未契約FAのトップランクのキンタナはブルワーズへ
現地2025年3月3日、ミルウォーキー・ブルワーズがローテーションを補強。1月の誕生日で36歳になったばかりのベテラン左腕、ホセ・キンタナ(Jose Quintana)と1年契約で合意しました。
ホセ・キンタナはFAとして残っている未契約投手のトップ・ランクでしたが、噂のメッツは動かずということになりました。
メッツは動かず
ホセ・キンタナに関してはフランキー・モンタスとショーン・マナエアの2人が開幕ILとなったメッツも有力候補として伝えられていましたが、メッツは積極的に動かず、FAはホセ・ウリーナとマイナー契約を結んだのみで、あとは自力でローテーションを回す意思が見てとれます。なお、今回の交渉ではパイレーツがかなり熱心にキンタナを誘ったという報道も。
契約内容
ブルワーズとホセ・キンタナの合意内容は大筋で以下の通り。
- 1年/$4.25M保証 (2025)
- サラリー:$4M
- ロスター・ボーナス:$0.25M
ホセ・キンタナの前の契約は2022年12月にメッツとサインした2 年/$26M (2023-24)。AAV(Annual Average Value)通りの$13M x 2年。そこから比べるとかなりお得なディールとなっています。総額$4.25Mで上記の内訳となっています。
これがオフィシャルとなればブルワーズはロスターがフルなので、ロスター調整が入ることになります。
ホセ・キンタナとは?
ホセ・キンタナは、1989年1月24日生まれでコロンビア出身で36歳。2012年にホワイトソックスでデビューし、デビュー・イヤーに136.1 IPを投げ、6勝6敗、ERA 3.76をマーク。
2013年から2016年までは4年連続で200.0イニング以上を投げ、この間、40勝40敗、ERA 3.35。この頃はよく投げていましたよね。2016年にはサイ・ヤング賞投票で10位。
2017年のトレード・デッドラインでカブスに移籍。カブスに移籍後も14試合で7勝3敗をマーク。
カブスでの2018年、2019年も好成績を残し、いずれも13勝をマークしました。カブスには2020年まで在籍。2020年は親指のケガで出遅れ4試合、10.0イニングを投げただけで0勝0敗、ERA 4.50。
2021年はエンゼルスと1年/$8Mでサイン。しかし、これまでの疲労の蓄積が表面化したのか、左肘を傷めて大苦戦のシーズンとなり、29試合(10先発)で0勝3敗、ERA 6.43。シーズン途中でウェーバーにかけられ、ジャイアンツに移籍しましたが、ジャイアンツでも結果が出ずに0勝3敗、ERA 6.75。
2022年は復調。パイレーツとカージナルスで165.2イニングを投げ、ERAは2.93、 SO% 20.2、BB % 6.9、GB% 46.4と素晴らしい数字を出しました。ただ6勝7敗と勝ち星はついてきませんでした。
2023年に肋骨の移植手術
さあ、これからキャリア前半のような復調を!と願った2023年。上述のようにメッツと2年契約を結んでいましたが、スプリング・トレーニング中の現地2023年3月14日に肋骨移植手術をすることに。これで開幕ILとなり、大きな手術でしたが、7月20日に復帰しました。
復帰後は13先発で3勝6敗、ERA3.57といい数字を残しました。ただ、SO%は18.8%に低下。
2024年は通年でローテーションを回し、31先発、170.1イニングで10勝10敗、ERA 3.75。SO%はやはり18.8%と落ちたままで、ERAは良かったものの、FIPは4.56。
ヘルシーならかなりのイニング・イーターとしてローテーションに貢献できるものの、怪我の影響から2025年の活躍に疑問符がついていたので、ここまでFAとして残っていたというところでしょう。
ブルワーズの投手陣
レギュラーシーズンが3週間強先で、2025年3月27日にヤンキー・スタジアムで開幕を迎えるブルワーズはいもじくも2024年までクローザーを務めていたデビン・ウィリアムスの移籍先でもあります。
オフの補強
今オフ、補強にはかなり消極的であったブルワーズはホセ・キンタナとのディール前のFAの最大の補強は元レイズの左腕、タイラー・アレクサンダーとサインした1年/$1M (2025)という嘘のようなしょっぱさ。
デビン・ウィリアムスを差し出してネスター・コルテスを獲得したものの、コルテスは2024年のPSでは肘を傷めていましたので、それが治っていればいいのですが、失ったものはかなり大きいです。
ローテーション
ローテーションは今のところ、フレディ・ペラルタ、ネスター・コルテス(LHP)、アーロン・シベーリ、トビアス・マイヤーズ。ここにホセ・キンタナが入ることに。
ロバート・ガッサーは2024年6月にトミー・ジョンの手術をし、復帰は2025年後半に間に合うか?というところ。なんとかなりそうなのが、ブランドン・ウッドラフで、2023年10月に肩の手術を行い、2024年は全休しましたが、現時点ではブルペン・セッションを開始。ただ、復帰時期は確定しておりません。左腕のDL・ホールは2月半ばに広背筋を傷め、まだ投球禁止期間中。開幕ILは決定的です。左腕のアーロン・アシュビーは3月3日に腹斜筋を傷めて、離脱中。
CL:トレバー・メギル
かつてはジョシュ・ヘイダーがクローザーを務め、デビン・ウィリアムスがセットアップを務めていたという強烈はブルペンを持っていたブルワーズですが、今は二人ともおらず。
2025年のクローザーはトレバー・メギル。すでに2024年に21セーブを上げていますので、彼以外おりません。FAで獲得したタイラー・アレキサンダーはレイズでも9先発をこなしておりましたが、彼はやはり経験値もあり、セットアップに使うことになりそうです。
2024年も戦力ダウンで下馬評がよくなかったブルワーズでしたが、ジャクソン・チューリオが出てきたことで打線がつながり、結果的に93勝69敗をマークし、2023年に続いてNLセントラルを制覇。試合巧者ぶりが目立ちました。2025年も前評判はよくないので、またそれをひっくり返す戦いぶりを見せるでしょうか?
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