2023年はPSでも活躍
現地2024年1月22日、ピッツバーグ・パイレーツがFA選手獲得に動きました。2023年にレンジャーズでかつての輝きをやや取り戻し、ポストシーズンでも活躍したアロルディス・チャップマン(Aroldis Chapman)と1年契約で合意しました。
両者の契約は現時点では合意で、フィジカルチェックの結果を経てオフィシャルになる見込みです。
契約内容
大筋ではご覧の内容で合意となっております。
- 1年/$10.5M保証(2024)
過去の契約
チャップマンがもらっていた単価を知るには少し遡る必要があります。2016年12月、アロルディス・チャップマンはヤンキースと5 年/$86M (2017-21)でサイン。これでAAVはざっと$17.2M。この契約には2019年終了後にオプトアウト可という条項が入っており、そのデッドラインの直前の2019年11月にヤンキースと3 年/$48M (2020-22)で契約延長。上記の契約を1年延ばした形となりました。この内容でのAAVは$16M。
ワークアウト欠席→制裁
アロルディス・チャップマンは2022年10月にチームのワークアウトを欠席。これにより、プレーオフのロースターから外され、最悪な形でFAとなりました。FA市場に出てからも評価は低く、結果的にロイヤルズに拾われる形に。
ロイヤルズとは2023年1月にサイン。契約内容は1年/$3.75M (2023)とかなり低いもので、本人も落ち込んでいました。身から出たサビとも言える顛末でもありました。
その他にも2022シーズンは色々と不本意な出来事がありました。詳細は下記の記事に。
いずれにせよ、今回のパイレーツとのディールは少し持ち直したサラリーとなっています。
2023年のチャップマン
ロイヤルズで2023年の開幕を迎えたアロルディス・チャップマンは、ロイヤルズでは31試合、29.1 IPを投じて4勝2敗、2セーブ、ERA 2.45と好成績をマーク。ここ数年でもっとも強いボールを投げていたのは確かです。
この実績もあり、トレード・デッドラインでリリーフを補強したかったレンジャーズが獲得。
レンジャーズ移籍後は、30試合、29.0 IPで2勝3敗、4セーブ、ERA 3.72をマーク。
ポストシーズンではワイルドカード・シリーズ、ALDS、ALCS、WSといずれも登板。ALWC、ALDSではERAが0.00。ALCSではERA 2.45、WSではERA 5.40。
チャップマン劇場
ポストシーズンの成績を見ても非常に良い数字が並びますが、実際はヒヤヒヤものの投球が続いたのも事実。その要因は四球の多さにまります。
強いボールが戻ってきたものの、レギュラーシーズンでのBB9は5.6で、ロイヤルズでは6.1、レンジャーズでは5.0。リリーバーのBB9としては多いですね。
ポストシーズンでもその傾向は続き、ALDSでは計2試合、1.2 IPでBBが4。ALCS、WSではそれぞれBB 1 だったものの、その裏返しとしての被安打が増え、ALCSのH9は9.8で、WSでのそれは10.8。毎度ピンチを背負う投球が続き、点差がついたリードでも全く安心できない投球が続きました。
四球で自らピンチを作ってしまうものの、それでも最後はなんとか抑える様子を評して「チャップマン劇場」と筆者は呼んでいますが、ブルース・ボーチー監督もヒヤヒヤするマウンでもありました。
PITではまたセットアップ
2月28日が誕生日のアロルディス・チャップマンは2024年は36才で開幕を迎えることになります。
パイレーツにはデービッド・ベドナーというオールスタークローザーがいるためおそらくセットアップ・ロールということになりそうです。
アロルディス・チャップマンはオールスター出場が7度、キャリア通算321セーブ(歴代21位)をマーク中。このセーブ数は2024年もあまり増えないと思われます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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