ハウクが94球、被安打3のシャットアウト勝利
投手力は間違いなくアップしているにも関わらず、打線の不調と何より守備のミスの多さから苦戦の続くレッドソックスにいいニュースが入ってきました。現地2024年4月17日のフェンウェイでのガーディアンズ戦で先発のタナー・ハウク(Tanner Houck)が被安打3のシャットアウト勝利を上げました。球数がたったの94球で収まったこのゲームの試合時間はなんとたったの1時間49分!
見事な投球内容でした。
スプリット&スライダーが完璧
タナー・ハウクは立ち上がりから打たせて取る投球で、1回表はスティーブン・クワン、アンドレ・ヒメネス、ホセ・ラミレスをたったの8球で仕留める素晴らしい立ち上がり。アンドレ・ヒメネスには5球も粘るられるも、ゾーンから大きく外れるような隙のあるボールは一切なし。最高の立ち上がりを見せました。
2回表には先頭のジョシュ・ネイラーにRFへシングルを許すも、つづくウィル・ブレナンをダブルプレーに斬って取り、さらにエステファン・フロリアルから三振を奪い、先制点を許さず。
3回表は三者凡退に抑え、3イニングまでの球数はたったの30球。
4回表にホセ・ラミレスにシングルを許す場面もありましたが、このイニングも12球で抑え、ますます冴えを見せて行きます。この日、最も投じたのは5回表で、それでも13球のみ。6回以降は打者3人ずつで抑えたタナー・ハウクは結果、9.0イニングで94球でガーディアンズ打線をシャットアウト。BB 0、SO9の素晴らしい投球内容を見せ、”マダックス”を完成させました。
タナー・ハウクが投じた球種は、スライダーが37球、スプリットが32球、シンカーが22球、カットボールが3球。特にスライダーが効果的でした。スライダーは曲がりの大きさから言えばスウィーパーと言った方が良いかもしれませんが、一応スライダーとしてのカウントです。また、空振りを計19回取ったというのも、ハウクがいかに切れ味の鋭いボールを投げ続けたかを示すものです。
打線は2得点のみ
打線の方は、3回裏にガーディアンズ先発のベン・ライブリー(2023年はレッズ)のボーグで1点を上げた後、4回裏にコナー・ウォンが左中間へソロHRを放って1点を追加。ベン・ライブリーの投球も良かったので、レッドソックスは9イニングで5安打しか放てませんでした。
スコアは2-0でレッドソックスの勝利。
この日、膝を軽度に傷めていたラファエル・デバースがDHで出場。しかし、振り遅れるシーンも多く、まだ本調子ではないようです。なお、吉田選手はこの日は出番なし。
それにしてもHRが出やすいフェンウェイパークにおいてよく被安打3のシャットアウト勝利を成し遂げたなと思います。
レッドソックスの投手の完封勝利
レッドソックスの先発がシャットアウト勝利を上げたのは、2022年6月6日のエンゼルス戦でマイケル・ワカが9.0 IP、被安打3、BB 1、SO 6を達成して以来のこと。ワカは29人の打者と対戦して105球。この時はマダックスということにはなりませんでした。
”マダックス”達成はマダックス本人以来!
なお、1時間50分未満で9SO以上をマークしたのはグレッグ・マダックス本人が達成して以来のこととなります。
BOSの前回のマダックス達成はバックホルツ以来
レッドソックスで100球未満のシャットアウト勝利を達成したのは、2014年8月31日のレイズ戦(@トロピカーナ)でクレイ・バックホルツが達成して以来のことで、バックホルツは 9.0 IP、被安打3、BB 0、SO 6、98球、69ストライク、ゴロ13という投球内容でした。このゲームのスコアは3-0。
試合時間 1:49
9イニングでの試合時間が1時間49分というのは、過去14年で最も早く思わったゲームになります。
その前はどんなゲームだったかというと、2010年6月2日にタイガースのアーマンド・ガララーガが誤審によりパーフェクトを逃したあのゲームになります。 この時の試合時間は1:44でした(下記の表の3)。
その他の時短ゲーム(2000年以降)
その他、2000年以降の時短ゲームはご覧の通り。ハウクが完封したゲームは8番目。
# | カード | 試合時間 | DATE |
---|---|---|---|
1 | CWS 2, SEA 1 | 1:39 | 2005/04/16 |
2 | DET 3, KC 0 | 1:41 | 2002/07/24 |
3 | DET 3, CLE 0 | 1:44 | 2010/06/02 |
3 | TOR 3, KC 1 | 1:44 | 2005/05/10 |
5 | SEA 2, OAK 0 | 1:47 | 2007/04/25 |
5 | PIT 2, AZ 1 | 1:47 | 2004/08/25 |
7 | CHC 3, CIN 0 | 1:48 | 2001/05/24 |
8 | BOS, CLE 0 | 1:49 | 2024/04/17 |
お読みいただき、ありがとうございました。
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