ゲリット・コールは再びヤンキースへ
いっとき、面白いことになったと思ったのですが、結果、元の鞘に納まったのがヤンキースのゲリット・コールのこのオフの動きでした。
非常に興味深かったのですが、まずはその経緯を見てみます。
経緯
かなり劣勢の状況であったワールドシリーズGm5に登板し、序盤はさすがの投球を見せて、流れを呼び戻そうしていたゲリット・コールは5回に自らのベースカバーの失策などもあり、5失点でリードを吹き飛ばしてしまい、7回2アウトまで力投するも、降板。
今季は肘の故障もあって不本意なシーズンとなりながらも、それでも最後の総決算とも言えるゲームでエースらしい踏ん張りも見せたのはさすがでした。
そう、そのワールドシリーズGm5の登板がヤンキースでの最後の登板になるところだったのです!
オプトアウト行使!
そのゲリット・コールは現地2024年11月2日、オプトアウトを行使しました。オプトアウトとは選手側から契約の途中解除を申し出ることで、これは事前に契約で設定されています。
どうしてそれが盛り込まれているのかと言えば選手によって色々なケースがありますが、1つは長期契約となった場合、終世そのクラブにいることが本当に正解なのか?選手が省みる機会を設けているというのがあります。
この場合はサラリー面のお話で、自身の年齢も考慮し、FA市場での自分の価値がサインのX年後に上がっているのではないか?その時期を狙って設定しているパターン。つまり、FA市場に最大の価値で売り出せる最適なタイミングを設定して。
また、もう一つの大きな理由としてやはり勝たないと面白くない訳ですから、果たしてそのクラブが勝てるクラブなのか?というのをサインのX年後に定める目的での設定。
選手にとっては長期契約の間に2度ほど入れるケースもあります。
ではゲリット・コールの契約内容を見てみると今オフにオプトアウトが設定されていたのです。
ゲリット・コールの契約
破格の内容で2019年12月にヤンキースとサインしたゲリット・コールの契約内容はこちら。
- 9年/$324M (2020-28)
- 2024年終了後にオプトアウト可
- コールがオプトアウトの権利を行使した場合、ヤンキースは10年目(2029年)に$36Mを追加することで、彼の決断を無効にすることができる。
- フル・ノートレード条項あり
サイン当初はAAVで史上最高額でもあり($36M)、投手としても最高額でのサインでした。今はAAVは大谷選手の$70Mが最高です。
熱望して入ったはず
ゲリット・コールはサイン時、ヤンキースに熱望して入ったのです。小さい頃からファンだったようで。よって、相思相愛だったのが、崩れたと。これは興味深い!と思っていたのです。
復帰へ
2024年はドジャースがワールドシリーズを5戦で決めました。ドジャースが決めたのが現地2024年10月30日。そこから5日の11月4日、これが今季のFA解禁日で他クラブとの交渉が始まります。
ゆえに11月4日までは所属チームとの交渉期限で、この間は他クラブとの交渉は認められておりません。よって、各クラブはこの間に2024年終了時に設定されていたオプションの決定、またオプトアウト(契約途中破棄)が決められ、ゲリット・コールは11月2日にオプトアウトを決めた訳です。
ところが、FA解禁日となる前の11月3日にヤンキースへの復帰が決まりました。
オプトアウト行使時の条件なしで!
どういう話し合いがあったかまではさすがにわかりませんが、とにかくゲリット・コールの復帰が決定。驚くべきことに、「コールがオプトアウトの権利を行使した場合、ヤンキースは10年目(2029年)に$36Mを追加することで、彼の決断を無効にすることができる」の条項を排除しての復帰。
つまりゲリット・コールは当初の契約通り、2028年までとなりました。残りは4年。
肘か?
通算153勝のゲリット・コールは2024年春に肘を傷めたように、さすがに長年の疲れが出てきております。肘への負担が軽そうないいフォームではあると思いますが、披露の蓄積は避けられないところでしょう。
上述の2019年の追加なしでの復帰はクラブ側にちょっと足元を見られたのかもしれません。あくまで推測の域を出ませんが。
とにかく、2025年もゲリット・コールがヤンキースで投げます。喜んでいる選手もいますよ!
お読みいただき、ありがとうございました。
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