ティム・アンダーソンの穴に1つの選択肢
現地2023年11月21日、ホワイソックスがSSの補強に動きました。ジャイアンツからFAとなっていたポール・デヨング(Paul DeJong )とメジャー契約で合意しました。
契約内容
現地2023年11月21日時点ではホワイソックスとポール・デヨングの契約は1年のメジャー契約ということしかわかっていません。
- 1年(2024)
こちらは詳細が判明すれば更新いたします。
2023年のポール・デヨング
さて、ポール・デヨングですが、2023年はちょっと波乱に満ちたシーズンとなりましたね。
カージナルスで開幕を迎えたポール・デヨングは81試合に出場し、.233/.297/.412(OPS+93)、13 HRをマーク。過去3シーズンは腰を傷めるなどしていずれも不本意な成績に終わったポール・デヨングは復活の手応を感じていたところでした。
ブルージェイズへ
前半を終えたカージナルスはポストシーズンへの道も途絶えたことから、トレードデッドラインでは売りモードを選択。カージナルスは大胆に主力選手を放出して行きました。ジャック・フラハーティーはオリオールズに、セットアップ・ロールの重要な役割を担ってきた剛腕のジョーダン・ヒックスはブルージェイズに、さらにローテーションの左腕のジョーダン・モンゴメリーとリリーバーのクリス・ストラットンをレンジャーズにトレード。ジョーダン・モンゴメリーのポストシーズンでの活躍は記憶に新しいところです。
そのTDLの終了間際にブルージェイズにトラブルが発生。現地2023年7月31日のオリオールズ戦で、シングルを放ったSSのボー・ビシェットが1塁をオーバーランする際に急遽ストップをかけ、その際に膝を傷めてしまいました。これは長引きそうだと判断したブルージェイズは急遽、補強を実施。そこで白羽の矢が立ったのがカージナルスで復活の兆しを見せたポール・デヨングでした。
ブルージェイズは24才右腕のマット・スヴァンソンをカージナルスに送り、ポール・デヨングをゲット。
デヨングはボー・ビシェットの抜けた穴を塞ぐべく、8月2日には早速ブルージェイズでのデビュー戦を飾り、SSとしてゲームに出始めました。ところが、この出場機会もわずかな期間で終わりを告げることに。
ブルージェイズでのデヨングは、13試合の出場で、44打数3安打、.068/.068/.068、長打 0、BB 0、SO 18、1 RBIと全く精彩を欠き、さらにボー・ビシェットの復帰も遠からずということが判明したこともあり、移籍後わずか17日でDFAに。そして8月21日にはリリースされてしまいます。
ジャイアンツへ
そんな中、8月はまだポストシーズンに望みのあったジャイアンツがSSのブランドン・クロフォードがIL入り、さらに、タイロ・エストラーダの死球もあり、急遽補強に迫られる状況に。ここで再びポール・デヨングにチャンスがめぐり、ジャイアンツとメジャー・ディールでサインすることに。
ジャイアンツに移籍したポール・デヨングはシナリオ的にはここで大爆発・・・という流れになるのかと思いきや、やはり打撃は不振のままでした。18試合に出場したデヨングは、49打数9安打とブルージェイズ在籍時のようなひどさにはならなかったものの、.184/.180/.286、HR 1、RBI 5とほぼ変わらない成績に。
【YOUTUBE】Paul DeJong Homers in First Giants Game
2023シーズンはカージナルスでの成績がある程度牽引した形にはなり、最終的には、.233/.297/.412、HR 14、RBI 37、BB 21、SO 13という成績に。
CWSはティム・アンダーソンが抜ける
ホワイソックスですが、今オフ、SSのティム・アンダーソンの$14Mのクラブ・オプションを拒否。ティム・アンダーソンはFAとなりました。
ティム・アンダーソンはクラブハウスでの評判もあまりよくないという噂がありましたが、それが顕現したのが、現地2023年8月5日のガーディアンズ戦。二塁打を放ち、頭からスライディングしたホセ・ラミレスが、ティム・アンダーソンの股間をくぐる形で2塁に到達。その際に言い合いとなり、ハードパンチの応酬へ発展。先に仕掛けたのはティム・アンダーソンでしたが、ホセ・ラミレスにノックアウトされるという顛末に。「彼はゲームをディスリスペクトしている」とホセ・ラミレスがしきりに言っていたように気遣いの欠けた態度が問題でもありました。
その後もティム・アンダーソンは精彩を欠き、オプションも拒否され、FAに。ホワイソックスはSSを探す必要がありました。
守備の良いデヨング
ホワイソックスGMのクリス・ゲッツ(Chris Getz)はまずは守備力の高いベテランSSをという希望を持っていたと言います。確かにポール・デヨングの守備力は非常に素晴らしく、キャリア通算のDRS(Difensive Runs Saved)は41。2023年のOAA(Outs Above Average )は9でこれはMLB24位タイ。OAAとはプレーの数とその難易度を考慮したフィールディングスキルの指標。トップはダンスビー・スワンソンの20。投手陣に不安がある中、デヨングが後ろに守っていれば投手は安心感を得ることは出来ます。ただ、先述のように打撃が問題ではあります。
コルソン・モンゴメリーのデビュー待ち!?
では内部はどうか?というと、非常に良いプロスペクトがおります。コルソン・モンゴメリー(Colson Montgomery)です。
彼は現在、トップ・プロスペクトとしてベースボール・アメリカで14位、ファングラフでは12位、MLBパイプラインでは17位にランクされており、2023年のマイナーで.287/.455/.484をマーク。ただ、まだダブルAでの1年の実績です。AFLにも出場し、経験は積んではいますが、開幕時にMLB相当の力になるか?と言えばちょっと時期尚早かもしれません。ホワイソックスはやがて彼をSSに起用することになりますが、それが今季になるのか、来季になるのか。いずれにせよ、目の前のゲームを勝つ上でやはりベテランSSが必要だったということになり、ポール・デヨングはなんとか打撃の調子を取り戻すしかありません。
かつてポール・デヨングは2017年のルーキー・イヤーに25HRを放ち、2019年には159試合に出場し、30 HR/78 RBIをマーク。彼がこれに匹敵する数字を残すかどうか、注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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