柔軟性のある起用が可!
現地2024年1月17日、シアトル・マリナーズはオリオールズからFAとなっていた右腕のオースティン・ボス(Austin Voth)とサインしたと発表しました。
契約内容
両者の契約内容はご覧の通り。
- 1年/$1.25M (2024)
1992年6月26日生まれのオースティン・ボスは2024年は31才で開幕を迎えます。年齢的な要素と2023年にマイナーへアウトライトとなってFAとなった経緯からオプションなどはつかないと見て良さそうです。
前の契約
ちなみにオースティン・ボスの直近の契約はオリオールズと調停を避けてサインしたご覧の内容でした。
- 1 年/$1.85M (2023)+2024 $2.45M クラブOpt
上述のようにオースティン・ボスは9/3にDFAとなってマイナーへアウトライトされました。DFAとなったのはもうマイナー・オプションが残っていなかったため。
今回、マリナーズはボスとのサインを決めたことで40manがフルとなりました。仮にボスが不調となり、マイナーへ降格したいと思った時ははDFAを使って40manを空ける必要があります。
トレード大好きのジェリー・ディポートPOBOからすると、そこも想定した補強かもしれません。
オースティン・ボスとは
ナッツでデビュー
そのオースティン・ボスは、2013年のアマチュア・ドラフトでナショナルズから5巡目指名を受けてプロ入りした右腕。ワシントンが重複して煩わしいのですが、高校、大学はワシントン州のシアトルですので、地元への復帰ということになります。
メジャー・デビューはドラフトから5年後の2018年でナショナルズでのデビューです。デビュー当初は先発として起用されており、2018年は4試合中2試合が先発。2019年は9試合中8試合が先発。短縮シーズンとなった2020年はすべて先発で11試合。
2021年は一転、49試合中先発は1試合のみで、あとはリリーフ登板。メジャーの投手らしいボールも投げるのですが、いかんせんERAが改善しませんでした。
オリオールズへ
2022年5月、ナショナルズはオースティン・ボスをDFAに。ウェバーにかけたところ、オリオールズがクレームオフし、オリオールズへ移籍。
そしてオリオールズ移籍後は、22試合中、17試合に先発し、5勝4敗、ERA 3.04と非常に良い結果を出しました。
翌2023年はリリーフとして開幕を迎え、6月半ばまではなんとか結果を出し、6回から9回のいずれかで登板して好調なチームを支えました。
しかし、6月半ばに肘の違和感を覚えてサイドラインに。この肘の故障は結局2ヶ月あまり続くことになり、復帰したのは8月27 日でした。
2023年9月後半、マイナーで快投!
9月には地区優勝が見えていたオリオールズですが、ポストシーズンに向けロスターを調整する中、オースティン・ボスは9月3日にDFAに。回復後のリハビリも行いたかったボスはこれをアクセプトし、マイナーへアウトライトとなったのでした。
マイナーへ移ってからですが、9月28日のマイナーのポストシーズンのゲームで、8者連続三振という離れ業も見せました。相手はレイズのトリプルA。ちょっとタイミングが悪かったですね。
傾向
そんなオースティン・ボスのMLBでの通算成績はナショナルズとオリオールズで299.1イニングを投げ、ERAは4.90。SO%は21.6、BB%は8.5といずれもリーグ平均の水準をマークしています。
スターターとしてのERAは4.23で、リリーバーとしてのそれは5.89。
上記のVTRを見れば、完全にスターターのような風貌です。
リリーバーとして登板した場合、1イニングで1失点でも喫してしまえば、ERAが極端に上がることから、キャリアを通じて高めのERAとなっています。
ファストボールも特別速くもなく、4シームが93-94mphというところ。カーブ、スライダー(スウィーバー)、カットと横の変化で勝負するタイプで、ジョーダン・ライルズとよく似ていると思います。2シームかシンカーがあれば良いと思うのですが。
やはりブルペンメイン
マリナーズのローテーションは、ルイス・カスティーヨ、ジョージ・カービー、ローガン・ギルバート、アンソニー・デスクラファニー、ブライアン・ウー、ブライス・ミラー、エマーソン・ハンコックらが候補。このメンツを考えるとやはりブルペンでの起用ということになりそうです。
そしてもしローテーションの誰かに怪我が出た場合、その時はオースティン・ボスがその穴を埋める・・・そのようなシナリオが見えましたが、どうでしょうか!?
あまり数字はついてきていませんが、マリナーズはポール・シーウォルドを育て上げましたから、案外化けるかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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