2022年の好成績は異常値扱いになるか!?
現地2023年12月18日、ピッツバーグ・パイレーツがFA選手を獲得しました。レンジャーズからFAの左腕、マーティン・ペレスと1年契約で合意です。こちらはまもなくオフィシャルになる予定です。
The Pirates and Martín Pérez are in agreement on a contract, per multiple reports pic.twitter.com/oFKAno2Mpd
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) December 18, 2023
2022年だけ飛び抜けて素晴らしい成績を残したマーティン・ペレス。果たしてそれが異常値として扱われるのか、2024年の成績に注目が集まります。
契約内容
パイレーツとマーティン・ペレスの契約はご覧の内容です。
- 1年/$8M (2024)
おそらくオプションなどはつかず、かなりシンプルな内容のママかと思います。パフォーマンス・ボーナスはあるかもしれませんね。
前年はQOを受諾
$8Mというサラリーですが、これは前年の半分以下という単価です。マーティン・ペレスは2022年終了後にFA資格を満たし、所属していたレンジャーズからQO(クオリファイング・オファー)を提示され、受諾しました。
その時のQOの単価は1年/$19.65M (2023)。
2022年のサラリーは1年/$4M (2022)でしたから大幅なアップとなったのでした。
2022年はキャリアハイの投球
2022年オフにレンジャーズがQOを提示した大きな理由は、マーティン・ペレスのサラリーがFA市場でそれ以上となる可能性が見込まれたからです。複数年でそれ以上の出費となるなら、単価は高いけれども1年/$19.65Mで済ませてもらおうという判断です。もちろん、他にもドラフト保証狙いという目論見もあります。
マーティン・ペレスがレンジャーズにそこまで思わせたのは2022年の輝かしい実績があったからでした。
2022年のマーティン・ペレスは32試合に先発。これは先発としてはほぼ皆勤状態です。さらに196.1イニングを投げ、12勝8敗でERAは2.89。
奪三振は169で、SO%は20.6%。これはリーグ平均をやや下回る数字ですが、もともとグランド・ボール(ゴロ)率が高い投手なので、これでも十二分に三振を奪っていたと言っていいでしょう。GB%の高さはHR%にも出ていて、1.3%。リーグ平均が2.6%ですから、いかにボールを上げさせなかったかがよくわかります。BB%はリーグ平均の21.6%に対して20.6%。
開幕して2試合はそれぞれERが3で負けがついてしまいましたが、3戦目以降は6回2ヒッター&スコアレス、7回1失点、7回被安打4、スコアレスと高品質の投球が続き、5月と6月は負けなしで6勝をマーク。そして198.1 IPが物語る通り、イニング・イーターとしてローテーションの役割をしっかり果たしました。ERA 2.89はALで8位。2022年はジャスティン・バーランダーが1.75という嘘のような高品質の投球を見せたシーズンでもありました。マーティン・ペレスはその活躍もあり、QOを提示されたのでした。
2023年は逆戻り
そんなマーティン・ペレスですが、2023年はもとに戻ったというシーズンでした。4月、5月は前年の好調ぶりをキープし、11試合に登板して6勝1敗をマーク。ただ、ERAは5月30日の登板を終えた時点ですでに4.43。6月は5試合に登板して1勝2敗、7月も登板ごとに3失点以上が続き、ローテーションから外れることに。
特にトレード・デッドラインでレンジャーズがマックス・シャーザーとジョーダン・モンゴメリーを獲得したのが決定的で8月以降の登板はすべてリリーフということになりました。
ポストシーズンでもリリーフでの登板となり、ALCSで2試合、3.1 IP、ワールドシリーズで1試合1.1 IPでトータルのERAは9.64でした。
今回のパイレーツとのディールで$8Mは、前年の$19.65MのQOの価格が引っ張った単価で、見ようによっては高いと思われるかもしれませんね。
パイレーツでローテーションに
そんなパイレーツですが、ローテーションがピンチです。NO.1ローテーションのミッチ・ケラーは健在として、NO.2のヨハン・オビエドがトミー・ジョン手術を受けることとなり、2024年の全休が決定。
ジャレッド・ケルニックとともにマリナーズからアトランタへトレードされ、即座にパイレーツにトレードとなった左腕のマルコ・ゴンザレスもいますが、肘に懸念を抱えていることもあり、果たしてNO.2ローテーションとして機能するかどうかやや疑問。それでもパイレーツはカウントに入れるでしょう。
よって、ここにマーティン・ペレスが入れば、イニング・イーターとしてローテーションの大きな力にはなりそうです。ただし、2023年のような心づもりが必要かもしれません。マルコ・ゴンザレスがヘルシーなら軟投派左腕が2人となり、面白いことにはなるかもしれません。
【パイレーツのローテーション候補】
- RHP ミッチ・ケラー : 13勝9敗、ERA 4.21
- LHP マルコ・ゴンザレス:4勝1敗、ERA 5.22 (新戦力)
- LHP マーティン・ペレス:10勝4敗、ERA 4.45 (新戦力)
- RHP ルイス・オルティズ:5勝5敗、ERA 4.78
- LHP ベイリー・ファルター: 2勝2敗、ERA 5.58
- RHP クイン・プリースター:3勝3敗、ERA 7.74
- RHP JT・ブルーベイカー:2023年は肘手術で全休
- RHP ヨハン・オビエド:9勝14敗、ERA 4.31(トミー・ジョン手術)
なお、マーティン・ペレスは2012年のデビューから2023年までMLB12シーズンで85勝81敗、ERA 4.44という通算成績です。レッドソックス時代はあえて触れておかないようにします。
パイレーツはなんと言っても2024年はオニール・クルーズが復帰します。エリー・デラクルーズのいるレッズとの対戦は楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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