3Bスポットで注目
現地2025年1月5日、ホワイトソックスからFAとなっている3Bでスイッチ・ヒッターのヨアン・モンカダ(Yoán Moncada)に複数のクラブが関心を寄せているようです。1つは12月時点で獲得候補と報じられたブルージェイズ。さらにカブスとマリナーズも関心を寄せているという情報も。
状況を探ってみると、マリナーズは候補ではあるものの、アンマッチのポイントがあります。それは後述。
信憑性があるのが、カブス、ブルージェイズの順かと思います。順を追って見てみますが、ただ、カブス、ブルージェイズともにレギュラー3Bとしてよりも、限りなくレギュラーに近いバックアップ的な存在として・・・というポジションニングになりそうです。
カブスが信憑性高し!
まず、信憑性の高いカブスについて見て行きます。
ヨアン・モンカダはご承知の通り、シカゴの南側にあるホワイトソックスで8シーズンを過ごしてきました。もしもカブスに決まるとなると今度は北側への移籍ということに。
カブスはパレデスをトレード
キャリアを通じて主に3Bとしてプレーしてきたヨアン・モンカダ。元々はキューバでもっとも人気の高いと言われているSSを守っていたくらいの野球センスを持ち合わせていますから、3Bの他に2Bももちろん可能。
この3Bと2Bというのがカブスの現時点の泣き所でもあるわけです。 カブスは12月にアストロズからカイル・タッカーを獲得。その際にトレードに出したのが、2024年のトレード・デッドラインでレイズから獲得した3Bのアイザック・パレデス。、彼の加入後、カブスは息を吹き返し、プレーオフ寸前までで粘りを見せることができました。
カイル・タッカーの加入は大きなプラスではあったのですが、パレデスを手放すのは同時に痛みも伴うところ。
マット・ショーとの争い
カブスは現時点では3B候補としてトッププロスペクトのマット・ショーを有力な候補として考えています。マット・ショーは2023年のアマチュア・ドラフトのカブスの1巡目指名。Pre-2024のトップ・プロスペクト100では54位に入っていたほどの選手。
2024年の大半をダブルAで過ごし、.279/.373/.468、HR 14、RBI 50、SB 25をマーク。またトリプルにも昇格し、35試合に出場。.298/.395/.534、HR 7、 RBI 21、SB 6をマークしました。
マイナーで結果を出しているとは言え、カブスのフロントとして心もとないのはトリプルAレベルでの経験が少ない点にあります。たとえマット・ショーのようなプロスペクトであっても、レギュラーとして起用するなら、もうすこし実績が欲しいところ。
実際、POBO(President of Baseball Operations)のジェド・ホイヤーも「ショーはスプリング・トレーニングでポジションを獲得しなければならない」と発言しており、用意されているわけではなく、「掴み取れ」との司令が。
そのほかにもルール5ドラフトでタイガースから指名したゲイジ・ワークマン(Gage Workman)やユーティリティのマイルズ・マストロブオーニ(Miles Mastrobuoni )、マーリンズとのトレードで獲得したビダル・ブルーハンらもおります。
さらにヨアン・モンカダが加わりますと、層はグッと厚くなりますね。しかもモンカダはメジャーの実績もあります。
ニコ・ホーナーが肘を手術
またカブスは2Bのニコ・ホーナーが2024年10月に右前腕部の屈筋の手術も実施。一応、復帰のタイム・テーブルは2025シーズンとはなっているものの、開幕に間に合うかどうかは微妙。
ゆえにカブスはマット・ショーの3Bとニコ・ホーナーの2Bが不透明な状況なだけにここにヨアン・モンカダが加わることで、かなり心強くなります。
ただ、モンカダもポジショニングとしてはバックアップ・ロールの意味合いが濃くなってしまいます。
ブルージェイズはその次
次にブルージェイズの可能性を見て行くと、SSにはボー・ビシェットが2Bにはトレードで動いた元ガーディアンズのアンドレ・ヒメネスがおります。ゆえに二遊間にモンカダの入る隙間はないものの、ブルージェイズも3Bが不安定。現時点は2024年に打率.263を記録したアーニー・クレメント、左打席のアディソン・バーガー、同じく左打席でシュアーな打撃のウィル・ワグナーらがおりますが、ワグナーは2024年9月に左膝の炎症で60Days ILになった経緯があり、こちらも3Bは心もとない状況。
ゆえにブルージェイズも選択肢の1つとしてモンカダ獲得はありですが、若手達とシェアする意味合いが濃く、こちらでもやはりバックアップ・ロール的な立ち位置になりそうです。
マリナーズは三振を嫌う
あとマリナーズですが、ここも3Bは泣き所ではあります。今のところディラン・ムーアという感じです。もしも、モンカダが加入すれば、打線に厚みが出そうな面もあるのですが、いかんせんモンカダは三振が多いバッター。昔の話ですが、2018年には年間217三振を記録したことも。
2024シーズンはメジャー・トップクラスのローテーションを擁しながら、貧打過ぎて敗れたマリナーズは三振数はメジャーワーストの1625を記録。
この点からもマリナーズは確かに3Bは欲しいのですが、三振の多いモンカダはアンマッチかと思い割れます。
かつてのキューバの至宝
ヨアン・モンカダは2014年7月にキューバから亡命。当時はアメリカとキューバ間に国交がなかったため、様々な規制を克服して2015年2月にレッドソックスと契約を結びました。この頃はモンカダは「キューバの至宝」とも呼ばれていました。それくらいキューバにとっては残って欲しかった選手ということです。
下記はPre-2017のトップ・プロスペクトの面々。モンカダは2位にランクイン。そしてそのほかの選手は今のチームの柱になっているような面々です。
そのヨアン・モンカダはレッドソックス時代の2016年にメジャー・デビュー。2016年12月にレッドソックスがクリス・セールを獲得したトレードで現ドジャースのマイケル・コペックとともにホワイトソックスへ移籍。
レッドソックスとしてはクリス・セールで2018年にワールドシリーズ制覇を成し遂げたものの、コペックとモンカダを失ったのは大きかったですね。ファンとしては残念でした。
2019年がキャリアハイ
その後、2018年に上述のような217三振を喫しながらも、2019年にモンカダは飛躍。132試合に出場し、.315/.367/.548、OPS .915の好成績をマーク。HR 25、RBI 79です。ただ三振数は154。
それ以降、怪我に泣かされた面も大きかったモンカダは2019年がキャリア・ハイとなっております。
2024年は開幕早々に左内転筋を部分断裂。これにより、2024年は12試合しか出場出来ておりません。
2025年のオプションは行使されず
大ブレークした2019年終了後の2020年3月6日にホワイトソックスはヨアン・モンカダと以下の内容で延長契約を結びました。コロナ・パンデミックでスプリング・トレーニングが中止になる数日前のことでした。
- 5年/$70M (2020-24) + 2025 $25M クラブオプション
2024年はその延長契約のファイナルイヤーで2025年のオプションがついていたのですが、2024年のほとんどを欠場したこともあり、当然オプションは行使されず、FAとなっていました。
モンカダは2025年は30歳となるシーズンです。ヘルシーであることと、良い機会に恵まれれば良いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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