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【MLB2025】テリー・フランコーナがレッズの監督に就任

レッズ、早くも監督が決定!しかもフランコーナ!

 現地2024年10月4日のこととなりますが、シンシナティ・レッズは次期監督にテリー・フランコーナ(Terry Francona)を起用することをオフィシャルに発表しました。両者はすでにサイン済みとのことです。 

デービッド・ベル監督は解雇

 今季のレッズはスターSSのエリー・デラクルーズがメジャー2年目を迎え、初めてフルシーズンで稼働。結果、67盗塁をマークし、タイトルを取得。さらに、剛腕のハンター・グリーンが9勝5敗、ERA 2.75とようやく安定した姿を見せ、10勝まであと1勝と迫る活躍を見せるも、2023年の82勝80敗から一歩後退して77勝85敗に終わり、NLセントラル4位。

 2023年の後半に力を発揮したマット・マクレーンやクリスチャン・エンカーナシオン=ストランドといった主力の怪我が影響したのは確かなものの、早々にコンテンダーから脱落。レッズはシーズン途中の9月22日に監督のデービッド・ベルを解雇。レギュラーシーズンの残りは1Bコーチ兼ベンチコーチのフレディ・ベナビデス(Freddie Benavides)が暫定監督として指揮を執りました。

 デービッド・ベルは2019年からレッズの監督に就任。2023年7月には2度目の契約延長にサイン。2024年から2026年まで延ばされていましたが、今回は途中解雇となりました。6シーズン中5シーズンでプレーオフ進出を逃した点もオーナー・グループは気に入らなかったようです。決して現場ばかりのせいではありませんが。

 監督候補には元カブス監督のデービッド・ロスや今季マーリンズで指揮を執ったスキップ・シューメイカーらの名前も上がっていましたが、レッズが選んだのはMLBの名監督の誉高いテリー・フランコーナでした。

3年契約

 レッズとテリー・フランコーナの契約は金額までは明らかになっていませんが、下記の内容であることは判明しています。

  • 3年(2025-2027) + 2028 クラブ・オプション

健康問題は?

 テリー・フランコーナは2023シーズンでガーディアンズの監督を勇退。テリー・フランコーナの監督としてのキャリアについてはレッドソックス時代からも含めて下記にまとめてありますので、ご参照ください。

 11年勤め上げたガーディアンズから去った理由は健康問題があったため。2020年には胃と血栓の問題で、ICUに収容されたこともありました。2021年には、股関節置換手術と足の指の縫合手術のため、63試合を欠場。監督勇退が決まった2023年秋には右肩に人工関節を入れる手術とヘルニアの手術も実施。まさに満身創痍の状態でした。

 そんなフランコーナが現場に戻れるのか?という点については、監督要請の打診があってからですが、まず本人の強い意思があった模様。フランコーナは「ビッグ・リーグのダグアウトで指揮を執りたい」という意思が蘇ってきたようです。1年間静養してみて、実際、健康状態もよくなり、気力が蘇ったのでしょう。この辺りはさすがに本人でないとわからないことです。

 レッズとしては健康面は十分に配慮するとは思いますが、まずは2025年に向けて大きな課題を即座に片付けたということかと思います。

NLはフィリーズ以来 

 テリー・フランコーナと言えば、レッドソックス、そしてガーディアンズの監督として知られています。

 レッドソックスでは2004年から2011年まで8シーズン勤め上げ、このうちポストシーズン進出は5度。2004年にワールドシリーズを制覇し、「バンビーノの呪い」を解いたとして有名。さらに2007年にもワールドシリーズを制覇。

 クリーブランドでは、2013年から2023年まで11シーズンに亘り指揮を執り、このうちポストシーズン進出は6度。2016年から2018年までは地区3連覇を達成。2016年にはALのペナントを制覇し、ワールドシリーズへ進出。カブスとの死闘で惜しくも敗退しましたが、素晴らしいチームを作りました。さらに、2022年はシーズン中に22連勝をマーク。これは1916年のニューヨーク・ジャイアンツの26連勝に次ぐMLB史上2番目の連勝記録。そして4度目の地区優勝を達成。

 2013年、2016年、2022年と3度もALMOY(最優秀監督賞)も受賞しています。これらの栄冠は全てALでの記録。

 実はテリー・フランコーナは1997年から2000年まで4シーズン、フィリーズで監督を務めていたことがあります。これが監督としての初采配だったわけです。NLはこの時以来となります。もうNLも当時と違い、DHの採用となりました。この頃はフィリーズが低迷していた時期で勝率も4割台。かなり厳しい戦いを強いられました。

CLEには投手育成システムがあり

 レッズがフランコーナを選んだのはクリーブランドという比較的スモールマーケットで資金も潤沢ではないところで、上述のような実績を積んでいるため。

 制約条件は両者は似ているかもしれませんが、一番の違いは投手育成システムが整っているかどうか。現ガーディアンズはシェーン・ビーバーが不在にも関わらず、地区優勝を達成。これはいかに投手育成がうまく行っているかの証拠。

 クリーブランドは2021年オフにピッチング・グルのルーベン・二エブラ(Ruben Niebla)をパドレスに引き抜かれました。かれこれ3年が経つのに現在もその力を失っていないのはやはりシステムとして稼働しているからと言わざるを得ないでしょう。

 投壊しているレッズにそれはなく、果たしてクリーブランドでの業績と同じものを期待していいか?と言えば、それはちょっと厳しいように思います。もう、似たようなものを作るしかないと思いますが、それはフランコーナの範疇ではないような気がするので、選手開発の部門も含めて組織にテコ入れする必要がありそうです。

 もともとはビッグ・レッドマシーンと言われたような打撃のチームですからね。球場もボールがよく飛びますし。戦い方はフランコーナの得意なところでしょう。

DSG問題(資金繰り)も

 レッズには資金面で解決しないといけない問題があります。それがDSGことダイヤモンド・スポーツ・グループの撤退。

 ダイヤモンド・スポーツ・グループは、Bally Sportsという地域スポーツネットワークの親会社。

 その親会社のDSGは2023年3月に破産を申請。現時点でも連邦破産裁判所で審問が行われている最中で、債権者への支払いなどを協議しているところ。そして残っている契約についても話し合われており、レッズと契約しているBally Sportsは2025年はアトランタ・ブレーブスのみの放送に絞るという方針を出したのです。

 この件はまた別記事にて詳細を書きます。要はレッズに放映権料の一部が入らなくなるという問題で、選手獲得や引き止めに使う資金に影響を及ぼす問題です。この制約がきつすぎるとさすがの名監督のフランコーナでも結果を出すのに苦戦します。

 まずはフランコーナが健康で、なおかつ現場がうまく回ってくれることを祈るばかりです。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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