ブレーブス、アクーニャ復帰までの間の戦力を補強
現地2025年3月20日、アトランタ・ブレーブスはヤンキースからFAとなっていたOFのアレックス・ベルドゥーゴ(Alex Verdugo)とメジャー契約でサインしたと発表しました。
2025年1月でMLSが 6.078となったアレックス・ベルドゥーゴは今オフが初のFA資格。ただ、調停ファイナルイヤーの2024シーズンは際立った成績を残すことが出来ず、この時期まで未契約で残っていました。
契約内容
ブレーブスとアレックス・ベルドゥーゴの契約内容は以下の通り。
- 1年/$1.5M (2025)
2024年の調停ファイナル・イヤーのサラリーはヤンキースと1年/$8.7M (2024)。ゆえに今回はかなりダウンとなりました。
アレックス・ベルドゥーゴとは
アレックス・ベルドゥーゴは1996年5月15日生まれの28歳(現地2025年3月20日時点)。2025年の誕生日で29歳となります。もともとはドジャースの選手で、2014年のドジャースの2巡目指名。
デビューはドジャース時代の2017年。ドジャースにはビッグリーグ・レベルで3年在籍し、2019年には106試合に出場。ドジャースはこの時期、良い左打者が多かったために使い分けが発生。出場機会が削られる面もあり、プロスペクトのベルドゥーゴはトレードのターゲットになりやすい状況でもありました。
2020年2月にムーキー・ベッツのトレードの交換要員としてコナー・ウォン、ジーター・ダウンズとともにレッドソックスに移籍。
BOSでの成績
レッドソックスに移籍後は2020年から2023年までの4シーズンでほほとんどの試合に出場。493試合で1884-529。打率.281、OBP .338、SLG .424、HR 43、RBI 206、Run 280、二塁打124。
2023年は最終的には打率が.264に落ち着きましたが、6月には.316/.377/.484をマークし、非常に頼もしい活躍を見せました。
ただ、7月の打率は.151、9月は.178と波があったシーズンでもありました。監督のアレックス・コーラから淡白なプレーを批判されることもありました。
ヤンキースへ移籍
現地2023年12月6日にOFが過剰気味でもあったレッドソックスはアレックス・ベルドゥーゴをヤンキースへトレード。ヤンキースはジャンカルロ・スタントンが怪我が多いこともあり、チャンスに強いベルドゥーゴは需要にフィット。ディールが成立しました。
ただ、このトレードはレッドソックスにとって大きな資産となっています。
- グレッグ・ワイザート(Greg Weissert/28)RHP
- リチャード・フィッツ(Richard Fitts/24) RHP
- ニコラス・ジュディス(Nicholas Judice/22)RHP
グレッグ・ワイザートは2024年は62試合に登板。今季も期待されています。リチャード・フィッツはルーカス・ジオリトとカッター・クロフォードが開幕ILになったこともあり、2025年のNO.4スターターとして稼働予定。ニコラス・ジュディスは未デビューですが、プロスペクトとして今後も期待できます。
ヤンキース移籍後のベルドゥーゴですが、149試合に出場し、PA 621でシーズンを通して稼働。ただ、シーズン成績は.233/.291/.356、OPS .647。2023年が.264/.324/.421、OPS .745でしたから、かなり落ちました。
ATLはアクーニャ・Jr.復帰までの戦力補強
今回、ブレーブスがアレックス・ベルドゥーゴとサインした背景の一番大きい点はロナルド・アクーニャJr.が2024年に左膝ACL断裂の大怪我を負い、まだリハビリ中である点にあります。
そのアクーニャ・Jr.の復帰時期は5月初旬から半ばの予定。6ヶ月あるレギュラーシーズンのうち1/5以上を欠いた状態になります。
ケルニック、プロファーに不安
シーズンの1/5というのはかなりインパクトがありますが、そのアクーニャ・Jr.の復帰までの間、あるいは復帰後の相乗効果を考えて補強したのがFA市場で獲得したジュリクソン・プロファー。
そのプロファーですが、スプリング・トレーニングでレフトでの守備でダイビングを試み、左手首を痛めました。診断は骨折ではなく打撲で、3月初旬から中旬にかけて約10日ほど欠場。20日のフィリーズ戦から復帰し、元気にヒットも飛ばし、おそらく開幕には間に合いそうですが、どこまでフルでやれているのか?いささか不安が残ります。
さらに、輪をかけて不安なのがジャレッド・ケルニック。本来なら彼がこの穴を埋めてしかるべきポジションなのですが、グレープフルーツ・リーグでは.211/.286/.447とまったく振るわず。
この状況故にブレーブスはアレックス・ベルドゥーゴ獲得に動いたと言えるでしょう。
もし、アクーニャ・Jr.が復帰した場合、ブレーブスのOFはLFにプロファー、CFにマイケル・ハリス2世、RFにアクーニャ・Jr.になる見込み。ケルニックはもともとNO.4のOFという位置づけですが、ベルドゥーゴとこの役割を争うことになります。
そのほかにブレーブスは2024年にマーリンズとパイレーツで計21HRを放ったブライアン・デラクルーズも獲得しており、彼もシーズンのどこかで上に上がってくると見込まれ、OFの競争はかなり熾烈。
現地2025年3月21日時点のブレーブスのグレープフルーツ・リーグの成績は11勝12敗。これは色々と試してきた結果であり、決して額面通りの実力ではありません。シーズンに入れば、より精度が上がってくることでしょう。
そんなブレーブスにベルドゥーゴは貢献できるか?ちょっと見ものですね。場合によってはモメンタムも作ることができる。それがベルドゥーゴの魅力です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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