スーパー・エリートOFのディールがようやく決定
現地2024年2月24日、有力FA選手でありながら、スプリング・トレーニングのゲームが始まっても未サインで残っていたコディー・ベリンジャーのディールが決定。シカゴ・カブスに復帰ということになりました!
コディー・ベリンジャーは2017年のNLROYから始まり、NLCS MVP(2018)、NL MVP(2019)、ゴールド・グラブ賞(2019)、シルバースラッガー賞2度受賞(2019/2023)、オールスター2度(2017/2019)、ワールドシリーズ制覇(2020)など数多くのアウォードを受賞。2023年に復活となったスーパー・エリートOFは今度3年間はカブスでNLタイトル、そしてワールドシリーズ制覇を狙います。
契約内容
現地2024年2月24日時点ではファイナルではありませんが、両者の契約内容は大筋で以下の通りです。
- 3年/$80M (2024-2026)
- サラリー:$30M (2024)
- 2024年終了後および2025年終了後にオプトアウト可
- 2024年終了後にオプトアウトしない場合:$30M (2025)
- 2025年終了後にオプトアウトしない場合:$20M (2026)
2度のオプトアウトが入っているのがポイントで、おそらくベリンジャーもキャリアの終盤まで1つのクラブとサインするか、あるいはショート・タームで次のマルチイヤー・ディールを狙うか迷っていたのがよくわかるディールで、1年目と2年目終了後にオプトアウトを入れてきました。
2024年は28才のシーズン
コディー・ベリンジャーは1995年7月13日生まれで、2024年の開幕を迎え28才で、シーズン途中で29才になります。ベリンジャーのMLSは2024年1月時点で6.160で今オフはFA資格を満たした初のオフシーズンとなりました。
2024年終了後に良い結果を出せば、オプトアウトを行使して再度市場に出て大型契約を狙うというカルロス・コレアやノア・シンダーガードが試みた内容となりました。
2022年終了後にまさかのノンテンダー
コディー・ベリンジャーのキャリアで衝撃だったのが、2022年終了後にドジャースからノンテンダーFAとなったことです。
2019年まではもはや無敵と思えるほどの成績を叩き出していたコディー・ベリンジャー。2019シーズンに至っては、156試合に出場し、打率.305、OBP .406、SLG .629、HR 47、RBI 115、二塁打34という破壊力抜群の成績。
急降下した2020-2022
まさに順風満帆なキャリアをスタートさせていたコディー・ベリンジャーでしたが、コロナ・パンデミックで60試合の短縮シーズンとなった2020年から成績が急降下します。著しかったのが打率で、2020年は.239、2021年は.165、2022年は.210。ちょっと考えにくい急落となりました。
2020年のレギュラーシーズンはやはり調整の難しさから来た成績だったと思うのですが、ポストシーズンで怪我を発症。NLCS Game7においてキケ・ヘルナンデスとのHRセレブレーションで右肩を脱臼。ワールドシリーズにも出場したのですが、AVGは.136でした。
2021シーズンは故障続きで脚、肋骨を傷め、95試合の出場にとどまりそれが影響してまさかの打率1割台に。
2022シーズンは144試合に出場し、ヘルシーさは保ったものの、打撃を崩して上述のようになんとか2割を超えたかという打率に。ベリンジャーはルーキー・イヤーから破竹の勢いを保っていたので、サラリーが高騰。2022年は1年/$17Mだったのです。
思えばこの頃からドジャースは大谷選手獲得資金を考慮していたと思われ、成績に見合わないサラリーとなったベリンジャーはノンテンダーFAになったのでした。
2023年に復活!
ノンテンダーFAとなったベリンジャーでしたが、ノンテンダーとなって早々の2022年12月6日にシカゴ・カブスが獲得に乗り出し、以下の内容でサイン。
- 1年/$17.5M (2023)保証 + 2025 オプション
- $12.5M(2023)
- $25M (2024) ミューチュアル オプション($5M バイアウト)
- アウォード・ボーナス: $1M ( Comeback Player of the Year)
2023年のサラリーは2024年のオプションが行使されない場合のバイアウトの$5Mを加えた$17.5M保証。これは前年のサラリーを気持ち上回った設定になっていました。
そして2023年は開幕から出場。3月/4月で.297/.371/.604、HR 7と非常に良い滑り出しを見せます。しかし、現地5月15日のアストロズ戦でカイル・タッカーの放った右中間へのHR性の当たりをリーピング・キャッチした際に左膝を強く打撲。ゲームを離脱しました。
診断の結果は左膝の捻挫と打撲でこれによりILに入り、一時離脱してしまいます。この治療とリハビリに約1ヶ月を要し、復帰したのは6月15日のパイレーツ戦。ただ、ここからはシーズン終了までほぼ出場。
結果、130試合、556 PA、499 AB、153 Hits、打率.307、OBP .356、SLG .525、HR 26、RBI 97、SB 20、二塁打 29、Run 95とかつての成績にほぼ等しい数字をマーク。MVP投票においても10位にランクされるほどの活躍を見せました。
5月の膝の故障の際はどうなるのか?と思ったのですが、見事に復活。上記のようにカムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーも受賞。
なお、選手会投票のカムバック賞も受賞しています。
QO拒否
華々しい成績を上げたベリンジャーはオフにカブスとのオプションを拒否。FAとなりました。カブスは$20.325Mのクオリファイング・オファーを提示しましたが、ベリンジャーは拒否。FAとなっていました。
CF/1Bの併用
2023年、コディー・ベリンジャーはCFと1Bがほぼ同じくらいになる出場数。
2024年もOFはRF:鈴木選手、CF/LFでピート・クロウ=アームストロング、イアン・ハップが見込まれ、ベリンジャーは柔軟性をもってCFか1Bで起用される見込み。鈴木選手のRFの出場試合数はちょっと減るかもしれません。内野は3Bがクリストファー・モレルまたはパトリック・ウィズダムでニコ・ホーナーとダンスビー・スワンソンの二遊間はほぼ決まり。1BとDHとOFで打撃優先でラインナップを組むということになりそうです。鈴木選手のDHも増えるかもしれません。
カブスはベリンジャーが復帰してなかなかいい布陣になりましたね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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