IKF、NYYから卒業
ちょうど前日のケビン・キアマイアーの記事を補完してくれるようなディールが成立しました。内野がもう1枚欲しいところだったトロント・ブルージェイズがFA獲得に動きました。ヤンキースからFAとなっていた”IKF”こと、アイザイア・カイナー=ファレファと2年契約で合意です。
現時点ではフィジカルチェックの結果待ちで、まもなくオフィシャルとなります。
契約内容
アイザイア・カイナー=ファレファとブルージェイズの契約は大筋では以下の通りです。
- 2年/$15M保証(2024-2025)
- インセンティブ:$1M
現時点ではオプションなどの詳細は明らかになっていませんが、$15M保証+パフォーマンス・ボーナス:$1Mという内容になっています。
トロントはOF獲得に資金を注ぎ込むか?
さて、前日のケビン・キアマイアーのディールで、ブルージェイズの野手の補強のポイントについて記載させていただきました。
ガツンとコディー・ベリンジャー一発の補強で決めたいところではあるものの、マット・チャップマンとウィット・メリフィールドが抜けた内野にもう1枚FA選手が欲しい状況でもありました。
現状で3Bと2Bにはサンティアーゴ・エスピナルとキャバン・ビジオの2人がいて(デービス・シュナイダーも内野は出来ますね)、それぞれをカバー出来る力はあるものの、誰かが怪我で休むというリスクを考えた場合、やはりもう1枚欲しいところでした。
ただし、怖いのは資金を小出しにして大物のコディー・ベリンジャーの争奪戦に敗れることですが、その状況にも関わらず、ブルージェイズは前日にケビン・キアマイアーとの再契約に合意。
そして今回のアイザイア・カイナー=ファレファとのディールは、必要なディールではあるものの、果たしてベリンジャー獲得に影響を与えないか?という点が気になります。
【IKF】苦しかったNYY時代
さて、アイザイア・カイナー=ファレファですが、もう「お疲れ様でした」という声をかけて上げたいほど、ヤンキース時代は苦しかったと思います。
もともとIKFはレンジャーズで2020年、2021年とそれぞれ AVG .280、.271を残した実績のある選手。2020年にはゴールドグラブ賞も受賞。
2022年のシーズン開始直前に、レンジャーズがミッチ・ガーバーを獲得したトレードで一旦はツインズへ移籍。トレード決定の翌日、今度はヤンキースとツインズでディールが成立。カイナー=ファレファはジョシュ・ドナルドソンとともにヤンキースへ移籍することになったのでした。ツインズに動いたのはゲイリー・サンチェスとジオ・アーシェラ。
2022年からヤンキースでプレーすることとなったカイナー=ファレファは、142試合に出場。.261/.314/.327と結果は残しました。しかし、レンジャーズ時代のはつらつとしたプレーは影を潜めました。
翌2023シーズン、アンソニー・ボルピーが台頭してきたヤンキースはボルピーをSSに起用。カイナー=ファレファはもはやユーティリティーとして起用され、捕手と1B以外はすべて守る事態に。2023年にもっとも多くっ持ったのはOFで計78試合。このうち、CFが41試合、LFが37試合、RFが31試合。
もともと安打数で勝負するタイプのカイナー=ファレファはボンバーズと呼ばれるヤンキースの中にあっては長打力が乏しく、苦しい立場でした。転々とする守備、凡退で浴びせられるブーイング等もあり、2023年のAVGは.242と低下。苦しそうに見えたのは筆者のバイアスかもしれませんが、本来は忍者のごとく暴れるプレースタイルだけにその魅力が消えてしまった2年間でもありました。
初FA
2024年1月でMLS 6.00となるIKFは今オフが初のFA。2023年のサラリーは$6M。今回は単価がやや上がったような内容となりました。IKFは誕生日が1995年3月23日なので、2024年が開幕してすぐに29才になります。
NYY離脱後は羽ばたく傾向
ファンやマスコミが厳しいヤンキースでは本来の力を発揮できず、ヤンキース離脱後に開放されたかのように伸びやかにプレーしていい結果を出す選手が多いです。投手ではありますが、ソニー・グレーなどがまさにそうです。
今回、IKFがブルージェイズに移籍し、結果を残すか注視したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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