クラブハウスでも高評価のベテラン
現地2025年3月5日、2024年に大いにドジャースを苦しめたサンディエゴ・パドレスが数値に出ないところでも大いにチームに貢献するホセ・イグレシアス(Jose Iglesias)とマイナー契約で合意しました。
マイナー契約
パドレスとホセ・イグレシアスはマイナー契約ですが、メジャーに上がった場合のスプリット・コントラクトが設定されており、その内容はこちら。
- メジャー昇格で
- 1年/$3M(2025)
- インセンティブ:$1M
- 1年/$3M(2025)
エージェントはボラス・コーポレーション。
2022-26 CBAのXX条(b)のFA
ホセ・イグレシアスは2022-26 CBAのXX条(b)のフリーエージェントに該当し、前シーズンをメジャーリーグ・ロースターまたはILで終えたFA選手がマイナー契約を結んだ場合には、一律にオプトアウトの日程が与えられることになっています。
これはクラブ側に対して「使わないのなら、他のクラブとの可能性を」ということで早く契約解除をしてくれと要請できる権利。その日付が下記の3段階であります。
- 開幕の5日前(今回は3月22日)、
- 5月1日
- 6月1日
もしパドレスがキャンプ後半になって、ホセ・イグレシアスを開幕ロースターに登録するつもりがない意思を示した場合、彼はその契約解除条項を発動させて他のクラブでの出場機会を模索することができます。
これはレッドソックスとマイナー契約でサインしたマット・ムーアとも同じです。
2024: MLB合流でメッツの勝率がアップ!
キューバでSSを守っていたホセ・イグレシアスは2011年にレッドソックスでメジャー・デビュー。守備で観客を魅了できる名手でした。
2013年7月のトレード・デッドラインでタイガースへ移籍。タイガースには2018年まで在籍。守備に注目されがちなホセ・イグレシアスですが、実は若い頃からコンタクト・スキルは高いものがありました。2013年には年間を通じて109試合で、.303/.349/.386を記録するほど。
ただ、一発がないことが過小評価に至らしめている要因とも言えます。やはりメジャーのSSは打つことも要求されますから。
転機はレッズ
そんなホセ・イグレシアスは「打たないと試合に出られない」と、さらに打撃に力を入れ始めたのが2019年のこと。この年、ホセ・イグレシアスはレッズへ移籍し、ジョーイ・ボットと出会います。彼に打撃を教わったホセ・イグレシアスはその翌年の2020年、オリオールズで規定打席未達ながら、.373/.400/.556の好成績をマーク。
2021年は多くの方がご存じのようにエンゼルスで大谷選手の良き友人でした。この年の後半にはレッドソックスに移籍し、23試合の出場ながら、356/.406/.508をマーク。ゲームでの貢献だけでなく、ホームラン・セレブレーションでチームメイトをショッピング・カートに乗せてダグアウトを走らせる役を買って出るなど、チームのためにできることはするという非常に健気な姿が印象的でもありました。
2022年はロッキーズでプレーし、118試合に出場して292/.328/.380をマーク。
2023年はシーズン開幕当初はマイアミに所属するも、4月20日にリリースとなり、4月25日にパドレスとマイナー契約。しかし、このシーズンはメジャー出場がなく、これでキャリアも終わるのか?と危ぶまれていました。
2023年12月にメッツとマイナー契約を果たしたホセ・イグレシアスは、2024年の開幕ロスターに入れず、このシーズンも危なかったのですが、5月31日にシーズン・デビューを果たすと、驚異的なカムバック・シーズンにすることに成功。
85試合に出場し、291打席で.337/.381/.448を記録。また、メッツのクラブハウスにおいても良い雰囲気作りに貢献し、ファンにも愛されました。
OMGをリリース
その極めつけが 「OMG 」のリリース。夏前にはPSなど眼中になかったメッツをついにはNLCS出場まで押し上げたのでした。
2024年5月31日のメジャー復帰から歌を披露した2024年6月28日までの打撃成績は、.389/ .436/ .444 でOPSは.880。彼が出場した85試合の勝敗は52勝33敗。まさにラッキー・ボーイ的な存在となったのでした。
パドレスでの役割
もともとは守備が尋常ではないレベルのうまさにあったホセ・イグレシアスは、2021年頃には一度、精度は落ちましたが、2024年はそのうまさがまた戻ってきました。
2B、3B、そしてSSも可ということで彼がメジャーに上がればパドレスは色々な攻撃オプションを展開することが可能。現時点でパドレスは2Bにジェイク・クローネンワース、1Bにルイス・アラエスを予定していますが、ルイス・アラエズをDHに、クローネンワースを1Bにするプランも可。その時はホセ・イグレシアスが2B。さらにはマニー・マチャードのDHでの出場機会日にホセ・イグレシアスを3Bにすることも。
いずれにせよ、同じ内野ユーティリティーのエグイ・ロサリオ(Eguy Rosario)、タイラー・ウェイド内野手とのベンチ枠の争いに。
キャリアを通じてその打撃は一発こそ年間一桁なものの、出たゲームでは結果を出し続けているホセ・イグレシアス。パドレスでもまた良い雰囲気を作り出すでしょうか!?
お読みいただき、ありがとうございました。
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