2025年は3人が殿堂入り
現地2025年1月22日、2025年のHall of Fame(HOF:野球殿堂)の投票が行われ、元マリナーズのイチロー選手、インディアンスやヤンキースで活躍したCC・サバシアがファースト・タイマーでの殿堂入りを決めました。そしてアストロズ、フィリーズなどでクローザーを務めたビリー・ワグナーも10度目のラスト・チャンスで見事に殿堂入り。2025年は計3名が殿堂入りを果たしました!
おめでとうございます!
資格選手、投票方法
野球殿堂の投票はBBWAA(全米野球記者協会)に所属する記者によって投票され、現役を10年以上重ね、引退後5年が経過した選手が対象。
殿堂入りとなるには、
- 得票率が75%以上
- その際、5%未満だった選手はその年限りで殿堂入りの機会は終了
- 得票率が5%から74%の間で、その年に選ばれなかった候補者は次年度の審査・選考に持ち越され
- 持ち越しは最大10年(2014年にルール改正。それまでは15年だった)。11年目からはリストに名前がなくなる。
詳細は下記の記事をご覧ください。
投票結果
現地2025年1月22日に行われた投票の結果です。
選手名 | Player | 投票数 | 得票率 | 投票回数 |
---|---|---|---|---|
鈴木一朗 | Ichiro Suzuki | 393 | 99.7 | 1st |
CC・サバシア | CC Sabathia | 342 | 86.8 | 1st |
ビリー・ワグナー | Billy Wagner | 325 | 82.5 | 10th |
カルロス・ベルトラン | Carlos Beltrán | 277 | 70.3 | 3rd |
アンドリュー・ジョーンズ | Andruw Jones | 261 | 66.2 | 8th |
チェイス・アトリー | Chase Utley | 157 | 39.8 | 2nd |
アレックス・ロドリゲス | Álex Rodríguez | 146 | 37.1 | 4th |
マニー・ラミレス | Manny Ramírez | 135 | 34.3 | 9th |
アンディー・ペティット | Andy Pettitte | 110 | 27.9 | 7th |
フェリックス・ヘルナンデス | Félix Hernández | 81 | 20.6 | 1st |
ボビー・アブレイユ | Bobby Abreu | 77 | 19.5 | 6th |
ジミー・ロリンズ | Jimmy Rollins | 71 | 18 | 4th |
オマール・ビスケール | Omar Vizquel | 70 | 17.8 | 8th |
ダスティン・ペドロイア | Dustin Pedroia | 47 | 11.9 | 1st |
マーク・バーリー | Mark Buehrle | 45 | 11.4 | 5th |
フランシスコ・ロドリゲス | Francisco Rodríguez | 40 | 10.2 | 3rd |
デービッド・ライト | David Wright | 32 | 8.1 | 2nd |
トリイ・ハンター | Torii Hunter | 20 | 5.1 | 5th |
イアン・キンスラー | Ian Kinsler | 10 | 2.5 | 1st |
ラッセル・マーティン | Russell Martin | 9 | 2.3 | 1st |
ブライアン・マッキャン | Brian McCann | 7 | 1.8 | 1st |
トロイ・トゥロウィツキー | Troy Tulowitzki | 4 | 1 | 1st |
カーティス・グランダーソン | Curtis Granderson | 3 | 0.8 | 1st |
アダム・ジョーンズ | Adam Jones | 3 | 0.8 | 1st |
カルロス・ゴンザレス | Carlos González | 2 | 0.5 | 1st |
ヘインリー・ラミレス | Hanley Ramírez | 0 | 0 | 1st |
フェルナンド・ロドニー | Fernando Rodney | 0 | 0 | 1st |
ベン・ゾブリスト | Ben Zobrist | 0 | 0 | 1st |
イチロー選手、99.7%
2025年が殿堂入りのファースト・タイマー(1度目の投票)だったイチロー選手は394の満票に対し、393の得票であと1票足りずに99.7%での殿堂入りとなりました。
BBWAAによる81年間の投票の中で満票を取ったのは2019年のマリアーノ・リベラのみ。彼以来2人目になるだろうと思っていたのですが、やはり角度の違う記者がいたようで。
99.7%で満票に1票届かなかったのは2020年の投票のデレク・ジーターと同じ。
2020年はコロナ・パンデミックが起こったため、7月に行われる予定であったセレモニーは中止になり、その翌年の2021年のセレモニーでジーターは “Thank you to the baseball writers. All but one of you,” 「ありがとう。一人を除いて」とユーモアたっぷりのスピーチを行ったことで話題に。
当のイチロー選手は自らは完璧を目指すポジションにいたいので、あと1票欠けたことは自分らしいとイチロー選手の人となりがわかるコメントを残しています。
イチロー選手の実績
言わずもがなですが、イチロー選手の数々のアチーブメントです。
- マリナーズ:2001-2012途中
- ヤンキース:2012途中-2014
- マーリンズ:2015-2017
- マリナーズ:2018-2019
- 2001 AL ROY受賞
- AL オールスター出場:10度 (2001-2010)
- AL MVP :1度(2001)
- 2007 オールスター MVP
- AL ゴールドグラブ賞:10年連続(2001-2010)
- ALシルバースラッガー賞:3度 (2001, 2007 & 2009)
- AL打率1位:2度 (2001 & 2004)
- AL At Bats1位:8度(2001, 2004-2008, 2010 & 2011)
- AL最多安打:7度(2001, 2004 & 2006-2010)
- AL最多シングル:10度 (2001-2010)
- AL 盗塁1位:1度 (2001)
- 100 Runs Scored 以上のシーズン: 8度 (2001-2008)
- 200安打以上のシーズン: 10度 (2001-2010)
- 50 盗塁以上のシーズン: 1度 (2001)
- 2025 HOF
- シーズン最多安打:262 (2004) こちらはメジャー歴代NO.1
- メジャー通算安打:3089 メジャー歴代25位
- メジャー通算HR:117
- メジャー通算RBI :780
- メジャー通算 Runs Scored: 1420
- メジャー通算盗塁:509
今回はメジャー・リーグのHOFではありますが、イチロー選手がいかに打ってきたか?という目安で安打数の日米の合算を記載するとご覧の通り。
- 通算安打:4367
- NPB:1278
- MLB: 3089
メジャー歴代最多安打はピート・ローズの4256ですから、プロリーグで世界一ヒットを打ち続けた人がイチロー選手であります。
阪神淡路大震災から今年は30年。発災の1995年は神戸の人達を大いに勇気づけ、1996年にはオリックスで日本一を達成。日本のファンの大いなる後押しを受けて2001年にメジャーに挑戦。27歳という旬の年齢で、日本NO1の打者が挑戦するうということで大いに期待されての船出でした。
そして上記のような数々の偉業を成し遂げました。途中、2006年と2009年のWBCで世界一に。特に2009年のWBCの決勝での勝ち越し安打は震えましたね!今でもあの興奮は忘れられません。
ファーストタイマーで、しかも満票での殿堂入りを期待させるほど活躍してきたイチロー選手にあらためて敬意を表したいです。
CC・サバシアの実績
こんなパワーのある左腕は見たことがないというのが若い頃のCC・サバシアでした。全盛期はそれこそ凄かったですね。彼もやはりファーストタイマーで86.8%の得票で殿堂入りに。
- インディアンス:2001-2008途中
- ブルワーズ:2008途中-2008
- ヤンキース:2009-2019
- ALオールスター出場:6度 (2003, 2004, 2007 & 2010-2012)
- 2009 ALCS MVP
- AL サイ・ヤング賞:1度 (2007)
- AL 最多勝:2度 (2009 & 2010)
- AL 最多イニング登板:1度 (2007)
- リーグ最多完投:2度 (2006/AL & 2008/NL)
- リーグ最多完封:3度 (2006/AL, 2008/AL & 2008/NL)
- 15 勝以上のシーズン: 8度 (2001, 2005 & 2007-2012)
- 20勝以上のシーズン: 1度 (2010)
- 200 IP以上のシーズン: 8度 (2002 & 2007-2013)
- 200 奪三振以上のシーズン: 3度 (2007, 2008 & 2011)
- ワールドシリーズ制覇:1度(2009-NYY)
- HOF 2025
- 通算:251勝161敗
- 勝利数は歴代47位タイ
- 通算ERA: 3.74
- 通算奪三振数:3093
- 歴代 18位
ビリー・ワグナーの実績
ビリー・ワグナーは2023年の投票では8度目で68.10%、2024年は9度目で73.8%をマークし、あと1歩というところまで迫っていました。2025年はファイナルの機会でしたが、見事に殿堂入りとなりました。
ビリー・ワグナーの実績です。
- アストロズ:1995-2003 当時アストロズはNL
- フィリーズ: 2004-2005
- メッツ:2006-2009途中
- レッドソックス:2009途中-2009
- ブレーブス: 2010
- NL オールスター出場:6度 (1999, 2001, 2003, 2005, 2007 & 2008)
- NL ローレイズ・リリーフマン賞(Rolaids Relief Award):1度 (1999)
- 1976年から2012年までリリーバーに贈られていた最優秀救援賞。セーブが3ポイント、厳しい状況でのタフ・セーブが4ポイントなどのポイント制であった
- 30 セーブ以上のシーズン: 8度 (1998, 1999, 2001-2003, 2005-2007 & 2010)
- 40 セーブ以上のシーズン: 2度 (2003 & 2006)
- 2025 HOF
- 通算登板数: 853
- 通算ゲーム・フィニッシュ:703
- 通算セーブ数:422 (歴代8位)
持ち越しの選手
3度目の投票で70.3%のカルロス・ベルトランは、あと2度くらいで到達できそうな感じです。8度目の投票で66.2%のアンドリュー・ジョーンズはちょっと微妙。ビリー・ワグナーは8度目で68.10%でした。
同じく8度目となった守備の達人のオマール・ビスケールは17.8%。評価されつつも、少年へのスキャンダルが足を引っ張っています。
2026年がラスト・チャンスのマニー・ラミレスは34.3%で、来年もちょっと厳しいかもしれません。
ファーストタイマー
ファーストタイマーではキング・フェリックスが20%超え、レッドソックスのダスティン・ペドロイアが10%超えとなり、持ち越しです。ペドロイアはマチャードのラフ・スライディングがなければ・・・と思いますね。
残りのカーティス・グランダーソンやイアン・キンスラーらは5%を切りましたので、残念ながら持ち越しなしで終了です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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