば、ジャイアンツのタイラー・ロジャースやすでに引退しましたが、パット・ネシェイクなどが思い浮かびますが、彼らはボールに特徴のあるアンダースロー。タイラー・ロジャースは浮き上がる軌道と曲がりが特徴で、パット・ネシェイクはボールのキレが良いアンダースローでした。
フォーム的にとびきり美しいアンダースローがこのアダム・シンバーだと筆者は思います。シンバーは牧田投手のようなリリースで、まるでオーバーハンドで投げているような体のバランスで、強いボールを投げることが出来ます。ジョー・スミスも美しかったですね。
2021 & 22に大活躍
アダム・シンバーは2022年になんと77試合に登板。リリーフで二桁勝利の10勝6敗をマークしました。ERAは2.80。ちなみに2021年はマーリンズとブルージェイズを併せて72試合でERA 2.26!2年連続で素晴らしい成績を出していたことになります。
2023年は故障続き
しかし、2023年はその2年の疲れが出て、22試合でERAは7.40。春先には腰、股関節を痛め、6月には右肩インピンジメント症候群で60 Day ILに。6月18日のゲームを最後に投げていません。
オフにノンテンダーとなったのもこの怪我の影響があります。果たして2021年や2022年の投球を取り戻すのか!というところになります。2024年は33才のシーズンで8月の誕生日で34才に。
【2】RHP:ルイス・ガルシア(非アストロズ)
もう一人FAの右腕を獲得しております。おかしな()書きをつけていますが、パドレスからFAとなったベテラン右腕のルイス・ガルシアともサイン。
契約内容
契約はご覧の通り。
- 1 年/$4.25M (2024)
直前の契約は2021年11月にパドレスとサインした2年/$7Mでした。
計3名のルイス・ガルシア
MLBのメジャー・ロスターには現時点で3名のルイス・ガルシアがおります。スペルも同じ(Luis Garcia)。
- Luis Amado García (37才/LAA)RHP:今回のトピックのルイス・ガルシア
- Luis Heibardo García (27才/ HOU)RHP: 最も有名かも。
- Luis Victoriano García (23才/ WSH)SSor2B:野手です
右腕が2人で内野手が1人。一番有名だと思うのは2番めのゆりかごを揺らすようなワインドアップであったルイス・ガルシア。あのワインドアップはルール変更により修正しています。アストロズのルイス・ガルシアは2023年5月にトミー・ジョン手術を実施し、リハビリ中。2024年も間に合うかどうか。
今回のエンゼルスのルイス・ガルシアは最もベテラン。メジャー・ファンなら彼の顔の方が見覚えがあるでしょうね。もう1人のルイス・ガルシアはナショナルズの内野手です。
パドレスでのルイス・ガルシア
ルイス・ガルシアは2019年にエンゼルスで投げていたので今回は復帰ということになります。
パドレスでは2022年に64試合でERA 3.39、2023年は61試合でERA 4.07。2023年のBB9は3.6。2021年と2022年はともに2%台だったのでやや悪化しました。とにかくブルペンで活躍してくれそうです。
【3】ザック・プリサック
エンゼルスは現地2023年12月30日にローテーションの右腕のザック・プリサック(Zach Pleasac)と合意。こちらは合意から正式報道にまだ移っておらず、数日待っても契約の詳細が出てこないのですが、メジャー契約なのは確かです。
(追記)
現地2024年1月8日、ザック・プリサックのディールの大筋が明らかになりました。
- 1年/$1M (2024)
付帯事項などはつかないのではないか?と思われます。
ガーディアンズでのプリサック
ザック・プレサックは2019年から20年にかけてガーディアンズで、29先発、171.0イニングを投げてERA 3.32、WHIP1.09、K:BB145:46をマーク。
しかし、2021年から22年にかけてはERA4.49と後退。
2023年にはさらに悪化し、5試合に先発してERA7.59、トリプルAでERA6.08。
ザック・プリサックは2024年1月29日の誕生日で29歳。エンゼルスでは調子次第でローテーション、スプリング・トレーニングで調子が上がらなければロングリリーフか、あるいはスイングマン(先発、ブルペンを事情次第で務める)を担うことになると見込まれます。
2021年5月、2試合連続で不甲斐ない投球したことに腹をたてたプリサックはロッカー・ルームでTシャツを勢いよく破いたところ、右手親指が椅子に当たり骨折が判明。MLBのワースト・インジャリーと言われ続けております。良い投手なのですが、ベロシティーが上がらないんですよね。
エンゼルスの戦力
さて、2023年は呪われたかのようにけが人が続出したエンゼルスですが、怪我人が復帰すればそれほど悲観するような戦力ではありません。
【ローテーション】
- タイラー・アンダーソン:LHP
- パブロ・サンドバル:LHP
- リード・デトマーズ:LHP
- グリフィン・カニング
- チェイス・シルセス
- デービス・ダニエル
【ブルペン】
- カルロス・エステベス
- アダム・シンバー
- ルイス・ガルシア
- ベン・ジョイス
- ホセ・スアレス:LHP
- ホセ・キハーダ:LHP(60 Day IL)
【ポジション・プレーヤー】
- C:ローガン・オホッピー、マット・タイス
- 1B: ノーラン・シャニュアル、トレイ・キャベージ
- 2B: ブランドン・ドゥルーリー
- SS: ザック・ネトー、リヴァン・ソト
- 3B: ルイス・レンヒーフォ、アンソニー・レンドン、マイケル・ステファニック
- CF:マイク・トラウト
- LF/RF/DH:ジョー・アデル、ミッキー・モニアック、テイラー・ウォード
MLBワーストの8年連続勝率.500未満を止められれば良いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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