タイガースが内野を補強
現地2024年12月27日、デトロイト・タイガースがヤンキースからFAとなっていたグレイバー・トーレス(Gleyber Torres)とサインしました。こちらはすでにオフィシャルです。
2024シーズン、後半戦に非常に面白いゲームを見せてくれたタイガース。その原動力となったのはサイ・ヤング賞を受賞したタリク・スクーバルであることは間違いないのですが、オープナーの多用や捕手のジェイク・ロジャースの勝負強さに加え、若く未熟な戦力を中心に成熟したクラブに挑む姿にワクワクさせてもらった感があります。
そんなタイガースがオフェンス面でいい補強をしました。ただし、たとえグレイバー・トーレスと雖も、レギュラーが保証された訳ではないのが今回のディールの魅力ですね。
契約内容
両者の契約は現時点では以下の内容となっています。
- 1年/$15M (2025)
- トレード・アサインメント・ボーナス:$0.5M
$15Mキッカリという内容でオプションなどはありません。おそらくこの内容のままだと思うのですが、何かあれば更新したいと思います。
グレイバー・トーレスとは?
グレイバー・トーレスは元はカブスのトップ・プロスペクトだった選手。2014年シーズン前にアマチュアFAとしてカブスとサイン。同年にルーキー・リーグで打率.297を記録したトーレスはシーズン終盤にクラスA- に昇格。ここでも7試合ながら.393/.469/.786をマークするなどプロとしてのスタートは順調そのもも。この時、まだ17歳です!
2015年はほとんどをクラスAで過ごし、終盤にクラスA+に昇格。両レベルを併せて.288/.346/.376とまたしても良い成績をマーク。
運命の2016年ですが、開幕はクラスA+でスタート。やはり.275/.359/.433と素晴らしい成績をマーク。そして2016年のトレード・デッドラインでカブスがブルペン・ヘルプでヤンキースからアロルディス・チャップマンを獲得したトレードでアダム・ウォーレンらとともにヤンキースに移籍。移籍後もヤンキースのクラスA+で結果を残しました。
2016 AFL MVP
2016年オフ、AFL(アリゾナ・フォール・リーグ)に参加したトーレスは.403/.513/.645、OPS 1.158と驚愕の成績を叩き出し、同年のMVPを獲得。ここでMVPを獲得した選手はスターになる確率はかなり高く、この時点でトーレスは注目のプロスペクトとして一気に名前が拡がりました。
2017年にトミー・ジョン手術(左肘)
2017年シーズン、ダブルAのトレントン・サンダーで開幕を迎えたトーレスは32試合で打率.273を記録した後、トリプルAのスクラントン/ウィルクス・バレ・レイルライダーズに昇格。最初の23試合で打率.309を残しました。メジャーでは3Bのチェイス・ヘッドリーが苦戦していることもあり、ここで一気にデビューか?というところまで来ましたが、同年6月17日にホームにヘッドスライディングした際に肘を傷め、結果的にトミー・ジョン手術を受けることに。ただし、傷めたのはグラブ側の左肘です。2017年は両レベルを併せて287/.383/.480とまたしても結果を残していただけに残念でした。
2018年にデビュー
2018年のシーズン前、ヤンキースは3Bに穴があり、ブランドン・ドゥルーリーやニール・ウォーカーを補強しましたが、結果的にミゲル・アンドゥハーが守りました。
前年夏に左肘のトミー・ジョン手術を行ったグレイバー・トーレスはトリプルAのスクラントン/ウィルクス・バレで開幕を迎え、14試合で.347/.393/.510、OPS .903をマーク。そして同年4月22日にはメジャーへの招集がかかり、デビューを果たします。この時、21歳。SSにはディディ・グレゴリアスがいた頃で、3Bは上記のようにアンドゥハー、トーレスは2Bで出場しました。
将来のMVP候補のような活躍
注目を集めたトーレスは期待通りの活躍を見せ、123試合で.271/.340/.480、OPS .820をマーク。しかもHR 24、RBI 77です。この活躍でROYレースにも顔を出しましたが、2018年のALはご承知に通り、大谷選手が受賞しました。同年はオールスターにも出場しております。
そして翌2019年はさらに進化。144試合で、.278/.337/.535、OPS .871をマーク。HRはなんと38本で、RBI は90。この時点でブロンクスの次なるスターの座を約束されたような状態で、近い将来、MVPを獲ると目されていたほどの活躍でした。
伸び悩み
しかし、短縮シーズンとなった2020年から2022年までのトーレスは、パッとしませんでした。この3シーズンの合算成績は.256/.324/.406、OPS .730、HR 36、RBI 143。2020年は60試合のシーズンでしたが、年当たりのHR数も12本。また守備では2020年はディディ・グレゴリアスがチームを離れ、本職のSSに就いたシーズンでしたが、守備でも苦戦が続き、2021年には2Bに戻されました。
2023年には158試合に出場し、.273/.347/.453、OPS .800、HR 25、RBI 68とやや巻き返したのですが、2024年は.273/.347/.453、OPS .800。HR数は減り、15本に。RBIは63。
このようなキャリアの流れとなっています。
タイガースではライバルとの競争
ハビアー・バイエスはSTから復帰
タイガースは2024年7月にSSのハビアー・バイエスが腰椎と臀部の炎症でIL入し、8月後半には右股関節の手術を行うことが判明し、そこでバイエスはシーズン・エンディングとなりました。後半にむけて追い込みをかける時期に中心選手がいなくなったタイガースですが、それでも、ポストシーズン進出しを果たしたたタイガースはこの点でも評価できるチームでもあります。
そのハビアー・バイエスもスプリング・トレーニングには間に合う見込みです。
そうなると、SSはハビアー・バイエスで、2Bはタイガースが大事に育てているコルト・キースが濃厚。3Bにはジェイス・ヤングがおり、1Bにはスペンサー・トーケルソン。現時点で若い内野手が揃っている状況で、ここに2Bから3Bまでをザック・マッキンストリー(LHB)、アンディー・イバニエス(RHB)、トレイ・スウィーニー(LHB)、マット・ベアリング(RHB)らがカバーします。
グレイバー・トーレスは2B候補でコルト・キースとの争いになります。
すごいC&DH
タイガースは2024年は捕手はジェイク・ロジャースが要所で活躍。シーズンの打率は.197、HRは10本程度でしたがポストシーズンでは彼の活躍無しではALDSまで残れなかったと思います。ジェイク・ロジャースはALWCでは打率.375をマーク。
そんなタイガースはホスエ・ブリセーニョという捕手兼DHのスーパー・プロスペクトがおり、2024年のAFLでMVPに輝きました。彼は2024年はクラスAで終了しましたが、ひょっとしたら2025シーズン途中でメジャーに上がってくるかもしれません。おそらくダブルAスタートでしょう。
捕手として育てたいのなら、2025年はまだないかもしれませんが、打撃を優先させるなら、コールアップもありかと思います。
そのようにDHスポットもかなり先約のいるタイガース。グレイバー・トーレスがどこまで頑張れるのか見ものですね。 もう生き生きして大活躍する可能性も十分にあります。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント