ナッツ、ベテラン有力OFを格安で獲得
現地2024年3月6日、ワシントン・ナショナルズはブレーブスからFAとなっていたOFのエディー・ロザリオ(Eddie Rosario)とマイナー契約でサインしました。このレベルの選手がFAとしてまだ残っていたというのも驚きですが、ナショナルズはかなり格安で獲得したことになります。
スプリット・コントラクトでMAX 4Mドル
両者はマイナー・契約でサインしています。しかし、そうであってもメジャーに上がった場合のサラリーが設定されているのがスプリット・コントラクトと言われる形態で、おそらくナッツはエディー・ロザリオを開幕ロスターに加えることになるでしょう。ゆえにメジャーに上がった場合の契約が重要になります。
【契約内容】
- マイナー・ディール(スプリット・コントラクト)
- メジャー・ロスターとなった場合
- ベース・サラリー:$2M(2024)
- インセンティブ:$2M
- メジャー・ロスターとなった場合
インセンティブの基準の設定は現時点は不明ですが、仮にこれをフルにクリアーしたことになると、最大で$4Mの契約ということになります。2023年のサラリーが$9Mだったロザリオをこの金額で獲得できたナッツは非常に良いディールを成立させたと言って良いと思います。
エディー・ロザリオとは
エディー・ロザリオは1991年9月28日生まれの32才。プエルトリコ出身で、WBCでもプエルトリコ代表として活躍しています。右投げ左打ちのOFです。
プエルトリコなので、USのアマチュア・ドラフトの対象地域となり、ドラフトは2010年のツインズの4巡目指名。デビューは5年後の2015年で23才のときです。ルーキー・イヤーでOFのポジションを奪ったロザリオは、122試合に出場し、.267/.289/.459、HR 13、二塁打 18、三塁打 15、RBI 50、SB 11をマークし、ROYで6位に入る活躍を見せました。
ツインズには2020シーズンまで在籍。この間、6シーズンで697試合二出場し、738安打を放ち、.277/.310/.478、HR 119、RBI 388をマーク。特に2019年はAVG .276、HR 32、RBI 109と際立った活躍を見せ、MVP投票にも名を連ねるほどの活躍(18位)。また2020年も新型コロナウイルスのパンデミックによりシーズンが60試合に短縮された中、57試合に出場してAVG.257、HR 13、RBI 42、OPS+117をマークするなど堅実な活躍を見せました。
ツインズからノンテンダーFA
しかし、ゲート収入が途絶えた多くのクラブはこのオフにリビルドを実施。ツインズも例外ではなく、サラリー高騰が予想されたロザリオは、ノンテンダーFAの対象となってしまいます。
ブレーブスで活躍
ノンテンダーFAとなったロザリオは2021年2月4日にクリーブランド・インディアンスと契約。オフェンス力を期待されたものの、前半を終えた時点で.254/.296/.289、HR 7とあまり芳しくない結果に。7月1日に腹部を傷めてIL入り。またインディアンス自体も地区優勝から遠ざかり、ホワイトソックスに置いて行かれる形となったため、トレード・デッドラインで「売り」を選択。エディー・ロザリオは、カンフー・パンダことパブロ・サンドバルとともにブレーブスに移籍することになったのでした。
ブレーブスはこの年、ロナルド・アクーニャ・Jr.を右膝ACL断裂で欠いてしまい、決め手のないままOFを回していたため、ロザリオの獲得はそこを埋めるのにマッチしていました。後はロザリオがどれだけ打てるかにかかっていましたが、これが見事にハマったのです。
ブレーブス移籍後のロザリオは、33試合に出場し、.271/.330/.573、HR 7、RBI 16をマーク。ジャイアンツ戦ではサイクル安打も達成。ちなみに、ロザリオはサイクル安打を達成した史上初のプエルトリコ人選手となりました。しかも合計5球で4安打をマーク。
さらに、ロザリオはポストシーズンでスターとなる活躍を見せ、NLDSではAVG .308、ドジャースとのNLCSではAVG .560、HR 3、RBI 9をマークし、NLCS MVPを受賞。アストロズとのWSでは22打数5安打(打率.227)と大きく貢献できませんでしたが、この補強は本当にハマりましたね。
2021年オフにブレーブスと2 年/$18M (2022-23)+オプションでサイン。
2022年には打撃不調になり、その原因が視力にあったことで手術を実施。出場試合も80試合にとどまり、AVG.212、OBP .259 と急落。
2023年は若干数字を戻し、142試合で、.255/.305/.450、、HR 21、RBI RBI 74。しかし、オフにクラブオプションを拒否され、FAとなっていました。
ナッツ、OFの層を厚くする
ナショナルズのOFは、CFにビクター・ロブレス、RFにレーン・トーマスが務め、LFあるいはDHでエディー・ ロサリオ、ジェシー・ウィンカー、ジョーイ・ギャロ、あるいはジョーイ・メネセスが入ると予想されており、かなり層が厚くなりました。
OBPが改善すれば
エディー・ロザリオはとにかく早打ち。そしてBBが少ない選手で、これだけの活躍をしながら、OBPが.300を切るシーズンがしばしば。この辺もFAとして残っていた理由かと思います。ここが改善すれば良いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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