来季もウィーラーとの2トップが牽引
現地2023年11月19日、フィリーズはFAとなっていたアーロン・ノラ(Aaron Nola)との再契約が決まったと発表しました。詳細は出ていませんがこれはもうオフィシャルです。
契約内容
契約内容はなかなかのビッグ・ディールです。
- 7 年/$172M (2024-30)
- サラリー $24.571429M/年 x 7
- トレード・ボーナス: $1M (2024-25)
- アウォード・ボーナス
- サイ・ヤング賞で$0.1M (2位で$0.05M/ 3位で$0.025M)
- WS MVPで$0.1M
- ASG/GG/LCS MVPでそれぞれ $0.05M
- ロードはホテル・スウィート!
なお、オプション、オプトアウトなどはないようです。
前契約
2023年1月時点ですでにMLS 7.076のアーロン・ノラはまだ調停資格時代の2019年2月に4 年/$45M (2019-22) + 2023 $16Mクラブオプションの契約にサインしていました。バイアウトは$4.25M。フィリーズは2023年のクラブオプションを行使。今オフはMLS6.000超えとなってから初のFAということになっていました。
QOを拒否
FAとなったノラに対してフィリーズは現地2023年11月6日にQO(クオリファイング・オファー)を提示。今季は$20.325Mという高額な設定となっておりました。
そのノラはこのQOの受け入れを拒否。11月14日にFAとなっていました。
フィリーズ、ノラの流出を食い止める!
2023-24のQOが$20.325Mということで、有資格のある選手であってもかなり見送られ(たとえばフィリーズのリース・ホスキンスなどはそうです)、QOの提示を受けたのはノラや大谷翔平選手を含めてたったの7名。そして7名全てが拒否していました。
カージナルス、ブレーブスも
噂ではカージナルスが非常に熱心で、筆者もカージナルス行きが濃厚ではないかと思っていました。
しかし、ソースを色々調べてみますと、実はフィリーズにとっての1番の脅威は同地区ライバルのアトランタ・ブレーブスであったとのこと。ESPNのジェフ・パッサンはそのように伝えていますね。
かなりの確率で流出已む無しという状況かと思いましたが、フィリーズがかなり頑張りました。なんと言ってもDDことデーブ・ドンブロイヤルズウスキーがPOBO(President of Baseball Operation)を務めるフィリーズですから、使う時は大きく使いますからね。
当の本人はどうだったかというと、やはりフィリーズとの再契約を強く望んでいたとのこと。これは熱心に交渉に当たったカージナルスのジョン・モゼリアクが記者に対してノラはフィリーズへの復帰を”本当に強く望んでいた “と語ったことからそれが伺えます。
輝いた2018年
アーロン・ノラは1993年6月4日生まれの30才。2024シーズン途中で31才になります。今回の契約は、37才までとなります。
そのノラは、2014年のフィリーズの1巡目指名でプロ入り。全体順位は7位。出身はルイジアナ州です。南部テキサス州の東にあるのがルイジアナ州。
デビューはその翌年の2015年7月21日。シーズン半ばを過ぎてからのデビューでノラは、13先発で6勝2敗、ERA 3.59をマーク。翌年も6勝をマーク。飛躍したのは2017年で27試合に先発し、二桁勝利の12勝をマーク(11敗)。ERAは3.54。
そして大きく羽ばたいたのが2018年。この年、ノラは先発投手の皆勤賞とも言うべく33試合に先発し、イニング数は212.1を数えました。17勝6敗、ERA 2.37、SO224をマーク。オールスター出場、サイ・ヤング賞投票3位、MVP投票でも13位に入りました。勝利数、品質ともにこの年のアーロン・ノラは本当に輝いていました。実はこの年の勝利数、ERAがキャリア・ハイでもあります。
この投球があったので、上述の早いうちからの囲い込みのマルチイヤー・ディールが実現したのでした。
翌2019年は34試合に先発し、202.1イニングを投げ12勝7敗でERAは3.87。
2023年に再び品質が上がる!
2018年と2019年の200イニング超えの影響からか、2020年以降のノラはピリッとしないシーズンが続きました。2020シーズン(60試合)は5勝5敗、2021年は9勝9敗(32先発)。
2022年は11勝13敗ながら、SOは234をマーク。これはキャリア・ハイの数字です。ポストシーズンでも抜群の投球を見せたものの、最後はやや疲れが出た感は否めませんでした。
そして2023年。4シームは93-95mphで特別速い数字を出していませんが、スライダー、カーブなど変化球の制度がグンとアップ。緩急をうまく使い投球に円熟味が出てきました。2023年は12勝9敗で ERAは4.46。
とにかくローテーションを守ってきたことはベンチやチームメイトからの信頼を集めています。さらに、過去6シーズンのFIP3.38は、その期間に700イニング以上を投げた投手の中ではトップ10に入る数字。当該6シーズンの累積fWARは25.5。これはゲリット・コール、ザック・ウィーラー、マックス・シャーザー、ジェイコブ・デグロムらに次ぐ素晴らしい数字です。今オフのFAの目玉右腕だったのが頷けますね。
CBT(贅沢税)
これでまたしても高額サラリーの選手が増えたフィリーズ。AAVにすれば多少のインパクトは薄まりますが、今のところの2024年の高額サラリー(AAV)はこのような感じです。
- ハーパー:$25.385M
- ターナー:$27.3M
- ノラ:$24.57M
- リアルミュート: $23.1M
- ウィーラー: $23.6M
- カステヤーノス: $20M
- シュワーバー:$19.75M
- タイワン・ウォーカー: $18M
2023シーズンは基準値が$233Mだったのに対して$263Mとなったフィリーズ。フィリーズは2022年も$230Mのところを$244.4Mと上回っていました。これで2年連続超過です。2年連続超過のペナルティーも含めた2023年の税額は$10M強になる見込みです。
2024年の基準値は$237Mで、現時点でフィリーズの40manの予想は$250Mを超えるだろうと言われております。3年連続超過は間違いなさそうですね。ただ、フィリーズは2年連続でLCS以上に進出。2024年もコンテンダーであり続けるでしょうから、きっちりと果実ももぎ取っているという状況です。
その意味でもアーロン・ノラがローテーションの柱として機能してくれれば堅い計算になりますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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