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【MLB2025FA】フアン・ソトはメッツに決定!15年/765Mドルのウルトラ契約!さらに最大で総額805Mドルまで

スーパー・エリートOFが大谷を超えるディールへ

 現地2024年12月8日、今オフのFAで最大の注目選手であるフアン・ソト(Juan Soto)のディールがついに決定!ニューヨーク・メッツに決まりました!現時点ではまだオフィシャルではありませんが、まもなく大きな記者発表が行われるはずです。

 それにしても金額がすごい!

 今オフはボラス・コーポレーションがかなり積極的にディールをまとめております。いずれもオプアウトが入っていて将来に柔軟性をもたせたディールが多いですが、ヘビー級のフアン・ソトのディールが決まったことで、これからFA市場はさらに活性化することになりそうです。

ディール詳細

 現時点でわかっているフアン・ソトのディールはご覧の通り。とんでもない金額です。詳細が判明したら、更新しておきます。

  • 15年/$765M (2025-39)
    • サイニング・ボーナス:$75M
    • ソトは 2029 シーズン終了後にオプアウトが可能
    • ソトがオプトアウトの権利を行使した場合、メッツは2030-39年の年俸をサラリーを$4Mずつ増やし、ソトのオプアウトを無効にすることが可能。
      • その場合の契約総額は$805MでAAVは $53.666667M ($805M/15years)

繰り延べなし!オプトアウトあり

 この契約には贅沢税上のサラリーを薄める効果のある繰り延べ払いは入っておりません。これが驚きですね。大谷選手の場合は10年契約で、繰り延べ払いの効果を活用して贅沢税上のAAVは$70Mから$46Mまで薄まりました。

 ソトの契約は15年。大谷選手よりも高額ですが、5年長いためAAVは繰り延べ払い無しでも$765M/15年=$51Mに。やや薄まった感はありますが、それでもこれを1人で計上するという凄さ。

 実際にソトが受取る年俸は$765Mからサイニング・ボーナス分の$75Mを引きますから、$690M/15年で$46M/年です。そのサイニング・ボーナスをソトが受け取るタイミングはまだ不明です。いずれにせよ概算で$51M/年ということですね。

 また、契約から5年終了の2029年オフにオプトアウトが入っています。これだけ高額だとやはり入れてきましたね。

 仮に5年後にソトがオプアウトした場合、メッツは残り10年のサラリーに$4M/年を加えることで、ソトが下したオプアウトの決断を無効にすることが出来るという力技が入っています。

 1998年10月25日生まれのフアン・ソトは現地2024年12月8日時点で26歳。オプアウトが入っている2029シーズンは30歳のシーズンで、オフに31歳になるというタイミング。その時点で再度FAを視野に入れているのですが、メッツは$4M/年を上積みすることでそれに待ったをかけることが出来るという条項です。 これは割とクラブ・オプションに近い設定です。ただし、通常のクラブオプションは翌年のみを視野に入れているのですが、ソトの場合は残り10年もあります。もし、メッツが5年でそのまま流すとしたら、$75M + $46M x 5年で$305Mのディールということに。

 また、仮にメッツがソトのオプトアウトに待ったをかけ、上積み金を加算した額が$805Mになります。

 なお、大谷選手の場合のオプトアウトは人事に関するもので、マーク・ウォルター、アンドリュー・フリードマンの退任で発動です。これは2人とっては嬉しい条項ですね。義理堅い!

MLB史上最大の契約

 大谷選手を超えたということでこのディールは史上最大のディールとなりました。

  1. フアン・ソト(NYM): 15年/$765M (FA契約)
  2. 大谷翔平(LAD): 10年/$700M (FA契約)
  3. マイク・トラウト(LAA): 12年/$426.5 M (延長契約)
  4. ムーキー・ベッツ(LAD): 12年/$365M (延長契約) 
  5. アーロン・ジャッジ(NYY):9年/$360M (FA契約)
  6. マニー・マチャード(SDP):11年/$350M (延長契約)
  7. フランシスコ・リンドーア(NYM):10年/$341M (延長契約)
  8. フェルナンド・タティス・Jr.(SDP): 14年/$340M (延長契約)
  9. ブライス・ハーパー(PHI): 13年/$330M (延長契約)
  10. ジャンカルロ・スタントン(MIA/NYY): 13年/$325M (延長契約)
    コーリー・シーガー(TEX): 10年/$325M (延長契約)
    山本由伸(LAD): 12年/$325M (延長契約)

競り上がったプライス 

 とにかく競り上がりましたね。

 ソトがウルトラ契約になることはその逸材ぶりで明らかではありました(後述)。2024年のサラリーがすでに1 年/$31M。当然のことながらQOを蹴り、FA市場へ参戦。

 さらにエージェントはボラス・コーポレーションゆえ、価格は高騰の道をたどるしかない要素が揃っていました。

 ゆえに端からわかっていたのは、受け入れ先がほぼ決まっていたこと。あとはその中でどこが最終的にソトの条件に合うか?ということに。11月最終週の初めの時点の候補はヤンキース、メッツ、ブルージェイズ、メッツ、レッドソックスそしてドジャース。

 この中で11月最終日にレッドソックスが大幅にディールの価格を上げたことが話題に。Xなどではこれでほぼ決まったという流れになりつつあり、下手をすると11月中に発表か?という雰囲気にまでなりました。

 しかし、残念ながらレッドソックスがジャンプ台を用意したような形に。これで火が点いたのがヤンキースとメッツ彼らもディール・プライスを増額。後は、まるでスコット・ボラスの手のひらで泳がされるような様相を見せ、最終的にはとんでもない価格になりました。

 レッドソックスは$600Mにプラスしたところで離脱と言われています。最後まで残ったのはヤンキースとメッツで、ヤンキースは16年/$760Mをオファーしたと言われており、金額差は$5Mですが、年数が1年多いです。AAVだと$47.5Mです。

 レッドソックスは良いところで折れたと思います。個人の感想としてはソトはBBも取るし、年齢を重ねてもチャンスで良い仕事をしてくれそうで、彼がいるとチームに相乗効果さえ生み出してくれそうで、良い面は多数ありそうです。ただ、だからと言ってさすがにハーパーの倍以上や大谷選手超えは高すぎるというのが率直なところです。ソトならそんな考えもふっとばしてくれるほど活躍するかもしれませんが。

本人は大谷とやりたかった?

 FA前から噂されていたのはフアン・ソトは大谷選手とのプレーを望んでいるという噂。オールスターのHR競争でも非常に仲の良いシーンが見られました。

 しかし、2024年のドジャースのCB TAX上のサラリーは、閾値$237Mに対して大幅超えの$352.8M。さすがにソトと超高額契約を結ぶには条件が悪すぎたと思いました。

ハーパー以上の逸材は当分出ない→すぐにソトが登場

 フアン・ソトがFAとなった時はとんでもないことになることはナショナルズ時代から予想されておりました。

 2016年シーズン前に17歳でワシントン・ナショナルズと契約したフアン・ソトは1年目からGCLナショナルズで45試合に出場し打率.361と好スタートのプロデビュー。その後、クラスA-のオーバーンに昇格し、6試合で打率.429をマークして1年目を終えました。

 2017年はケガのため32試合の出場にとどまったが、ルーキー・リーグとAクラスで.351/.415/.505をマーク。まだ18歳です。 

 2018年はクラスAからスタートし16試合で打率.373をマーク。同年4月24日にはクラス+に昇格し、15試合で打率.371。すぐにダブルAのセネターズに昇格し、8試合で打率.323、二塁打 2本、HR 2本を放ち、同年5月19日にハウイー・ケンドリックがシーズン終盤のアキレス腱の怪我で倒れたタイミングでメジャーに昇格。他にもアダム・イートン、ブライアン・グッドウィン、ビクター・ロブレスらOF陣の多くが怪我をしていたのです。

 2018年5月20日、フアン・ソトは19歳207日でメジャー・デビューを果たしました。

ナショナルズはブライス・ハーパーが2012年4月28日にメジャー・デビュー。19歳195日でのデビューでした。ハーパーのデビューは衝撃的でこれ以上の選手は当分出ないだろうと思われたのですが、6年後に同じクラブから19歳でフアン・ソトが出てきた訳です。ゆえにソトのデビューもかなり衝撃的でした。

 デビュー・イヤーの115試合に出場したフアン・ソトは121安打を放ち、.292/ .406/ .517、OPS .923をマーク。HR22、RBI 70。このオフのROY投票では2位に。ちなみに1位はロナルド・アクーニャ・Jr.(ATL)でした。

 ナショナルズがワールドシリーズを獲った2019年には150試合に出場。153安打を放ち、.282、 .401、 .548、OPS .949をマーク。HR 34、RBI 110。この年、ソト・シャッフルが話題となりました。

 それからのソトはご覧のような輝かしいマイルストーンを樹立。

  • オールスター出場:4度 (2021-2024)
  • シルバー・スラッガー賞受賞:5度 (2020-2023/NL & 2024/AL)
  • NL 打率1位:1度 (2020: .351)
  • NL OBP1位:2度(2020 & 2021)
  • NL SLG 1位:1度 (2020)
  • NL OPS 1位:1度 (2020)
  • AL Runs Scored 1位:1度 (2024: 128)
  • NL BB(四球)1位 :3度 (2021-2023)
  • 20HR以上のシーズン: 6度 (2018, 2019 & 2021-2024)
  • 30HR以上のシーズン: 3度 (2019, 2023 & 2024)
  • 40HR以上のシーズン: 1度 (2024)
  • 100 RBI 以上のシーズン: 3度 (2019, 2023 & 2024)
  • 100 Runs Scored 以上のシーズン: 3度 (2019, 2021 & 2024)
  • 2019年ワールドシリーズ制覇

 まさに天才ですね。

メッツ、アロンゾは? 

 気になるのはメッツのこの後の編成。もっともデービッド・スターンズがいますからなんの心配もないのでしょうが、果たしてピート・アロンゾと再契約するのか?気になりますね。

QO:補償と罰則

 ソトはQOを拒否して他クラブとサインしましたから、出ていかれた側には補償、受け入れた方にはペナルティーが発生します。

 まず出ていかれた方のヤンキースですが、ヤンキースは贅沢税の閾値を超えているので、補償ピックは4巡目が完了した後に与えられます

 そして受け入れたメッツですが、2024年に贅沢税の閾値を超ているので、2025年のドラフトで 2 番目と 5 番目に高いピック権を失うだけでなく、次のインターナショナル・ボーナス・プールの$1M分の枠を失います

 また、メッツがソト以外のQO辞退FA選手と契約した場合、さらに残りの3番目と6番目に高いピック権も失います。この場合、ピート・アロンゾはその対象ではないです。あくまで2024年に他クラブだった選手の獲得です。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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