JV、42歳、20シーズン目へ
現地2025年1月4日、まだディールが決まっていない超大物と言えば、ジャスティン・バーランダーとマックス・シャーザーですが、ともにキャリア終盤に来て怪我も含めた体力的な面とともに直近の契約が高単価過ぎて、ディールがまとまっておりません。
ジャスティン・バーランダーは1983年生まれで2025年は42歳のシーズン、マックス・シャーザーは1984年生まれで40歳で開幕を迎え、7月の誕生日で41歳に。
元デトロイト・タイガースの2トップだった2人は、ともにサイ・ヤング賞受賞3度というモンスター級の投手ですが、2024年のシーズンの大半を怪我で棒に振った状態からの復帰を目指し、1年契約を模索しているという点でかなり似かよった境遇です。ここでは年齢が1つ上のジャスティン・バーランダーについて取り上げてみたいと思います。
JVに複数クラブが関心
ジャスティン・バーランダーは2025シーズンがメジャー20年目となります。
2024シーズンはスプリングトレーニング中に肩の故障で登板が制限され、シーズン・デビューは4月19日に。さらに6月には首の負傷によって2ヵ月半以上離脱。8月にILから復帰したものの、シーズントータルでは17試合で90.1イニングしか投げておらず、5勝6敗、ERA 5.48と苦戦しました。
9月下旬の時点では記者団に「首の怪我からの復帰は少し早かったと思う……このチーム(アストロズ)の戦力になりたいと思い、投げて自分の状態を確かめたかったが、明らかに結果は良くなかった」と答えました。
直近の故障履歴
バーランダーは、その傑出したキャリアの中でとにかく投げ続けてきた投手として高い評価を得てきましたが、年齢を重ねるにつれて、やはり健康上の問題が生じてきました。
直近では2020年9月にトミー・ジョン手術を実施したことで、2020-21年シーズンのほとんどを離脱。ちなみにトミー・ジョン手術の前には鼠径部の手術も実施しております。
復帰した2022年シーズンにはふくらはぎの負傷のために数週間欠場し、さらに2023年シーズンには大腿骨の張りのために最初の1カ月以上の離脱を余儀なくされました。
ただ、投球腕の故障が癒えたバーランダーは2022年に28試合、175.0イニングを投げ、18勝4敗、ERA 1.75の超高品質投球を披露。
ポスト・シーズンでもローテーションの柱として活躍。ALDSでは打ち込まれたものの、ヤンキースとのALCSでは見事な投球を披露。
フィリーズとのワールドシリーズではGm1で打たれてしまいましたが、2勝2敗となり流れを左右するGm5に先発し、好投。キャリアの中で初のワールドシリーズ勝利投手に輝きました。
安定して投げ続けた2022年はオフにはキャリア3度目となるサイ・ヤング賞を受賞。2022年は39歳のシーズンだったにも関わらずです!ERA 1.75は信じられない数字でしたね。
2023年はメッツと破格の短期契約でサイン。
メッツでは16試合、94.1イニングで6勝5敗、ERA 3.15。この年、ポストシーズンのコンテンダーでなくなったメッツはトレード・デッドラインでバーランダーを放出。バーランダーはアストロズに復帰となり、アストロズでは11試合、68.0イニングで7勝3敗、ERA 3.31。2023年はトータルで27試合、162.1イニングで13勝8敗、ERA 3.22でした。これでも十分すぎるくらいの数字ですね。
現時点では絶好調!
なお、上述のように2024年は肩と首の故障がありましたが、現時点では「絶好調」とのこと。まずは健康上の問題はクリアーしているということでこれは朗報です。
25試合登板は期待可
故障がない限り、バーランダーは間違いなく効果的な投球を披露できます。
とくに肩や肘は特に問題はないことが獲得するクラブ側にも大きなメリットがあります。2025年は当たり年になりそうな予感がし、25試合以上の先発は期待できそうです。
問題はサラリー
そうなると問題はサラリーです。バーランダーの直近の契約はご覧のような内容で超高単価でした。
- 2 年/$86,666,666 (2023-24) + 2025 $35M べスティング&プレーヤー・オプション
- 2024年に140 イニング超えを果たし、尚且つ独立した機関でのフィジカル検査の結果、2025年のオープニング・デー・ロスターを阻害することがないなら、プレーヤー・オプションとなり、2025年は$35Mで更新できる
- 支払い:$43,333,333 x 2 (2023-2024)
2025年はオプションがついていましたが、怪我でべスティングの数字とマッチしなかったので、2年契約のままでFAとなっています。
なお、メッツからアストロズに移籍した際は残り1年半の$57.5M強のうち$35Mをメッツが支払う大盤振る舞いだったのでアストロズは1.5シーズンで$22M程度の支払いで済みました。
まともに考えると、前契約の実績ではAAVは$43M。ただ、この単価は現実的ではないため、バーランダー側がどこで妥協するか?というのがディール成立の鍵となりそうです。
アストロズは金のガチョウ的な存在であったカイル・タッカーを放出してまで2025年の贅沢税超えは避けようとしている状態。ゆえにバーランダーとのサインはないかもしれません。もちろん、オーナーのGOが出れば別ですが、すでに現時点で$241Mの閾値と同じ見込みサラリーとなっている以上、難しいかもしれませんね。
勝手な憶測が許されるなら、バーランダー側が$15M〜$19Mのレンジで妥協するようなら、門戸は拡がるかもしれませんが、たぶん$22M程度は死守したいのでしょうね。
バーランダーのエージェントはISEです。
またジャック・フラハーティーの動向もバーランダーのディールに影響しているようにも思います。
間違いなくHOF(野球殿堂)になるであろう、バーランダー。もう1年、見てみたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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