スーパー・ユーティリティーは再びLADへ
現地2024年2月27日、ドジャースはFAとなっていたユーティリティーのキケ・ヘルナンデスことエンリケ・ヘルナンデス(Enrique J. Hernández)と1年で再契約しました。キケは愛称で、登録名は本名のエンリケ・ヘルナンデスですが、実況などでは愛称のキケが使われるケースがほとんどです。
マニュエル・マーゴットのディール決定の即座に
ドジャースはキケ・ヘルナンデスとのディールの前にタイラー・グラスノーとともにレイズから獲得したマニュエル・マーゴットのツインズとのディールを決定。
これが決まってからキケのディールが決まりました。
キケ・ヘルナンデスにはエンゼルス、ジャイアンツ、ツインズ、パドレスが関心を寄せているという噂がありましたが、このようにドジャースが獲得に至りました。
すでにカクタス・リーグも始まっている中、40manの枠に関してはマニュエル・マーゴットの枠がそのまま使われるようになるため、このディールに伴うロスター・ムーブはなさそうです。
契約内容
両者の契約はすでにオフィシャルとなっており、下記の内容でサインしています。
- 1 年/$4M (2024)
キケ・ヘルナンデスの2023年のサラリーは2022年9月の時点でレッドソックスと延長契約した1年/$10M (2023)。
今回のディールはキケにとっては単価がグンと下がってしまいましたが、2023年のバットの実績からすると致し方ない面もあります。
なお、キケは2023年のトレード・デッドラインでドジャースに移籍。レッドソックスはキケの残りのサラリー$3.6M強とともに$2.5Mを添えてトレードに出しました。この$2.5Mの意味はよくわかりませんが交換で獲得した選手も絡んだ交渉の結果と思うしかないですね。
キケ・ヘルナンデスとは
現時点で32歳のキケはプエルトリコ出身。2009年のアマチュア・ドラフトでアストロズから6巡目指名されてプロ入り。もともとはアストロズだったのです。なお、プエルトリコもアマチュア・ドラフトの対象になっている地域ですね。
2014年、22才でMLBデビューを果たしたキケ・ヘルナンデスは前半の24試合でAVG.284をマーク。そして同年のトレード・デッドラインでアストロズがジェイス・マリスニック、コリン・モランらを獲得したトレードで複数の選手とももにマイアミへ移籍することになります。マイアミでは18試合で、AVG .175。
そして2014年12月に今度はオースティン・バーンズ、アンドリュー・ヒーニーらとともにドジャースへ移籍。このとき、マイアミは現在のディー・ストレンジ=ゴードン、ダン・ヘイレン、ミゲル・ロハスを獲得。当時はディー・ゴードンと称していましたが、ゴードンはマイアミに移籍してイチロー選手を慕いまくるという流れになります。実はキケが絡んでいたのです。
そして2015年から2020年までドジャースで過ごし、主に複数のポジションをこなすユーティリティーとして活躍。 キケはドジャースでの 6 年間で.240/.312/.425 をマーク。wRC+ は 98 に達しました。
その攻撃力は平均をわずかに下回る感じでしたが、それでも捕手以外はあらゆるポジションをこなし主にグラブで貢献。マウンドにも上がっています。
ドジャースでワールドシリーズを制覇した後の2021年2月にレッドソックスとサイン。
2021年、レッドソックスはこのキケの活躍によりポストシーズンにも進出。ALCSまで進んだのはキケのおかげと言っても過言ではありません。
2021年は.250/.337/.449、20 HR、60 RBI。
翌2022年は怪我もあり93試合の出場にとどまり、AVG.222。2023年はレッドソックスで86試合に出場するも、AVGは.222。ドジャースに移籍後はAVG.262と持ち直しました。
あまりに運動神経がすごすぎて、スローイング・エラーも笑うほど豪快だったキケ・ヘルナンデス。
レッドソックスではSSでの起用は怖いというレベルになりましたが、ドジャースでは今季、怪我から復帰するSSのギャビン・ラックスのバックアップ的な役割になるかと思います。そしてOFに穴が空けばそこも埋めると。ミゲル・ロハスはSSで守備に特化した起用ということになりそうです。
ドジャースはまた選択肢が増えましたね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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