ガーディアンズがTJリハビリ中のJ・ミーンズを獲得へ
現地2025年2月19日、クリーブランド・ガーディアンズがローテーションを補強。ただし、現在トミー・ジョン手術のリハビリ中のジョン・ミーンズとの契約です。
ジョン・ミーンズは2014年にドラフト指名されて以来、ずっとオリオールズに在籍。2024年オフにFAなっていました。初めての他クラブでのマウンドはトミー・ジョン手術のリハビリ中ということに。
契約内容
ガーディアンズとジョン・ミーンズとの合意内容は以下の通り。
- 1年/ $1M (2025) + クラブオプション
- 2026: $6M クラブオプション
- パフォーマンス・ボーナス:MAX$1.5M
- 20-50IPまで:10イニングごとに$0.075M($0.3M)
- 90IPまで:10イニングごとに$0.1M ($0.4M)
- 130IPまで:10イニングごとに$0.125M($0.5M)
- 140IP or 150IPで:それぞれ$0.15M($0.3M)
オプションにはバイアウトはなく、よって保証額は2025年分の$1Mのみです。やはりトミー・ジョン手術のリハビリ中ということで厳しい内容ですね。
キャリア2度のトミー・ジョン手術
ジョン・ミーンズは現在、キャリア2度目のトミー・ジョン手術のリハビリ中。しかも彼は、ほぼ2連続で手術という非常に痛ましい状況です。
1度目は2022年
2022年4月、オープニング投手を務めたジョン・ミーンズでしたが、開幕から2試合目の4月13日のブルワーズ戦で左肘を傷めて降板。後日の診断でUCLを傷めたことが判明し、同月に1度目のトミー・ジョン手術を実施しました。2022シーズンは2試合のみの登板に。
オフシーズンを挟み、復帰したのは2023年9月12日のカージナルス戦。この1度目のTJ手術で復帰に要した期間は約1年5か月。通常のトミー・ジョン手術の復帰スケジュールは手術から1年6ヶ月ですが、1度目はほぼその期間を使い、慎重に復帰しました。
2023年はシーズン終了まで計4試合に登板。23.2イニングでERA 2.66をマークしました。
2度目は2024年6月
オフシーズンをまたいで2024年となり、ジョン・ミーンズは開幕からやや出遅れて、2024年5月4日のレッズ戦でシーズン・デビュー。その後、同月に4試合に登板しましたが、4戦目の2024年5月22日のカージナルス戦で3.0イニングを投げたところで左ひじに違和感を覚えて緊急降板。検査の結果、またしてもUCLにダメージを負ったことがわかり、2024年6月に2度目のトミー・ジョン手術を実施。前回の手術からわずか2年あまりで2度の手術です。これは本人も堪えたでしょう。
1度目の手術の後は一冬を挟んでわずか8試合に投げたのみです。これは痛ましい出来事でした。
この2度目の手術は再建型なのか、修復型なのか不明なのですが、ジョン・ミーンズは2025年中の復帰を目指しているということで、もし2025年8月に復帰したなら、わずか1年2ヶ月しか経過していないことになり、もしそうならインターナル・ブレイス手術かもしれません。
上述の2026年のオプションは2025年に復帰しないことには行使されないと思われ、その意味でも治療に集中しづらい状況ですが、ここは焦らずやってもらいたいです。
CLEは野手のデービッド・フライも!
なお、ガーディアンズは野手のデービッド・フライも2024年11月にUCLの手術を受けており、野手の復帰は投手と比べて早いとは言え、2025年はオールスター前後が復帰の目安です。復帰したとしてもポジションに就けず、出場するならDHオンリーということになります。
デービッド・フライは2024年のポストシーズンで大活躍。ALDS、ALCSでそれぞれHRを1本ずつ放ち、2024年のポスト・シーズン全般で.286/.333/.536、OPS.869をマークしました。
今回、ガーディアンズはジョン・ミーンズを獲得したことで、デービッド・フライを60Days ILに移管させ、ロスターを空けることに。
成功例:マシュー・ボイド
ガーディアンズは2024年6月終盤にトミー・ジョン手術からの復帰を狙うマシュー・ボイドとメジャー契約でサイン。
今回のジョン・ミーンズはそのマシュー・ボイドと状況がよく似ており、マシュー・ボイドは2021年、8月に屈筋腱断裂の手術を実施。2023年はトミー・ジョン手術を行い、左肘に2度メスを入れています。
ガーディアンズと6月末に契約したマシュー・ボイドは2024年8月中旬にシーズンデビュー。
これが非常にヘルプフルな活躍をし、シーズン終盤で投手陣がへばっているときにマシュー・ボイドが登場。レギュラーシーズン残りで8試合に先発し、39.2イニングを投げてERAはわずかに 2.72、FIP 3.29を記録。SO%27.7、BB% 7.3の高品質なスターターとしてガーディアンズの終盤を支えました。
さらにマシュー・ボイドの投球はガーディアンズのALCS進出に大きく貢献。4登板(3先発)で12.0イニングを投げ、ERA 0.75という驚異的な数字を数字を残したのでした。
ジョン・ミーンズも彼同様の活躍を見せるか、非常に興味深いです。まずは治すことが先決ではありますが。
ガーディアンズのローテーション
今オフ、ガーディアンズはFA資格を得ていったんは市場に出たシェーン・ビーバーと2年/$26M保証(2025-2026)でサイン。
しかし、シェーン・ビーバーが手術を行ったのは2024年4月。もしも1年2ヶ月くらいの早い時期での復帰が実現したとしても6月。
ゆえにガーディアンズはタナー・バイビーをローテーションに柱に据えて回すことになります。
そのほかのローテーションですが、あまりよい状況ではありません。ギャビン・ウィリアムスとローガン・アレンは、2023年に将来を期待させる投球を見せましたが、2024年には大幅に後退。
スリムすぎる体型でおなじみのトリストン・マッケンジーは2023年にUCL損傷と診断されたものの、手術を見送り、2024年シーズンは16試合でERA 5.11と荒れました。
ガーディアンズは今オフ、パイレーツからハードスロー・ライティーのルイス・オルティスを獲得。ただ、彼はまだMLBのローテーションでフルシーズンを投げたことがなく、リスキーなのは確か。
バイビー以外の良い要素は右腕のベン・ライブリー。彼は海外のKBOで3シーズンを過ごした後、2023年にレッズでMLBに復帰して4勝7敗をマーク。2024年はガーディアンズに移籍し、13勝10敗、ERA 3.81をマーク。ベロシティーがMAXで89.9mphですが、良い投球を見せました。
ガーディアンズ、補強はもうないでしょうからローテーションをどう組み上げるか、楽しみです。ブルペンは非常に良いだけに余計にローテーションの強化が求められます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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