2024年オフは慌ただしかったグリフィン・カニング
Mets, RHP Griffin Canning reportedly agree to 1-year deal, per multiple reports including https://t.co/Z3s2EphcSH's @AnthonyDiComo. pic.twitter.com/3eVui3EmtK
— MLB (@MLB) December 19, 2024
現地2024年12月18日、メッツが先発ローテーション候補の投手を獲得しました。ブレーブスからノンテンダーFAとなったグリフィン・カニング(Griffin Canning)と1年契約で合意しました。グリフィン・カニングは元エンゼルスで大谷選手の元同僚でもあります。
このオフは結構、慌ただしい境遇となっておりました。
契約内容
両者の大筋の合意事項はご覧の通り。
- 1年/$4.25M (2025)
- パフォーマンス・ボーナス:$1M
グリフィン・カニングは2024年1月、エンゼルスと調停を避けて1年/$2.6M (2024)でサインしていましたから、今回はアップしましたね。
今オフはトレード→ノンテンダー
グリフィン・カニングは今オフ、まずは現地2024年10月31日にホルヘ・ソレアーとの1:1のトレードでエンゼルスからブレーブスに移籍。
マックス・フリード(すでにNYYとサイン)、チャーリー・モートンがFAとなり、ローテーション投手が目に見えて2枚を失ったことでローテーション補強に乗り出したのかと思われました。
ところが、ブレーブスは現地2024年11月22日東部時間8時PMのノンテンダー・デッドラインで、グリフィン・カニングにノンテンダーを出したという驚きの決断を下しました。
実は上記のトレードが決まった時、グリフィン・カニングは「2025年はブレーブスで!」ということが保証されていたわけではなかったのです。というのも、カニングは2025年が調停資格のラスト・イヤー。サラリーは$5.0Mを超えることが予想されていました。
2023年、2024年と2年連続で贅沢税の閾値超えを経験したブレーブスはカニングのその予想価格に難色を示したと言われています。大型契約の選手のサラリーは削れませんから、削減対象はどうしても調停資格の選手になってしまい、カニングが該当したのでした。
また、2024年のトレード・デッドラインでバッティング・ヘルプで獲得したホルヘ・ソレアーもそう。トレードでジャイアンツから彼の契約を引き継いだブレーブスは2025年と2026年にそれぞれ$13Mの支払いが残っていましたが、この多額のサラリーをエンゼルスに引き継いでもらい、コストを削減。
今オフ、派手な動きを見せていないブレーブスは現地2024年12月18日時点で贅沢税上の予想サラリーは$216Mほど。まだ$20M以上のスペースが残っています。
ローテーションに関して言えば、サイ・ヤング賞のクリス・セール、ベテラン右腕のレイナルド・ロペス、若手のスペンサー・シュウェレンバックが堅いところ。やはり足らないのは事実ですが、AJ・スミス=ショーバー、イアン・アンダーソン、ブライス・エルダー、ハーストン・ウォルドレップらの底上げを期待しつつ、FAあるいはトレードでローテーションの補強を行うと思われます。
2024年4月にトミー・ジョン手術(インターナル・ブレースか?)をしたスペンサー・ストライダーは2025年に復帰予定ではあるものの、開幕アウトは確実で、余裕を持って復帰すれば秋、早ければ夏というところかと予想されますので、現時点ではシーズン終盤の復帰で彼の力でエンジン再点火を狙うというところになるでしょう。
これまでのグリフィン・カニング
グリフィン・カニングはUCLA出身で2017年のエンゼルスの2巡目指名。
2019年4月30日のブルージェイズ戦に先発してメジャーデビューを果たしました。この時は4.1イニングで失点3、奪三振 6。 デビューイヤーは18試合(17先発)で5勝6敗、ERA4.58。
2020年、グリフィン・カニングはスプリングトレーニングで肘痛を発症。3月半ばにコロナ・パンデミックでスプリング・トレーニングが取りやめとなり、結果的に7月後半に開幕となりましたが、その間、グリフィン・カニングはPRP療法で肘の治療を行いました。手術に至るほど損傷していなかったのでPRPを選択した模様です。
2020年は遅い開幕に間に合い、11試合に先発して2勝3敗、ERA 3.99。この年、ゴールドグラブ賞も受賞しています。
2021年は7月にシーズンを離脱。それまでは14試合に先発して、5勝4敗、ERA 5.60。 腰を痛め、ストレス骨折で、結果的に2022シーズンも全休してしまうことに。マイナーでも投げることができませんでした。
2023年に復帰し、24試合(22先発)で127.0イニングを投げて7勝8敗でERA 4.32をマーク。SO%は25.9、BB%は6.7でした。
2024年は32試合(31先発)で171.2イニングとフル稼働。6勝13敗でERA 5.19をマーク。SO%は17.6、BB%は8.9でした。
良い投手には違いないのですが、今ひとつ締まった数字を残せなかったのが、これまでのカニングで、直近ではSO%、BB%ともに2年連続でリーグ平均よりいい数字は出しているのですが、2024年は双方ともにダウンしました。その要因の一つはベロシティーの低下。2023年は94.7mphでしたが、2024年93.4mphに。これにより、コマンドも粗くなってしまったのでは?とも言えます。
シンカー、スライダー、カーブ、チェンジアップとオーソドックスな変化球を操るのですが、やはりスライダー投手という印象。これといったウィニングショットがないのも痛いところです。ヤンキースで大きな信頼を得たルーク・ウィーバーがチェンジアップに磨きをかけたように、何か際立った変化球をつくってもらいたいところです。
きれいな投げ方の右腕なので、ぜひとも一皮むけて欲しいところです。
メッツのローテーション
フアン・ソト獲得で大いに湧いたメッツは、現地2024年12月6日にクレイ・ホームズを獲得。彼はSPとして起用されることが明らかになっております。
千賀滉大投手、フランキー・モンタス、ポール・ブラックバーン、デービッド・ピーターソン、タイラー・メギル、クレイ・ホームズといる中、グリフィン・カニングはNO.5もしくはNO.6のスターターとして食い込めるか、見ものですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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