ブルワーズがローテーション固めへ
現地2023年12月4日、ウィンター・ミーティングが始まって2日目。今年は大谷選手の巨額ディールが待ち受けているせいか、表面的には動きは少ないですね。しかし、裏でかなりうごめいているのがよくわかります。大谷選手だけでなく、山本投手のディールも注目ですし、彼らの大きなディールが決まれば、バタバタと雪崩のようにディールが成立しそうですね。
エースのトレード話が取り沙汰されるMIL
まだ表面化していない大きなディールとを抱えているいう点では2023年のNLセントラル覇者のブルワーズにも言えることで、エースのコービン・バーンズのトレード話が取り沙汰されています。ブルワーズはサラリーが高くなる前に手放す傾向があり、右肩手術となったブランドン・ウッドラフにはノンテンダーFAを突きつけたという衝撃的な動きも話題でした。
そんなブルワーズですが、まずは決められるところから決めるということで、ローテーション投手のディールを成立させました。ベテラン左腕のウェイド・マイリーと1年契約でサインです。
Wade Miley's 2Ks in the 2nd. pic.twitter.com/yIBclX8ZpE
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 21, 2023
契約内容
ブルワーズとウェイド・マイリーのディールはご覧の通り。
- 1 年/$8.5M保証 (2024) + 2025 ミューチュアル・オプション
- サラリー:
- $7M(2024)
- 2025: $12M ミューチュアル・オプション ($1.5M バイアウト)
- パフォーマンス・ボーナス
- 50/75 IPごとに$0.25M、100 IPで$0.5M、125 / 150 IPごとに $0.750M
- トレード・アサインメント・ボーナス:$1M
- 限定的ノートレー条項(10クラブをブロック)
- サラリー:
150.0IPを達成すればパフォーマンス・ボーナスは計$2.5Mになります。ウェイド・マイリーは2023年は120.1 IPでした。
前の契約
ウェイド・マイリーとブルワーズは2023年1月に以下の契約でサインしていました。
- 1年/$4.5M (2023) + 2024 $10MミューチュアルOpt ($1Mバイアウト)
今回のディールもこの内容とよく似ています。2023年11月2日に双方ともに拒否。ウェイド・マイリーはFAとなっていました。
$10Mのラインを巡ってともに拒否し合った訳ですが、2024年の契約ではウェイド・マイリー側がバイアウトを含めて$8.5Mのラインをゲット。一方のブルワーズ側も$10Mだった2024年のサラリーを$8.5M保証に下げさせることが出来、ともに妥協し合ったのがよくわかる契約となっています。
2020年以降のウェイド・マイリー
散々だった2020年
2019年12月にレッズと2年/$15M(2020-2021)でサインしたウェイド・マイリーは、そのレッズ初年度で散々は出来でした。
2020年は短縮シーズンでしたが、ウェイド・マイリーの登板数は6試合。このうち先発は4試合で投球回数はたったの14.1。成績は0勝3敗でERA 5.65。この年、レッズの同僚のトレバー・バウアーがサイ・ヤング賞を獲りましたがその対極のような成績となったのでした。このせいでポストシーズンのロースターからも外されます。
2021年にノーヒッター
しかし、レッズ2年目の2021年はガラッと変わりました。開幕から2連勝を上げたウェイド・マイリーは好調を維持したまま5月に突入。その5月最初の登板となった現地2021年5月7日のインディアンス戦でニア・パーフェクとなるBB1つだけのノーヒット・ノーランを達成!
試合は9回表にレッズ打線が3点を奪うまでともにスコアレスで、あわやノーヒッターのままタイブレークに突入か!という水が差されるような危ない状況だったのですが、なんとかそれは回避されました。なお、このゲームは雨で93分遅れての開始で、悪環境の中でも集中力をもって丁寧な投球を見せたウェイド・マイリーの株がグンと上がったのは言うまでもありません。
このシーズンはノーヒット・ノーランが頻発したシーズンで直前の2021年5月4日にはオリオールズのジョン・ミーンズが達成したばかりでした。
ウェイド・マイリーはこのシーズンは28試合に先発し、163.0イニングを投げ、12勝7敗、ERA 3.37と安定した成績を残したのでした。
2022年は怪我に泣いた
その絶好調の2021年9月半ば、ウェイド・マイリーは首を傷めます。この怪我は長引き、翌2022年春まで苦しめられることに。
ウェイド・マイリーがリハビリに励んでいた現地2021年11月6日、レッズはウェイド・マイリーをウェーバーにかけ、それをカブスが苦もなくクレームオフしたというちょっと不思議なディールが発生しました。これはレッズが制度を利用してバイアウト分を浮かせたというテクニカルな手法でした。ともあれ、2022年はカブスで投げることになったウェイド・マイリー。
ただ、レッズはどこまで掴んでいたのか、ウェイド・マイリーは2022年は怪我に泣かされます。
ようやく首の痛みが癒えた2022年3月後半、今度は左肘前腕部にハリを覚え、MRIを受診する事態に。4月にILにはなったものもの、肘はこれ以上は悪くならず、5月10日にシーズン・デビューを飾るに至りました。
やれやれだったのですが、5月に3試合に登板し、1勝を上げた時点で今度は左肩に故障が見つかります。一旦は6月10日に復帰するも、この左肩の痛みはかなり尾を引き、結局60 Day IL に入りました。ただ、9月6日に復帰し、10月1日まで5試合に登板し、18.0 IPで1勝2敗、ERA 3.50。カブスでの2022シーズンは9試合、8先発で37.0IPで2勝2敗、ERA 3.16に終わりました。
2023年は9勝
ウェイド・マイリーは2023年1月にブルワーズとサイン。開幕からローテーションを守るも2023年5月17日に左広背筋を傷めて離脱。後日わかった診断では左の肩甲骨周りの左後鋸筋(ひだりこうきょきん)の緊張で復帰まで6-8週間と診断されたのでした。
ただウェイド・マイリーは4週間ほどでMLBに復帰。それ以降は7月に2度ほど登板をスキップしたものの、ローテーションをしっかりと守り、2023年は23先発、120.1 IPで9勝4敗、ERA 3.14をマークしたのでした。
2024年は37才のシーズン
ウェイド・マイリーは1986年11月13日に生まれで2024年は37才のシーズンということになります。ヘルシーであればイニング・イーターにもなるウェイド・マイリー。2024年もフルシーズンでのローテーションはさすがに無理かもしれませんが、25試合近辺でいい仕事をしてくれればブルワーズとしては御の字なのかもしれません。
ここまでMLB通算13シーズンで108勝98敗をマーク。まずは110勝に乗せて、白星を積み上げたいところですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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