2023年に再び輝いたヘイワード
現地2023年11月27日、ロサンゼルス・ドジャースがOFのディールを決めました。FAとなっていたジェイソン・ヘイワードと1年契約で合意です。現時点ではフィリジカル・チェックの検査待ちでそれがパスすればオフィシャルとなります。
契約内容
ドジャースとジェイソン・ヘイワードの契約はご覧の通り。
- 1年/$9M (2024)
2024年に開幕してすぐの4月9日に35才となるジェイソン・ヘイワードですので、オプションなどはつかないと思われます。
今オフの資金は大谷&ローテーションに注ぐLAD
OFテオスカー・ヘルナンデスを諦めた??
ドジャースがOFを補強するに当たって名前が挙がっていたのが、マリナーズからFAのテオスカー・ヘルナンデス。彼は現時点で31才で右打ちです。2023年は160試合に出場し、.258/.305/.435、HR 26、RBI 93、161安打、70 Run。ジェイソン・ヘイワードと比べてもう1つ飛び抜けた成績でしかもLHPに弱いジェイソン・ヘイワードと違い、右打ち。ここは積極的に行くのか?と思われたのですが、ジェイソン・ヘイワードとの再契約となりました。もちろん、まだテオスカー・ヘルナンデスの芽は現時点で消えておりません。
今オフ、初FAとなったテオスカー・ヘルナンデスにマリナーズはQOを提示せず。
大谷資金で節約?
テオスカー・ヘルナンデスの2023年のサラリーは$14M。この時点でジェイソン・ヘイワードより割高。2023年の成績からすればテオスカー・ヘルナンデスにはさらにいい条件が設定されると見込まれ、そうなるとサラリー単価は$14Mは超えてきそうです。
これは大谷選手獲得のための資金の使い道の優先順位の問題ということになりそうです。
ローテーション補強を優先
ただ、ドジャースの場合はローテーション投手の確保が優先されるでしょう。2024年はウォーカー・ビューラーがトミージョン手術から復帰するも、ローテーションは欠員が出ている状態。フリオ・ウリアスはDVポリシー違反で、すでにFAで出しましたし、トニー・ゴンソリンはトミージョン手術。クレイトン・カーショウはFA。1人復帰するも3人が離脱してマイナス2です。7月に再度、肘の手術となったダスティン・メイは復帰まで1年の予定になっていたので、開幕は難しく、さらに2度目のメスゆえに慎重にならざるを得ません。
獲得を目指していたアーロン・ノラはフィリーズと再契約済み。現在、ホワイトソックスのディラン・シーズを狙っています。後はFAで誰を補強するか?というところでしょう。
ジェイソン・ヘイワードのキャリア
ブレーブス1巡目指名
ジェイソン・ヘイワードはもともとは2007年のブレーブスの1巡目指名。2010年にデビューし、ROYで2位に。ブレーブスでは150安打を2度記録するなど、非常にかっこいいOFとして人気が出ました。
カージナルスへ
2014年11月にブレーブスがシェルビー・ミラーらを獲得したトレードでカージナルスに移籍。カージナルスには2015年の1シーズンだけ所属し、オフにFAに。
FAでカブスと8年契約
2015年12月、カブスと8 年/$184M (2016-23)の大型ディールを結び、ここまでは非常に順調。カブスでは2020年までは良い活躍を見せていましたが、2021年から右膝を傷めるなど怪我が重なり、打撃も急降下。2021年は104試合でAVG.214、2022年はさらに落ち込み、48試合でAVGは.204に。
カブスからリリース
カブスは契約期間が残ってはいたものの、2022年11月にヘイワードをリリース。2022年12月にドジャースとマイナー契約を結んだのでした。
カブス当時にサインした契約もファイナル・シーズンとなった2023年、ジェイソン・ヘイワードは輝きを取り戻しました。
2023年は輝いたヘイワード
ジェイソン・ヘイワードは2023年、124試合に出場し、90安打を放ち、打率.269、OBP .340、SLG .473、15 HR、40 RBi、56 Runをマーク。これは2019年以降でベストな成績となりました。
ヘイワードは2012年から2017年の6シーズンでゴールドグラブ賞に輝くこと5度(2012/2014-2017)。彼がRFにいれば非常に安心という存在です。そこも魅力の一つです。
LHPに弱く、ムーキーの2Bは続く
ただ、ジェイソン・ヘイワードには大きな弱点があります。それは
LHPに非常に弱い点です。2023年のRHP、LHPとの対戦成績はご覧の通り。かなり極端です。
vs | AVG | OBP | SLG | HR |
RHP | .276 | .347 | .471 | 13 |
LHP | .192 | .250 | .500 | 2 |
上記のデータが出ているのでドジャースは相手先発がLHPのときはムーキーをRFに起用してきました。
ヘイワードを獲得したということは、2024年もその体制が続くということになりそうです。先発がRHPのときはヘイワードがRFでムーキーが内野、LHPの時はムーキーがRFという形です。
プロスペクトのOF
ドジャースにはユーティリティーでクリス・テイラーがおりますが、2023年はジェームス・アウトマンをOFで起用し、実績を踏ませました。さらに、22才でキューバ出身のアンディー・ハヘーズ(Andy Pages)もおります。パヘーズは未デビューで2023年はトリプルAまで上がりましたが、肩の手術により未デビュー。それがなければ2023年にデビューしていたでしょう。2024年のスプリング・トレーニングには間に合う見込みです。彼は右打ち。
ドジャースは彼を待っても良かったと思いますが、ジェイソン・ヘイワードと再契約に。確実なものが欲しかったのでしょうね。パヘーズはヘイワードのライバルになりそうです。
CB TAX
2023年は贅沢税(CB Tax)の閾値が$233Mだったところを$267Mで超過したドジャース。2021年から3年連続の超過です。
2024年の贅沢税の閾値は$237Mで、ドジャースは今のところ、まだ編成が穴だらけなので、マイナーも入れて$170M。このうち、ムーキーが$29M、F・フリーマンが$25.8M、クリス・テイラーが$15M、マンシーが$12M、ヘイワード、ウィル・スミスがそれぞれ$9M。カーショウの$20Mとフリオ・ウリアスの$14.25Mが消えております。
$20M前後の選手を数名入れればそのスペースも飛びそうです。今のところ大谷選手の資金の枠は空いているのですが、今季も$237は超えてくるでしょうね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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