ゴールディー、37歳のシーズン
現地2024年12月20日になりますが、ヤンキースがカージナルスからFAとなっていた1Bのポール・ゴールドシュミット(Paul Goldschmidt)と1年契約で合意しました。
2024年は36歳のシーズンでさすがに衰えが見えてきたか?というシーズンだったのですが、クラブが変わることで復活なるか?というシーズンになります。
契約内容
延長契約を2度経験してきたポール・ゴールドシュミットはMLSは2025年1月で 13.059になる見込みですが、今回が初FA。ゆえにQOの有資格者でもあったのですが、$21.05Mはさすがにカージナルスとしてもハードルが高く、未提示でFAとなりました。
そんなゴールドシュミットの契約内容はこちら。
- 1年/$12.5M (2025)
こちらは37歳のシーズンゆえ、2年目のオプションなどはなく、この金額のままの予定。
明らかに落ちたのが打率(2024)
とにかく2024年は元気のない印象だったポール・ゴールドシュミット。衰えが見えてきているのは確かなのですが、実は2024年もそれなりの結果を出しておりました。これまでのキャリアがあまりにもすごすぎたので、落ちたように見えるのですが、いい数字は残しております。
G | R | H | 2B | HR | RBI | SB | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
154 | 70 | 147 | 33 | 22 | 65 | 11 | 47 | 173 | .245 | .302 | .414 | .716 |
特に2塁打。こちらは33本と前年の31本よりは2本増加。目立ちませんが、盗塁も11個を決めており、こちらは2年連続同じ数字。
悪化したのがHRでそれでも22本を放っているあたりはさすが。そして問題は打率ですね。2023年は.268を記録したのが2024年はついに.250を割り、.245。三振も増えており、2024年のSO 173は元気の良かった2018年にも記録している数字ですが、2021年の136から徐々に増えてきており、ここは衰えは隠せないところです。
ゴールディーの場合、チャンスでいかに打つか?ということが求められるので、その意味ではRBIは重要。2024年の65は2023年の80から大幅悪化。さらに2022年は115を記録していたことから、そこから比べると相当落ちてはおります。
ブロンクスでは1B
ヤンキースは1Bのアンソニー・リッゾをFAでそのまま流しました。左投手対策という意味では右打者であるに越したことはなかったので、DバックスからFAのクリスチャン・ウォーカーに猛プッシュしていたようですけど、同じ1Bスポットで苦しんでいたアストロズに決まり、守備にも定評のあるポール・ゴールドシュミットに落ち着いたというところです。
ゴールディーのこれまでの華やかな記録
ポール・ゴールドシュミットのドラフトは2009年でDバックスの8巡目指名と決して高くない順位でのプロ入りでした。
ダブルAで打ちまくり!
デビューしたのは2011年。この年、ダブルAで開幕を迎えたゴールドシュミットはとにかく打ちまくり、夏にはフューチャーズ・ゲームでアメリカ代表としてプレー(当時はUSA vs Worldの図式)。8月1日にトリプルAを経ずにメジャーに昇格。昇格時、彼はHR 30、RBI 94を記録していたというとんでもないルーキーでした。
その2011年8月1日のデビュー戦ではジャイアンツのマット・ケインと対戦し、初打席でシングルを放っております。(ゲームもDバックスが5対2で勝利)。メジャー1年目のシーズンは、48試合に出場し、.250/.333/.474、二塁打 9、HR 8をマーク。
同年、Dバックスは2007年以来のNLウエストの地区優勝を決め、NLDSではブルワーズと対戦。Gm1はベテランのライル・オーバーベイ(Lyle Overbay)に先発を譲りましたが、その他のゲームはっゴールドシュミットが先発1Bとなり、16打数7安打、HR 2、RBI 6、SB 1と暴れまわり、クラブに貢献するもDバックスは2勝3敗でNLDSで敗退しました。なお、ゴールドシュミットが次にポストシーズンの打席に入るのは2017年まで待たざるを得ませんでした。シーズン終了時にはUSAトゥデイのマイナーリーグのPOY(Player of the Year)を受賞。
際立った2013年と2022年
ここからはもうスーパースター列伝のような輝かしい成績の数々。
- オールスター出場:7度 (2013-2018 & 2022)
- NL MVP: 1度 (2022)
- NL ゴールドグラブ賞受賞:4度 (2013, 2015, 2017 & 2021)
- NL シルバースラッガー賞受賞:5度(2013, 2015, 2017, 2018 & 2022)
- NL SLG 1位: 2度 (2013 & 2022)
- NL OPS 1位:2度 (2013 & 2022)
- NL Total Bases 1位:1度 (2013)
- NL HR 1位:1度 (2013: 36)
- NL RBI Leader 1位:1度 (2013: 125)
- NL BB1位: 1度 (2016: 110)
- 20 HR以上のシーズン: 11度 (2012, 2013, 2015-2019 & 2021-2024)
- 30 HR以上のシーズン: 7度 (2013, 2015, 2017-2019, 2021 & 2022)
- 100 RBI以上のシーズン: 4度 (2013, 2015, 2017 & 2022)
- 100 Runs Scored 以上のシーズン: 6度 (2013, 2015-2017, 2021 & 2022)
際立った2013年とMVPを受賞した2022年の成績がこちら。意外にもHRは40本を超えたことがないのです。
Year | Club | G | R | H | 2B | HR | RBI | BB | BA | OBP | SLG | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | AZ | 160 | 103 | 182 | 36 | 36 | 125 | 99 | .302 | .401 | .551 | .952 |
2022 | STL | 151 | 106 | 178 | 41 | 35 | 115 | 79 | .317 | .404 | .578 | .981 |
カージナルスへの移籍の経緯
2017年、トレイ・ロブロ監督が就任したDバックスはフィールド上では創意工夫をこらしNLウエストでは2位ながらもポストシーズンに進出。2018年は3位に終わりました。ゴールドシュミットは際立った成績を残した2013年の後、5年/$32M (2014-18) + 2019年 $14.5Mのクラブオプションで延長契約を結んでおり、Dバックスは2018年終了後に2019年のオプションを一旦は行使しました。
しかし、フロントはより若手へシフトするリビルドを選択することは明らかで、サラリーの高いゴールドシュミットはトレード・ターゲットとなっていたのでした。
そして2018年12月にDバックスとカージナルスの間でトレードが成立。ゴールドシュミットがカージナルスに移籍したのでした。
その後のDバックスは2020年から2022年までの3シーズンは低迷。2023年にようやくプロスペト達が台頭し始め、ロブロ監督のベンチワークも冴え、ワールドシリーズまで進出していったのでした。
ゴールドシュミット が評価されるべきところはキャリアのピークを過ぎた2022年に34歳でNL MVPを獲得したこと。進化したというのが正解でしょうね。
そんなゴールドシュミットが2025シーズンにどこまでやるのか、見ものですね。
レッドソックスも受けて立ちますよ!
お読みいただき、ありがとうございました。
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