Dバックス、補強でLADを追撃
現地2024年1月25日、なかなかの興味深いディールが報道されました。アリゾナ・ダイヤモンドバックスがOFのジョク・ピダーソン(Joc Pederson/開幕後に32才)と合意です。
まもなくオフィシャルになる見込みです。今回のジョク・ピダーソンのディールにより、Dバックスの野手陣の層がかなり厚くなりました。ドジャースの対抗馬の急先鋒という感じです。
契約内容
両者の契約は大筋で以下の内容で合意。
- 1年/$12.5M保証(2024) + 2025 オプション
- 2024: $9.5M
- 2025: $14M ミューチュアル・オプション($3Mバイアウト)
サラリー総額は2024年の$9.5Mと2025年のバイアウト$3Mを加えた$12.5M保証。ミューチュアル・オプションの内容は明らかになっていませんが、べスティングのような成績のラインを設定していると思われます。
前の契約
ジョク・ピダーソンの2023年の契約は、クオリファイング・オファー(QO)を受諾した$19.65M。
ジャイアンツでポストシーズンに出るべく、QOを受諾して残ったのですが、残念ながら、ジャイアンツはシーズン後半に失速。代わりにDバックスがプレーオフに進出し、ワールドシリーズまで勝ち上がりました。今回はそのDバックスとサインしたというのが面白いですね。
ジョク・ピダーソンとは
2020年までドジャース
ジョク・ピダーソンは1992年4月21日生まれの31才(現地2024年1月25日時点)。開幕してすぐに32才となります。
ドラフトは2010年のドジャースの11巡目指名。カリフォルニア出身で高卒時の指名でした。
ジョク・ピダーソンは2014年にメジャー・デビュー。MLB2年目の2015年はスプリング・トレーニングから絶好調で、このままアンドレ・イーシアの後継としてCFのレギュラーの座を掴み取りました。
4月には打率.298、4本塁打、10RBIをマーク。また5月31日から6月3日までは5試合連続HRを放ち、大きな注目を浴びました。2015年はわずか53試合で17HRをマーク。これが評価されてルーキーながらオールスターにも出場。シーズンの成績は151試合に出場し、AVG.210と打率は上がりませんでしたが、OBPは.340をキープ。そしてなんと言ってもHR 25本というのが光りました。
2016年は137試合に出場して25HR、68 RBIに終わったものの、打率は.246にアップ。三振も170から130へと大幅に減らしました。
2017年4月3日の開幕戦では、グランドスラムを放ち、5RBIと活躍したものの、シーズン成績は102試合のみの出場で、AVG.212、HR 11、RBI 35にとどまりました。ただ、アストロズとのワールドシリーズでは6試合に出場し、18-6、2ダブル、3HR、6 Run、5 RBIの活躍を見せました。このワールシリーズはのちに因縁となりましたね。
2018年、2019年のジョク・ピダーソンは安定した成績を見せ、AVGはいずれも.250手前をマーク。HRも25、36と大きく躍進しました。2019年の36HRはキャリア・ハイとなっています。
ドジャースでのファイナル・イヤーとなった2020年、MLBは短縮シーズンとなり、ピダーソンはAVG .190と苦戦。ただ、ポストシーズンでは、パドレスとのNLDSではAVG .400、ブレーブスとのNLCSではAVG .389、レイズとのWSではAVG .400と大活躍。ドジャースのWS制覇に大きく貢献しました。
2021年にカブスへ
2020年オフにFAとなったピダーソンは2021年2月にカブスと1 年/$7M (2021) + 2022 ミューチュアル・オプションでサイン。
カブスでは73試合でAVG .230、HR11。この年のトレード・デッドラインでブレーブスに移籍。
ブレーブスでは64試合で、AVG .249、HR 7をマーク。ポストシーズンではブルワーズとのNLDSで、AVG.429と活躍。ただ、NLCS、WSでは結果は出ませんでした。
2022-23: ジャイアンツ
2021年オフにFAとなったピダーソンは、2022年3月に1年/$6Mでジャイアンツとサイン。ジャイアンツでは134試合に出場し、.274//353/.531、HR 23、RBI 70と活躍。しかし奮闘及ばず、ポストシーズンには届かず。
2022年オフにFAとなり、ここで初めてQOを提示され、ジャイアンツに臨みを託して2023年に臨んだものの、本人の成績もAVG.235、HR 15、RBI 51と大人しめの成績となり、今オフにFAとなりDバックスとサインしたという流れになります。
Dバックスでの出場機会
DバックスのOFはコービン・キャロル、ルルデス・グリエル・Jr、アレク・トーマスとかなり強い3名が陣を張っており、ジョク・ピダーソンと雖も、なかなか高いハードルの面々となります。
DHをどう使うかにより、ジョク・ピダーソンの出場機会も左右されそうです。現時点ではOFのバックアップ・ロールという位置づけになるかと。
DHで言えば、Dバックスは今オフにユーヘイニオ・スアレスをマリナーズからトレードで獲得。彼は3Bでの出場になりますが、3Bのポジションに関係があるのがSSでの争いで、2023年はヘラルド・ペルドモが守りましたが、ジョーダン・ローラーが台頭する可能性もあり、そうなると3Bをペルドモにする可能性もあり、スアレスはDHでの起用が多くなりそうです。スアレスがDHならピダーソンはOF。ただし、OFは3人が非常に強いので、あるいはPHでの役割ということになるかもしれません。
1つ言えるのはDバックスは層がかなり厚くなったということですね。ピダーソンの存在は少なくとも、ユーヘイニオ・スアレスやクリスチャン・ウォーカー、ルルデス・グリエル・Jr.に良い刺激を与えることは間違いないです。
Dバックスは2024年も足を使った攻撃を重視してくるはずなので、コービン・キャロル、アレク・トーマス、ケーテル・マルテの3名は怪我でもない限り外せません。
そんな中、ピダーソンがどういう存在感を見せるのか、非常に興味深いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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