ドジャースが再契約にこぎつける!
現地2024年12月27日、ロサンゼルス・ドジャースがやりましたね。もう流出は不可避と見られていたテオスカー・ヘルナンデス(Teoscar Hernández)と再契約にこぎつけました!これはフロントオフィスが頑張りましたね。
まもなくオフィシャルになる見込みです。
笑顔100点のスラッガー
これでテオスカー・ヘルナンデスはキャリアの後半戦をドジャースで華々しく過ごすことが決定。また大谷選手とのコンビが復活です。またあの反則級のいい笑顔がロスで見られますね。「笑顔とはああやって作るんだ」というくらいにいい顔で笑いますからね。人柄が滲み出ている素晴らしい笑顔だと思います。
契約内容
ドジャースとテオスカー・ヘルナンデスの合意内容は大筋で以下の通り。
- 3 年/$66M (2025-27) + 2028 クラブオプション
- サイニング・ボーナス:$23M
- 繰り延べ払い:$23M以上
額面上のAAVは$22Mですが、繰り延べ払いが1/3以上入っているので、贅沢税上のサラリーの算出は$43M+繰り延べ払い反映分となり、年当たり$14M+繰り延べ払い分でざっと$18M-$19M強のレンジが反映されそうです。
おそらくですが、そのサイニング・ボーナス分の$23M(以上)を繰り延べ払いにするのではないか?と思われます。その受け取り方は現時点では不明。受取は契約終了後なのか、5年後なのか、10年後なのか、そして何回に亘って支払われるのかはわかりませんが、引退後も困らないようにしているはずです。引退後の次の年の税金にも備えないといけませんからね。
ちなみにテオスカー・ヘルナンデスは2024年も繰り延べ払いを設定しており、$23.5Mのうち$8.5Mを2030-39の10年間で受け取ることとしていました。
この分もありますから、安泰です。
額面上AAVの22Mドルを了承したドジャース
上述のようにドジャースとテオスカー・ヘルナンデスのこのディールの額面上のAAVは$22M。
FAが解禁となった当初、テオスカー・ヘルナンデスは再契約を望んでいたというのは確かでしたが、編成の都合上、ドジャースはローテーション投手の確保を優先。まずは今オフの注目であったブレイク・スネルと5年$182M (25-29)+オプションでサインして確保。
2025年はトニー・ゴンソリンも戻ってきますし、ひょっとしたらダスティン・メイも復帰する可能性もあり、一旦はローテーションはここで様子見に。
次にブルペンに着手し、ブラスダー・グラテロルが右肩手術で前半戦が絶望的になったがゆえに安定性を保つためにFAになっていたブレイク・トライネンと2年/$22M (25-26)で再契約して確保。
マイケル・コペックやアレックス・ベシア(左)、アンソニー・バンダ(左)らはいますから、ブルペンもこれで一旦は安定。
右のOF
そうなると、次はオフェンス面ということで、伝統的に左の好打者の多いドジャースはどうしても右のスラッガーが必要でした。そこでテオスカー・ヘルナンデスは打ってつけだったのですが、熟慮せずにはおられなかったのはやはり贅沢税対策。
ドジャースの贅沢税(2025)
ドジャースは2021年からずっと贅沢税は超過。
2025年はというと、現時点でテオスカー・ヘルナンデスの$19M(仮に)を入れたとしてなんと$359M強。2025年の閾値は$241Mですから、$100M以上もオーバーしていることに。
これは2023年のメッツの$374Mに近づくものであり、さらに来季のフアン・ソトのAAV $51Mを加えたメッツの2025年の現時点の予想額$278Mを遥かに上回る額です。
こういった背景もあり、ドジャースは編成的にはテオスカー・ヘルナンデスとサインしたくとも、$20Mを超えるAAVにはさすがに即答できなかったということです。
ところが今回、テオスカー・ヘルナンデスが$23M以上の繰り延べ払いを受け入れ、$20M未満に押さえたことで契約合意に至ったと、ペイロールの上からはそのような憶測を立てることができます。
テオスカー・ヘルナンデスとは
テオスカー・ヘルナンデスは、1992年10月15日生まれの32才で右投げ右打ちのOF。ドミニカ共和国出身で2011年2月にアマチュアFAとしてアストロズとサイン。
デビューは2016年で41試合でAVG .230、HR 4をマーク。
青木選手とともにTORへ
2017年のトレード・デッドラインでアストロズがフランシスコ・リリアーノを獲得したトレードで青木選手とともにブルージェイズに移籍。2017年はアストロズでは1試合のみの出場でしたが、ブルージェイズへの移籍後は9月に26試合に出場し、AVG.261、HR 8、RBI 20をマーク。ここでまずは最初の輝きを見せました。1ヶ月で8HR!
2018年からはエブリデーOFでほとんどのゲームに出場。
2019年には26HRをマーク。短縮シーズンの2020年は.289/.340/.579、HR 16、RBI34をマーク。シルバー・スラッガー賞にも輝き、MVP投票では11位。
さらに2021年には550打数163安打で.296/.346/.534をマーク。HR32、RBI 116と際立った成績を上げ、2年連続でシルバー・スラッガー賞を受賞。この年はオールスターにも出場しました。
マリナーズへ(2023)
2022年11月、テオスカー・ヘルナンデスはトレードでマリナーズへ移籍。ブルージェイズはエリック・スワンソンとマイナーの選手を獲得。
2023年は160試合に出場。625打数161安打で、.258/.305/.435をマーク。HR 26、RBI 93。
2023年は三振が多かった
打撃はシングル、ロングの双方ともOKで、守備も良しとかなりバランスの取れたテオスカー・ヘルナンデスですが、ウィークポイントを挙げるとするなら三振が多いこと。2023年はなんと211です。これはMLBトップのカイル・シュワーバーの215に迫る勢いの3位。
なお、2位は誰だったかというとユーヘイニオ・スアレスの214。マリナーズは2023年は三振TOP3が2人も打線にいたことになりますね。
2024年はさらに輝く
2024年、FAとしてドジャースに入ったテオスカー・ヘルナンデスは右のスラッガーとして大いに機能。154試合に出場し、160安打を放ち、.272/.339/.501、OPS .840をマーク。HR 33、RBI 99。前年に211を数えたSO数は188に減りました。
ドジャースは2024シーズン、ムーキー・ベッツを6月17日から8月11日まで2ヶ月にわたり欠き、その間さらに打線は左に偏ってしまう事態が発生。しかし、テオスカー・ヘルナンデスがどっしりと4番に腰を据えたことでなんとか攻撃のバランスもキープ。そして彼の存在感が大谷選手やフレディー・フリーマン、そして下位に位置したマックス・マンシーの打席に好影響を与えたことは間違いないところです。この当たりは称賛すべきことかと思います。
ドジャース、またやってくれましたね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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