2019年に13勝、ROY 2位、CY 6位
ワシントン・ナショナルズは現地2024年12月19日にホワイトソックスからFAとなっていたマイケル・ソロカ(Michael Soroka)と1年契約でサインしました。
ある程度は注目されていた
マイケル・ソロカは2024年はホワイトソックスで0勝10敗と勝ち星なしで、悪い意味で注目を集めました。しかし、ほとんどの良心的なMLBファンはこれは明らかに悪いチーム状態が反映した気の毒な結果であることは理解していました。
2024年のERAは4.74。ERAもやはり高めではありますが、それでもマイケル・ソロカのボールの質を見れば、こんな訳はないと思えるのです。
ゆえにこのオフの市場ではマルチイヤーの$100Mディールのローテーションとまでは行かずとも、その動向が注目されていたのでした。
契約内容
実際、ソロカのサラリーは上がっています。2024年はホワイトソックスと1年/$3Mでしたが、2025年は以下の内容。
- 1 年/$9M (2025)
マイケル・ソロカとは
マイケル・ソロカは1997年8月4日生まれの27歳の右腕。
2015年のアマチュアドラフトでアトランタ・ブレーブスから1巡目指名(全体28位)でプロ入り。カナダ出身で高校卒での1巡目指名でした。
17歳のドラフト・イヤーからルーキー・リーグで登板したソロカは10試合(9先発)で0勝2敗、ERA 3.18をマーク。34.0イニングで奪三振 37、BB 5。
初めてのプロでのフルシーズンとなった2016年はBaseball America誌のブレーブスのトップ・プロスペクト13位に入り、クラスAのローマ・ブレーブスで25試合(24先発)、143.0イニングを投げて9勝9敗、ERA 3.02をマーク。このイニング数でBBはたったの32で、BB9換算だと2.0。期待が膨らみました。
2017年にはフューチャーズ・ゲームに出場。カナダ出身ゆえにワールドチームの一員として選出。同年はダブルAのミシシッピ・ブレーブスで11勝8敗、ERA 2.75をマーク。またもや素晴らしい成績を残したのでした。
2018年のスプリングトレーニングでインプレッシブな投球を見せたマイケル・ソロカは、トリプルAのグウィネット・ストライパーズで開幕を迎え、4月には22.2イニングを投げて2勝0敗、ERA 1.99、SO 24をマーク。同年5月1日、ブレーブスは彼のMLBへの昇格を発表し、1997年生まれの同い年のオジー・アルビーズとロナルド・アクーニャ・Jr.と合流しました。
2018: メジャー初登板初勝利
その5月1日のメッツ戦で先発して6.0イニングを投げたソロカは被安打6、失点1をマーク。チームも3-2のスコアで勝利し、見事にメジャー初登板且つ初勝利をマークしました。この時はまだ満19歳。
20歳以下の先発投手がデビュー戦を勝利で飾ったのは、2004年のスコット・カズミア以来のこと。このシーズンは3試合に登板した後、5月16日に肩の裏の張りでDL(当時はILではなくDL)入り。プロ入り後初のDL入りでしたが、ブレーブスは「念のための措置」とケガの深刻さを軽視していました。しかし、このDL入りは長期化し、8月下旬、ブレーブスはソロカがシーズン終了まで復帰しないと発表したのでした。
輝いた2019年
2019年、前年の肩痛が癒えたマイケル・ソロカはトリプルAでリハビリ登板をし、2019年4月18日のDバックス戦でメジャー復帰を果たします。5.0イニングで被安打4、失点1,BB 2、 SO 6、HBP 2というまずまずの投球内容を見せましたが、復帰1戦目は残念ながら負け投手に。
しかし、2戦目以降のソロカは強烈でした。前半戦は15試合に登板して9勝1敗、ERA 2.42をマーク。1敗は上記の復帰第1戦目の黒星のみ。2019年はオールスターにも出場し、7月9日のプログレッシブ・フィールドで行われた祭典では、6回裏に登板し、スコアレス投球を見せました。
後半戦最初の先発は、同じカナダ人投手とのマッチアップとなり、パドレスのカル・クァントリルと対戦。MLBにおけるカナダ人同士の先発は、ライアン・デンプスターとスコット・ダイアモンドが対戦した2013年以来のことでした。
このゲームで双方ともに好投し、マイケル・ソロカは7回をスコアレス、クアントリルも6回をスコアレス投球で対抗。8回表にブレーブス1Bのフレディー・フリーマンがトレイ・ウィンゲンターから3ランHRを放ち、これが決勝点となり、ブレーブスが勝利。ソロカはカナダ人投手のマッチアップ戦を制しました。この時、ソロカは10勝目をマーク。
ちなみにフレディー・フリーマンはカリフォルニア出身ですが、両親がカナダ人でカナダ国籍も取得しており、2017年のWBCではカナダ代表としてプレーしました。
この年のソロカの成績は29先発で174.2イニングを投げ、13勝4敗、ERA 2.68、SO 142でSO9は5.3、BB9は4.6で、被本塁打が0!サイ・ヤング賞の投票では6位に入り、ROY投票では記録を塗り替えたピート・アロンゾに次ぐ2位に。さらに、ポストシーズンでは10月6日のカージナルスとのNLDSのGm3に先発し、7.0イニングを被安打2、失点1に抑える活躍を見せました。
シーズン終了後の12月4日、最優秀カナダ人野球選手としてティップ・オニール賞を受賞しています。
2020: アキレス腱の断裂→2021:再断裂
短縮シーズンだった2020年シーズンは、7月24日の開幕戦に先発し、メッツのジェイコブ・デグロムとのマッチアップで6回をスコアレスに抑える好投を見せましたが、勝ち負けはつかず。7月29日のレイズ戦でも好投した後、8月3日に再びデグロムのメッツと対戦した際、3回にアキレス腱を断裂するという大事故に遭遇。
その後、ソロカはリハビリに失敗。2021年4月に予定されていた復帰戦は延期され、さらに6月24日にはチームのクラブハウスを歩いている時に再びアキレス腱を断裂。これにより、2021年の復帰の望みは絶たれ、再手術に。
マイケル・ソロカは2022年も全休。
2023年に復帰
2023年5月29日、ソロカは先発としてアスレチックス戦に登板し、ようやくメジャーのマウンドに復帰。しかし、2023年は戦力ダウンで大苦戦だったアスレチックスを相手に、6イニングを投げて被安打5、失点4の投球で1-4のスコアで敗戦投手に。
登録名変更
負傷前は「マイク」でしたが、復帰後は「マイケル」とフルネームでの登録に。
2023年6月4日の復帰2戦目のDバックス戦でも、ソロカは3.2イニングで被安打7、失点5と結果が出ず、ブレーブスは試合後にソロカをトリプルAに送る決断を下しました。
ソロカは2023年6月30日に復帰し、負傷後初のホーム先発でマーリンズを16-4のスコアで破り、初勝利を挙げました。このシーズン、ソロカは大半をトリプルAグウィネットで過ごし、9月上旬のカージナルス戦に先発した後、指のしびれを訴えて9月6日にIL入り。これも大きな怪我となり、シーズンエンディングとなりました。トリプルAでは4勝4敗、ERA 3.41、メジャーでは2勝2敗、ERA 6.40。
2023年オフにCWSへ
2023年11月16日、ソロカはニッキー・ロペスらとともにホワイトソックスにトレードされ、ブレーブスはリリーバーのアーロン・バマーを獲得。
2024年シーズンはホワイトソックスの先発ローテーションに入ったものの、5月12日に9試合目に登板した時点で、0勝5敗、ERA 6.39。そのため、短期的にブルペンに入ることに。
結局、ソロカはホワイトソックスで25試合(9先発)を投げ、0勝10敗に。チームも121敗を喫し、アメリカン・リーグの敗戦数の新記録を樹立することに。さらにソロカは1982年にツインズで0勝13敗を喫したテリー・フェルトン以来40年ぶりの最多敗戦投手となりましたが、シーズン全体としては79.2イニングを投げてERA 4.74、SO 84。
しかし、リリーフとして登板した16試合のERAは2.75でSO%は39%!この数字は傑出していると言っていいでしょう。
シーズン終了後の2024年12月19日にナショナルズと1年契約でサインという流れです。
ナッツではローテーションに
マイケル・ソロカはナッツではローテーションに復帰する見込み。2025年のナッツのローテーションですが、2024年に10勝をマークしたマッケンジー・ゴア(LHP)とジェイク・アービン(RHP)が中心で左腕はマイケル・パーカー、DJ.ハーツもおります。
マイケル・ソロカとトレバー・ウィリアムスの加入がローテーションに厚みをもたらせます。
2019年の時のソロカのフォームは大きくて非常に好きだったのですが、直近のソロカは割とコンパクトになっています。2019年の時のボールの勢いは戻ってきており、2025年のマイケル・ソロカに期待していいと思います。
ちなみにソロカのグラブはミズノですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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