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【MLB2025FA】ドジャースがブレイク・スネルを獲得!5年契約で合意へ

注目FA左腕のブレイク・スネルはドジャースに決定

 現地2024年11月26日、まだ11月ではありますが、大物FA左腕のブレイク・スネルのディールが決定しました。ロサンゼルス・ドジャースと5年契約で合意です!現時点ではフィジカル・チェックの結果待ちでまもなくオフィシャルになります。

 前年から有名選手がこぞってドジャースに集まる傾向となっておりますね。

2024年のブレイク・スネル

 2023年に2度目のサイ・ヤング賞を受賞したブレイク・スネルはオフに初FAとなり、大きな勲章を引っ提げ、まずはパドレスからのQOを拒否。FA市場に打って出ました。ハイ・クオリティー左腕の登場に市場も沸き立ち、ヤンキース、エンゼルス、アストロズなど複数のクラブが名乗りを上げ、交渉に臨んだものの、本人の望む条件とは乖離があり、交渉は難航。

 しかも2023年オフは大谷選手、山本投手に大きな注目が集まり、スネルは彼らの結果に左右されるポジションでもありました。他のFA選手の交渉に迷惑をかけないようにと大谷選手は年内にドジャースとの破格の契約をまとめたのはご承知の通りです。山本投手も同様。早めに交渉をまとめました。

 さあ、これでスネルも決まるぞ!と思われたのですが、頑なな条件設定にやはり交渉は難航。結局、シーズンが見えてきた現地2024年3月18日にサンフランシスコ・ジャイアンツと2年/$62Mでサイン。一旦は高額契約を諦めて、2024年オフの市場に参戦するという契約内容でサインしたのでした。

スタートで躓く

 この遅すぎたディールはブレイク・スネルの2024年のシーズン・デビューにも大きく影響。初登板は2024年4月8日で、その後も調整不足が災いしてか、4月は3試合でERA 11.57とかなりのラフ・スタートに。4月24日には左内転筋のハリで15-day ILとなり、復帰まで約1ヶ月かかりました。

 5月22日に復帰してからもやはりラフ・スタートが続き、5月22日、29日、6月2日の3試合でERAは7.50。そして、6月3日付で左鼠径部のハリということでまたもや15-day ILに入ったのでした。6月2日までの成績は6試合で0勝3敗、ERA 9.51。大苦戦のスタートとなったのでした。

7月以降は上り調子に

 6月3日から離脱は約1ヶ月かかり、7月9日にILから復帰。この2回めのILでかなりコンディションが整ったスネルはようやく本来の質の高い投球にシフト!7月は4試合に先発し、24.0イニングを投げ、ERAは0.75。

DatevsIPHRERBBSOHR
7/9@TOR5.0100330
7/14MIN7.0100080
7/22@LAD6.0422241
7/27COL6.02002150

 スネルのラフ・スタートもあり、ジャイアンツは早々にポストシーズンを諦め、トレード・デッドラインでは「売り」を実行。FAで獲得したホルヘ・ソレアーをブレーブスにトレードしたのでした。そんな中、ブレイク・スネルも有力なトレード・カードでしたが、ジャイアンツはスネルを出しませんでした。

 そして好調は8月に入っても続き、現地2024年8月2日にグレート・アメリカン・ボールパークで行われたレッズ戦でノーヒット・ノーランを達成。もう無双状態となったのでした。ホームラン・パークと言われるレッズのホームでの大記録達成はさらに彼の価値を高めたのでした。

 結果、2024年のブレイク・スネルは20先発、104.0 IPで5勝3敗、ERA 3.12、SO9 12.5、BB 9 3.8でフィニッシュ。尻上がりに調子を上げたことがこのオフの市場での彼の価値を高めました。

 ジャイアンツとは2年契約で2年目は$30Mのサラリーだったものの、プレーヤー・オプションだったため、彼の意思でFAを選択。今回のディールに至ったのでした。

 この早めのディール決定も2024年の轍を踏まないためかもしれませんね。

契約内容

 契約内容は下記の通り。ドジャースの破格の贅沢税に関しては後述しますが、ブレイク・スネルも大谷選手同様、繰り延べ払いを採り入れており、これで贅沢税のインパクトを幾分か和らげています。

  • 5 年/$182M 保証(2025-29)
    • サイニング・ボーナス:$52M
    • $60Mが繰り延べ払い
      • $182M保証の中の$60Mが繰り延べ払い。そのインパクトを換算した際の現在価値は$160M-$165M に落ち着き、AAVは$32.5Mになる見込み。
      • 限定的ノートレード条項あり
      • トレードの際はアサインメント・ボーナス$5M がつく

 総額で5年/$182MだとAAVは$36.4Mになりますが、上記の通り一部$60Mが繰り延べ払いになるため、贅沢税上のAAVは$32.5Mに。若干ですが、和らげています。

ドジャースの贅沢税

 さて、ドジャースの贅沢税ですが、2024年は$351.7M!!大谷選手の$70Mが繰り延べ払いにより$46.076Mに和らいでこの額です。2024年の閾値は$237Mですから、約$115.8Mという強烈な超過額です。

 ドジャースは2023年の時点で3年連続の超過。2024年も上記の金額ですから、4年連続超過ということに。しかも超過額は$100M以上で、$20Mごとに50%、62%、95%がかかり、超過$60M以上の部分は110%がかかり、ざっと見積もったところで約$103Mが税額ということに。

段階
Tier
基準値
超過額
超過
1年目
超過
2年連続
超過
3年連続+
1$20M未満20%30%50%
2$20M-$40M
+ Tier 1
32%42%62%
3$40M-$60M
+ Tier 1 
62.5%75%95%
4+$60M
+ Tier 1
80%90%110%

 これに加え、基準額を$40M以上超えた場合は

  • アマチュア・ドラフトの指名権がクラブの一番高い指名順が10個下がる
  • もしそのクラブが上位6番目までに指名できる場合は2番めに高い指名順が10個下がる

 というペナルティーが発生します。

 ドジャースの場合、大谷選手の加入で相当な収益が上がり、びくともしないファイナンス状況ではありますが、ドラフトの指名順位が下がるのだけは痛いところではあります。もっともドジャースはトレードでそのドラフトの上位指名の穴埋めを行っている部分もあるのですが。

ドジャースのローテーション

 ブレイク・スネルの加入により、ドジャースの2025年のローテーションは現地2024年11月26日時点でご覧のメンバーになる見込みです。

  • 山本由伸
  • 大谷翔平
  • ブレイク・スネル
  • タイラー・グラスノー
  • トニー・ゴンソリン
  • ダスティン・メイ

 タイラー・グラスノーはこれまでフルシーズンで稼働したことがなく、2024年も後半は離脱してしまいました。トニー・ゴンソリン、大谷選手はTJ手術明け。ダスティン・メイも怪我の状況次第。

 中心は山本投手ということになりそうです。ゆえにここにブレイク・スネルがいることは大きいですね。

2年続かない傾向を払拭するか?

 ブレイク・スネルのキャリアは主要スタッツはご覧の通りです。

YearAgeClubLgWLERAGSIPBBSO
201623TBRAL683.541989.05198
201724TBRAL574.0424129.159119
201825TBRAL2151.8931180.264221
201926TBRAL684.2923107.040147
202027TBRAL423.241150.01863
202128SDPNL764.2027128.269170
202229SDPNL8103.3824128.051171
202330SDPNL1492.2532180.099234
202431SFGNL533.1220104.044145

 サイ・ヤング賞を獲った2018年、2023年の翌年は大きく凹んでいます。2023年オフに初FAになった時もこの2年続かない点が思うような契約にならなかった一つの要因でもあります。

 2024年は尻上がりによくなり、その傾向を一部払拭しました。今度はシーズンの半分ではなく、フルシーズンでの払拭を期待したいところですね。

 ドジャース、すごい戦力となりました。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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