レッドソックスが捕手を補強
現地2025年4月10日、ボストン・レッドソックスは正捕手のコナー・ウォンを骨折で欠いている影響で、捕手を補強。FA未契約で残っていたベテラン捕手のヤズマニ・グランダールとマイナー契約を結びました。
「オプトアウトありも」すぐにメジャーに上がる見込み
レッドソックスとヤズマニ・グランダールとの契約はマイナー契約ですが、メジャー・ロスターに登録された場合の金額は決まっていて、$1.35M。もうシーズンが始まっているのでその日割り分ということになります。
2022-26 CBAのXX条(b)のFA
ヤズマニ・グランダールは2024シーズンはパイレーツに在籍し、メジャー・ロスター。よって、2022-26 CBAのXX条(b)のフリーエージェントに該当し、「前シーズンをメジャーリーグ・ロースターまたはILで終えたFA選手がマイナー契約を結んだ場合には、一律にオプトアウトの日程が与えられる」ことになっています。
これはクラブ側に対して「使わないのなら、他のクラブとの可能性を」ということで契約解除を要請できる権利。その日付が下記の3段階であります。
- 開幕の5日前(今回は3月22日):経過済み
- 5月1日
- 6月1日
ヤズマニ・グランダールの場合、5月1日がその期限です。
なんらかの調整を行ってきたと思われるヤズマニ・グランダールですが、実戦でのチューンナップも必要で、マイナーでのゲームに出場した後、かなり早いタイミングでメジャー契約になると思われます。
ここでヤズマニ・グランダールが苦戦する可能性もあるので、その場合は6月1日に期限を延ばすと思われますが、その間にウォンが復帰した場合に、バックアップ捕手としてメジャーに残るかどうかはカルロス・ナルバエスらとの競争になります。
コナー・ウォンの怪我
コナー・ウォンは4月7日のブルージェイズとの1回表にジョージ・スプリンガーの打席で打撃妨害を行ってしまったのですが、ジョージ・スプリンガーのバットがウォンのミットをもろに叩きました。ウォンはこのイニングはゲームに残ったのですが、2回表の守備からカルロス・ナルバエスに交代しました。
診断の結果、ウォンは左手小指を骨折。まだ復帰時期は明らかになっていませんが、4週間程度は回復に要すると思われ、そこからリハビリ出場の期間もありますから、2ヶ月くらいは見た方がいいかもしれません。
カイル・ティールはトレード済み
本来なら、ここで2023年の1巡目のカイル・ティールを招集したかもしれませんが、レッドソックスはホワイトソックスからギャレット・クロシェを獲得した際にカイル・ティールをトレード済み。
10年捕手の候補でしたが、クロシェ獲得のためには致し方ありませんでした。
現在はナルバエスがマスク
ウォンの負傷以降、マスクをかぶっているのはカルロス・ナルバエス。26歳の右打席のナルバエスは2024年はヤンキースで6試合の出場経験しかありませんでした。
そのナルバエスは現地2025年4月11日まで8試合に出場。最初の4試合はマルチヒットを記録するなど好調でしたが、5試合目以降はヒットレスが続き、ウォンの欠場以降のレッドソックスのオフェンス面に影響が出ていました。
ただ、コナー・ウォンも今季は23打数2安打とコールド・スタートでしたが、ウォンの場合は相手投手への圧力もありますし、そろそろという期待も持てるところがありました。これからという時だっただけに今回の怪我は痛かったです。
また、3rd捕手のポジションにいたブレイク・セイボル(Blake Sabol)がコールアップされ、今は2nd捕手としてナルバエスのバックアップを務めています。セイボルは元ジャイアンツの捕手で、OFもこなしますが、捕手もできるユーティリティー的な立ち位置です。
さらにマイナーにはセビー・ザバラがおり、トリプルAウースターに在籍しますが、キャリア通算は.205/.271/.342で、現時点ではトリプルAで.136/.136/.182とこれまたコールド・スタートとなっています。
こういった状況ゆえに、ベテラン捕手を加える選択はかなり自然です。
ヤズマニ・グランダールとは
ヤズマニ・グランダールと言えば、イチロー選手を敬愛していて、その打席でのルーティンを取り入れてしまうほどイチロー選手への経緯に満ちあふれている選手として有名ですね。
1988年11月8日生まれで現時点で36歳。キューバ出身で打席はスイッチヒッティングです。もともとレッドソックスから2007年に27巡目で指名されましたが、サインせず。2010年にレッズの1巡目指名でプロ入りしました。
同年12月にレッズがマット・レイトスを獲得したトレードでエディソン・ボルケス、ブラッド・ボックスバーガーらとともにパドレスに移籍。
2012年にパドレスでデビューし、60試合に出場。.297/.394/.469、OPS .863の好成績をマークしました。2013年は28試合のみの出場。
10年前のメジャー最高捕手
頭角を現したのは2014年。128試合に出場し、HR 15をマーク。2014年オフにパドレスがマット・ケンプらを獲得したトレードでドジャースに移籍。
ドジャースには2015年から2018年まで在籍。この頃が最も輝いていた時期でリーグ最高の捕手の一人として数えられました。
2015年にはオールスターに出場。2016年にはMVP投票で22位。この4年間の成績は.297/.394/ .469/ OPS .863でHR 89、RBI 245。いかに打ったかがよくわかります。
しかし、2018年のポストシーズンが大ブレーキで、NLDS では 13-1で BA .077。NLCSでは 11-2 でBA .182。ワールドシリーズでは出場機会が減り、5-1 でBA . 200。これでドジャースを追われるような形で、FAとなり、2019年からブルワーズでプレー。
2020年からはホワイトソックスに在籍しました。
2024年はパイレーツで割と堅実なシーズンを送り、72試合で.228/.304/.400、HR 9。何より、ポール・スキーンズのデビューイヤーをマスク越しにサポートしたことは称賛されるところです。
さすがにキャリア終盤となっていますが、もう一花咲かせてもらいたいところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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