投手補強かと思いきや右打席のOFを獲得
現地2025年2月4日、ボルチモア・オリオールズがOFを補強。ブレーブスからFAとなっていた右打席のラモン・ロレアーノ(Ramón Laureano)と1年契約でサインしました。こちらはもうオフィシャルとなっております。
スプリング・トレーニングのワークアウト・デーが2月12日に迫る中、オリオールズGMのマイク・エリアスは、それまでにまだ補強に走ることを示唆していましたが、それが投手補強を意味すると思われていましたが、ポジション・プレーヤーの編成もまだ不十分であると判断したようです。
契約内容
両者の契約内容は大筋では以下の通りです。
- 1年/$4M 保証(2025) + クラブオプション
- 2026: $6.5Mクラブオプション
2年目のクラブオプション付で、これにバイアウトが入っているかもしれません。
ラモン・ロレアーノとは
ラモン・ロレアーノは1994年7月14日生まれの30歳。シーズン半ばで31歳となります。デビューが鮮烈だっただけにかなりベテランのイメージがあったのですが、まだ30歳を超えたばかり。
出身はドミニカ共和国ですが、マイアミのノースイースタン・オクラホマ・A&M・カレッジ出身でアマチュアドラフトを経てプロ入り。ドラフトは2014年のアストロズの16巡目指名で、19歳でのプロ入りでした。
2014年はルーキー・レベルでのプロ・デビューで16試合のみの出場。2015年にはクラスAに昇格し、76試合で打率.265をマーク。
2016年はクラスA+で開幕を迎え、80試合に出場し、.317/.426/.519、HR10をマーク。同年にはダブルAに昇格。35試合で323/.432/.548、HR 5をマークし、一躍アストロズの有望なプロスペクトに躍り出ます。
2017年はダブルAで1年間みっちりと過ごし、123試合したものの、フルシーズンの成績は227/.298/.369、HR 11とやや落ちました。これが気になったのか、同年オフの11月にアストロズはロレアーノをアスレチックスへトレード。右腕のブランドン・ベイリーを獲得しました。なお、ブランドン・ベイリーはアストロズでは2020年に登板したのみです。
2018: デビュー直後にスーパースロー
トレード翌年の2018年、トリプルAで開幕を迎えたロレアーノは64試合に出場して.297をマーク。同年8月3日にメジャー・デビューを果たします。そしてデビュー戦でメジャー初ヒットも記録。
そしてデビュー直後の2018年8月11日の敵地でのエンゼルス戦、ラモン・ロレアーノは衝撃的なプレーを披露します。CFを守っていたロレアーノはジャスティン・アップトンが放った左中間へのHR性のフライを全速力で76フィート(約15メートル)疾走してウォール寸前で捕球。そして1塁ランナーのエリック・ヤング・Jr.が2塁を回っていることに気づいたロレアーノはそこから1Bへ大遠投。アウトにしたのです。スタットキャストによれば、その距離321フィート(約97.8408メートル)。
なお、このプレーはLFを守っていたチャド・ピンダーがちゃんと指示しているのです。こういった細かいことができたのが当時のアスレチックス。そして1Bはマーク・カナでした。
このプレー後、ポストシーズン進出を争うアスレチックスの最終兵器的な存在となったロレアーノは8月20日、9月7日にそれぞれ2HRを放つなど期待にも応え、ポストシーズンにも進出。しかし、ポストシーズンではヤンキースとのワイルドカード・ゲームで敗れて敗退。メジャー1年目は48試合で打率.288、、HR 5、RBI 19RBIをマーク。
2019: レイザー・ラモン
2019年4月1日にコロシアムで行われたレッドソックスとの4ゲーム・シリーズでもロレアーノはその卓越したアームを披露。4試合のシリーズで3つのOFアシストを記録。彼は4試合中3試合でアスレチックスの勝利に大きく貢献。
この頃から一部のファンの間で彼のことを元プロレス界のスーパースター 、スコット・ホールのニックネームの「レーザー・ラモン 」にちなんで、そう呼ぶようになりました。
同年4月21日のブルージェイズ戦では、2回にテオカー・ヘルナンデスのフェンス越えのホームランを強奪。
さらに5月7日にコロシアムで行われたレッズ戦ではジョーイ・ボットのセンターフェンス越えのHRをまたも完璧なタイミングで強奪。これにより、先発マイク・ファイヤーズの2度目となるノーヒット・ノーラン達成に貢献。なお、マイク・ファイヤーズは2019年オフ、例のサイン・スティーリング問題を公表し、大騒ぎとなったのでした!!
2019年は123試合に出場し、打率.288、HR 24本塁打、RBI 67を記録。OPS+は128で、ルーキーイヤーの成績とほぼ同じだった。キャリア最高のシーズンを送ったと言ってもいいでしょう。
短縮シーズンとなった2020年は色々とありましたが、打率.213。死球12はAL最多でした。
2022年、2023年は故障がちでそれぞれ100試合未満の出場となり、2シーズンを併せた打率は.229で低迷した2年間でした。
2023年もアスレチックスで開幕を迎えましたが、やはり故障がちで同年8月にはアスレチックスからDFAとなります。その後にガーディアンズがウェーバーでクレームオフし、ガーディアンズに移籍。2023年はアスレチックスとガーディアンズの成績を併せて、105試合で.224/.304/.371。
2024年、ガーディアンズで開幕を迎えたロレアーノでしたが、開幕から低迷。5月20日まで31試合に出場するも、打率.143。ガーディアンズは5月20日にロレアーノをDFAに。
その後、FAとして5月28日にブレーブスとマイナー契約でサイン。6月15日にはメジャーに昇格。ブレーブスでは67試合に出場し、.296/.327/.505の好成績をマーク。本来の高打率に戻ってきました。左のOFが増える中、右打席でしかも強肩というのは心強い存在で、復調の兆しもあったので、需要はありそうでしたが、オリオールズがメジャー契約でサインしたという流れです。
O’sのOF
オリオールズのOFはやはり左が多いです。コルトン・カウザー、セドリック・マリンズ、そしてヘストン・キャースタッドが左打席。
オリオールズは今オフ、レッドソックスからFAとなっていたタイラー・オニールを獲得。待望の右打席のOFです。
さらに1月27日にはスイッチヒッターのディラン・カールソンと1年/$0.975Mでサイン。今回、右打席のロレアーノが加入したことで、ロスター争いが熾烈になってきました。
GMのマイク・エリアスがさらなる動きを見せるか、注目です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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