フラハーティー、2024年と同じタイガースへ
現地2025年2月2日、注目FA右腕の去就が決まりました。ドジャースからFAとなっていた右腕のジャック・フラハーティー(Jack Flaherty)が2024年と同じく、タイガースとサインすることになりました。
2024年はトレード・デッドラインでドジャースに移籍し、けが人多数のドジャース・ローテーションにおいてその中核を担う活躍したジャック・フラハーティー。FA解禁当初はドジャースとの再契約と見る声が多数でしたが、再びデトロイトに戻ることに。
タイガース、2025年も面白いことになりそうです!
契約内容
タイガースとジャック・フラハーティーの契約内容は大筋では以下の通り。
- 2 年/$35M 保証(2025-26)
- 2025: $25M| 2026: $10M
- インセンティブ:2025年に15試合に先発すれば、2026年のサラリーは+$10Mで$20Mに
- 2025年のワールドシリーズ終了後にオプトアウト可能
オプトアウトあり
注目すべきは1年目終了後にオプトアウト可となっていること。ジャック・フラハーティーは再びFA市場に参戦することが出来ます。カリフォルニア州出身の彼はやはりドジャースで投げたいのでしょうか!?そんな憶測を呼びたくなる1年終了後のオプトアウトです。
もしもタイガースに残る場合は、2025年に15試合に先発すれば2026年のベース・サラリーは+$10Mで$20Mになります。
2026年にも最低でも$10Mを確保していることから、2年/$35M保証に。なお、オプトアウトすれば1年/$25Mです。現時点ではバイアウトはついていないと見て良さそうです。その代わりの15先発で+$10Mという好条件なのでしょう。
2024年のジャック・フラハーティー
非常に素晴らしい活躍をした2024年のジャック・フラハーティーですが、苦しい時期を経ての大活躍であったことを記しておきたいと思います。
その流れを簡単に説明しますと、その苦戦の始まりは2021年の6月から。まず左腹斜筋を傷めて約2ヶ月離脱。その後、右肩を傷めてしまい、これが尾を引いて翌2022シーズンも登板はわずか9試合、36.0 イニングに終わり、2勝1敗、ERA 4.25。
1年半の不調を経た2023年シーズンはやや復調の兆しを見せるも、この年はカージナルスが開幕から苦戦。上り調子になるかというときに厳しい環境となり、前半戦を終えて7勝6敗でERAは4.43。早々に優勝争いから脱落したカージナルスはトレードデッドラインで売り手に回り、ジャック・フラハーティーをオリオールズにトレード。2023年はトータルで29試合に登板し、27先発で144.1 IPを投げ、8勝9敗、ERA 4.99。
タイガースのPS進出の礎をつくる!
2023年は粗い数字にはなったものの、復調には違いなかったジャック・フラハーティーはシーズン終了後にFA資格を取得。しかし、オリオールズからはQOはなく、そのまま市場に出て、タイガースと1年/$14M(2024年)の高単価契約でサイン。
2014年を最後にポストシーズンに出場していなかったタイガースは2023年にはALセントラル2位に入ったとは言え、勝率は.481。ゆえに2024年もシーズン開幕後は苦戦しました。それに呼応するかのようにジャック・フラハーティーも4月は6試合に登板するも勝ち星なしのERA 4.00。
しかし、5月に入り、フラハーティーはその力を見せつけ始めました。5試合に先発し、2勝3敗ながらもERAは2.84をマーク。6月には4試合の先発で3勝1敗でERA 2.53。そして7月に至っては3試合で2勝0敗、ERA 1.53をマーク。尻上がりに調子を上げて行ったフラハーティーは一躍トレード・デッドラインの注目投手に浮上。タイガースでの前半戦は18試合に登板し、7勝5敗、防御率2.95をマーク。
ヤンキースとのディールが決まりかけたジャック・フラハーティーでしたが、ヤンキースはフラハーティーの右肩を懸念。これでディールが不成立となり、そこに手を差し伸べたのがドジャースで。結果的にこれが大成功。ヤンキースの懸念は杞憂に終わりました。
7月末時点で52勝57敗だったタイガースはトレード・デッドラインでジャック・フラハーティーを出し、売りに回るのか?と思われましたが、タリク・スクーバルはキープ。フラハーティーの好投もあり、なんとか勝率5割が見えていた状況であったことと、夏以降にロイヤルズの勢いが衰えたこともあり、しかも若手が生き生きと活躍したタイガースは最終的にはシーズン2位をキープし、ポストシーズンに進出。ALWCでアストロズを見事に撃破。ALDSでガーディアンズと面白いゲームを展開したのでした。
ドジャースでの活躍
ドジャース移籍後のジャック・フラハーティーは10試合に先発し、6勝2敗でERA 3.58をマーク。怪我人多数のドジャースは彼をローテーションの柱に据え、これがポストシーズンまで続きました。
ポストシーズンではパドレスとのNLDSで1試合、メッツとのNLCSで2試合、ヤンキースとのワールドシリーズで2試合と計5試合に先発。ただ、いずれも失点が重なり、決して楽な試合運びを実現した訳ではなかったですが、それでもブルペンに依存する状態であったドジャースの先発ローテーションの中で一人イニングを積み重ねていった働きは大きかったです。
ジャック・フラハーティーのこれまでのキャリア・ハイライトは、WHIP 0.968でNLトップになった2019年と怪我をする前に8先発で8連勝、ERA 1.65をマークした2021年の最初の2ヶ月。
2024年の活躍はそのハイライトにもう1ページを加えたような活躍でした。
2025年のタイガースのローテーション
ジャック・フラハーティーが戻ったタイガースはローテーションが一気に安定化した様相を見せています。
まず、2024年のALサイ・ヤング賞のタリク・スクーバルがおり、そこにジャック・フラハーティーが入り、この2トップはもはやリーグトップ・クラス。
ここに2024年に22先発して経験を積んだリース・オルソンや同じく2024年にデビューしたケイダー・モンテロ(Keider Montero)が入り、ベテランのアレックス・コブも参入。さらに、元トップ・プロスペクトのケイシー・マイズ、そして現状のトップ・プロスペクトであるジャクソン・ジョーブ、そしてマット・マニングも。
ちょっと他が羨むくらいの布陣となっております。
タイガース、楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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