ジョナ・ハイムに強力なバックアップ
現地2024年12月2日のこととなりますが、テキサス・レンジャーズはサンディエゴ・パドレスからFAとなっていた捕手のカイル・ヒガシオカ(Kyle Higashioka )と2年契約でサインしました。
ご承知の通り、レンジャーズにはジョナ・ハイム(Jonah Heim)という正捕手がおり、彼はエンゼルス時代の大谷選手からもHRを放っている(1本)強烈な捕手ですが、レンジャーズはカイル・ヒガシオカを獲得したことでジョナ・ハイムのバックアップロールとして起用することになります。レンジャーズはジョナ・ハイムをDHで起用することも出来、起用の選択肢が拡がることになりましたね。
契約内容
レンジャーズとカイル・ヒガシオカの契約内容はご覧の通り。
- 2 年/$13.5M (2025-26) + 2027 ミューチュアル・オプション
- $5.75M(2025)、$6.75M(2026)
- $7M (2027) ミューチュアル・オプション ($1M バイアウト)
ヒガシオカはこれまで安かった!
カイル・ヒガシオカの2024年のサラリーは1年/$2.18M。これは調停を避けてサインした内容で、今回のディールで単価は倍以上になりました。
すでに有名なカイル・ヒガシオカですが、MLSは意外にも2024シーズンを終了してようやくFA資格の6.000を超えたところ。これも驚きです。よって今回が初FAということでした。
ちなみに、カイル・ヒガシオカの誕生日は1990年4月20日。2025シーズンが開幕してすぐに35歳になります。
ゲリット・コールの元相棒
カイル・ヒガシオカはカリフォルニアの出身で、ドラフトは2008年のヤンキースの7巡目指名。高校卒からのプロ入りでした。
デビューは2017年でこの時点で27歳でした。捕手の場合、なかなか出場機会がないので、こういうケースが多いです。デビューは2017年4月10日のレイズ戦。この日はヤンキースの本拠地開幕戦で、ヒガシオカは最終回のマスクを被り、これがメジャーデビューとなりました。出場のきっかけは前日に正捕手のゲイリー・サンチェスがIL入りとなったため。2017年は9試合の出場に終わり、18打数0安打でメジャー初ヒットを打つことは出来ませんでした。
メジャー初安打から3連続HR(2018)
初ヒットが生まれたのは2018年7月1日のレッドソックス戦で、デービッド・プライスから一発を放ちました。その後、別の2ゲームでもいずれもHRを放ち、メジャー初安打から3本がいずれも長打になったヤンキース史上、アルフォンゾ・ソリアーノに次ぐ2人目の選手に。また、3連続HRはメジャーの記録でも9人目で、2016年に4HRでキャリアをスタートさせたトレバー・ストーリー以来のこと。2018年は29試合に出場し、HR 3、RBI 6、BA.167。
その後、2019年は18試合のみの出場に留まり、なかなか出場機会に恵まれませんでした。
ゲリット・コールがNYYに入団
しかし、そんなカイル・ヒガシオカにも転機が巡ってきます。それは2019年オフにアストロズからFAとなったゲリット・コールの入団。
バックアップ捕手のオースティン・ロマインがいなくなった2020年、カイル・ヒガシオカはゲイリー・サンチェスに次ぐNO.2捕手となり、3人目のエリック・クラッツとその役割を分担しました。
2020年9月16日のブルージェイズ戦では3HRを放ち、ヤンキースの7連勝に貢献。シーズン終盤にはエース、ゲリット・コールの指名捕手となり、その後、2人の息はピッタリに。2020年(短縮シーズン)は16試合に出場し、BA.250、HR4、RBI 10、OPS+107を記録。
ポストシーズンでは、クリーブランド・インディアンスとのワイルドカード・シリーズGm1に先発出場し、5打数1安打。レイズとのNLDSでは13打数4安打、HR 1。
ゲリット・コールを活かすリードが冴え、カイル・ヒガシオカは2021年からは2023年まではシーズンの半分以上のゲームに出場することになりました。
なお、2023年6月28日にドミンゴ・ヘルマンが史上24人目のパーフェクト・ゲームを達成しましたが、その時の捕手はカイル・ヒガシオカです。
ゲイリー・サンチェス、たった12試合!
2023年までコンビが続いたゲリット・コールとのコンビは計44試合に及びました。正捕手だったゲイリー・サンチェスはたった12試合しか組んでいなかったのでいかに信頼を得ていたかということですね。ちなみに、ゲイリー・サンチェスがヤンキースにいたのは2021シーズンまでです。
パドレスで活躍
カイル・ヒガシオカは現地2023年12月6日に成立したヤンキースとパドレスのトレードでフアン・ソトとの交換要員でパドレスへ移籍。このトレードは結果的にパドレスにとっても大きなメリットを持たしました。
パドレス移籍後のカイル・ヒガシオカは84試合に出場。.220/.263/ .476、OPS .739、HR17、RBI 45をマーク。
ポストシーズンでもブレーブスとのNLWCシリーズでは2HR、死闘となったドジャースとのNLDSでも1HRを放ったのは記憶に新しいところです。
パドレスの捕手
なお、カイル・ヒガシオカが後にしたパドレスですが、現時点ではルイス・カンプサーノがメイン捕手で、ブレット・サリバンがNO.2です。
なお、パドレスにはイーサン・サラスというスーパーがつくようなトップ・プロスペクトがおり、まだ18歳。A.J.プレラーがヒガシオカを追いかけなかったのは、サラスの台頭も視野に入れてのことだと思います。まだ早いと言えば早いですが、すでに2人の捕手がいますから、3人は不要と考えたのかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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