フィリーズが地区優勝!
現地2024年9月23日、フィラデルフィア・フィリーズは地元シチズンズ・バンク・パークで行われたシカゴ・カブス戦で6-2のスコアで勝利。この勝利でフィリーズはシーズン成績を93勝64敗とし、残り試合と勝率からナショナル・リーグ東地区の優勝が決まりました。
おめでとうございます!
仮にですが、フィリーズが残り5試合に全敗した場合の成績は93勝69敗。現在、87勝69敗の2位メッツが残り6試合に連勝したとしても93勝69敗。両チームは勝率で並んでしまうのですが、タイブレークの1試合で決着をつける前に制度として直接対決の勝利数を見るというのがあり、今季の両者の対決はフィリーズが7勝6敗とリード。ゆえに、並ぶシナリオで考慮したとしてもフィリーズが勝ることからこの時点でフィリーズの地区優勝が決まった次第です。
2011年以来
ご承知の通り、ナ・リーグ東地区はブレーブスが2018年から6連覇を継続しておりました。フィリーズは2022年と2023年にポストシーズンに進みましたが、いずれもワイルドカードでの出場。それだけブレーブスが大きな壁になっていたということでもあります。
以下はちょうどフィリーズの黄金時代のスタートからまとめた2007年からのNLイーストのチャンプのリストです。
ブレーブスの前はナショナルズが非常に強かった時代。ハーパーがいた頃です。その間、メッツとブレーブスが2015年と2013年に優勝。
フィリーズが最後に優勝したのが黄金時代のファイナル・イヤーとなった2011年のことです。
NL East Champions
Year | Winner | Record | Result |
---|---|---|---|
2023 | Atlanta Braves | 104-58 | Lost NLDS |
2022 | Atlanta Braves | 101-61 | Lost NLDS |
2021 | Atlanta Braves | 88-73 | Won WS |
2020 | Atlanta Braves | 35-25 | Lost NLCS |
2019 | Atlanta Braves | 97-65 | Lost NLDS |
2018 | Atlanta Braves | 90-72 | Lost NLDS |
2017 | Washington Nationals | 97-65 | Lost NLDS |
2016 | Washington Nationals | 95-67 | Lost NLDS |
2015 | New York Mets | 90-72 | Lost WS |
2014 | Washington Nationals | 96-66 | Lost NLDS |
2013 | Atlanta Braves | 96-66 | Lost NLDS |
2012 | Washington Nationals | 98-64 | Lost NLDS |
2011 | Philadelphia Phillies | 102-60 | Lost NLDS |
2010 | Philadelphia Phillies | 97-65 | Lost NLCS |
2009 | Philadelphia Phillies | 93-69 | Lost WS |
2008 | Philadelphia Phillies | 92-70 | Won WS |
2007 | Philadelphia Phillies | 89-73 | Lost NLDS |
フィリーズの地区優勝はこれで12度目となります。
- 1976, 1977, 1978, 1980, 1983, 1993, 2007, 2008, 2009, 2010, 2011, 2024
ロブ・トムソン、ついに地区優勝へ導く
フィリーズは経営パートナー兼最CEOで、いわゆるオーナーのジョン・ミドルトンそしてPOBO(President of Baseball Operations)のデーブ・ドンブロウスキーのフロント・オフィスが素晴らしい連携を見せ、現場に応じた編成を実施したところがまず素晴らしかったと思います。
そして現場を預かるロブ・トムソンの指揮ですね。この方は本当に名将だと思います。ゲームの戦い方がうますぎます。2022年のシーズン中にジョー・ジラルディからどん底の状態で引き継いだロブ・トムソンは一旦は諦めていたプレーオフ進出を現実化。ワールドシリーズまで進出しました。
翌2023年はブレーブスがロナルド・アクーニャ・Jr.の際立った活躍もあり、ぶっちぎりで地区優勝。フィリーズは前半の大半をハーパーなしで戦ったこともあり、14.0ゲーム差をつけられてしまいました。しかし、ポストシーズンでは2年連続でNLDSでブレーブスを撃破。NLCSに進出しました。NLCSでは惜しくもDバックスにやられましたが、トムソン監督の采配は相手にとっても驚異に映るかもしれません。
なお、ロブ・トムソンは2024年までの契約でしたが、2023年12月4日に2025年の契約延長にもサイン済みです。
2024年はフィリーズが圧倒!
2024年は開幕からブライス・ハーパーを起用できるシーズンとなりましたが、そのハーパーは前半は大苦戦。さらに追い打ちをかけるようにトレイ・ターナーが1ヶ月以上離脱したりと、なかなか厳しい戦いが続きましたが、5月3日にナ・リーグ東地区首位に立つと、7月5日の時点で2位に10.0ゲーム差をつけるほど快走。9月に入り、ややバテが見えてはきたものの、シーズンを通して支配的ではありました。
強力投手陣
打撃が苦戦していたフィリーズを首位に押し上げていたのは投手陣。
特に、ローテーションの凄さは圧巻でした。全体で見てもご覧の優秀さ。
– | PHILLIES SP | MLB SP Average |
---|---|---|
IP per GS | 5.62 (3rd in MLB) | 5.23 |
ERA | 3.72 (5th) | 4.16 |
WHIP | 1.20 (5th) | 1.27 |
K/BB | 3.37 (6th) | 2.89 |
GB rate | 47.5% (1st) | 41.6% |
WAR | 15.6 (3rd) | 8.7 |
特に春先にチームを引っ張ったのはレンジャー・スアレスで、5月21日時点で9連勝をマーク。もう無双状態でした。
またシーズンを通じて、16勝のザック・ウィーラーと13勝のアーロン・ノラの2名は大きな柱として機能しました(いずれも現時点の数字)。クリストファー・サントスも頑張りました。
シュワーバーがシーズンを通して活躍
打撃ではカイル・シュワーバーがとにかくシーズンを通して活躍しました。今季は現地2024年9月23日までの成績として.250/ .367/ .488、HR 37、RBI 100をマーク。
シュワーバーは2023年にも104RBIをマークしていることから、2年連続で100 RBIをマーク。フィリーズの選手で数シーズン連続で100 RBIを達成したのは、2006年から11年まで6年連続で達成したライアン・ハワード以来のことです。
また、カイル・シュワーバーは2年連続でBBも100超え。打率が上がったのはこの効果です!
JT・リアルミュートが欠場した時期もありましたが、これをラファエル・マーシャンが見事に補いました。彼もいいポイントで活躍しましたね。
そしてアレク・ボームもシーズンを通じて活躍しました。
トレードDLの補強も成功
また、ホセ・アルバラードがクローザーとして波があったため、トレード・デッドラインではエンゼルスからカルロス・エステベスを獲得。
この優勝が決まった一戦も最後にマウンドに上がったのは彼で、「かめはめ波」を決めました。
地区優勝組で何位に入る?
地区優勝が決まったフィリーズにとって次へのステップは、ワイルドカード・シリーズ免除を勝ち取ること。地区優勝した3チームのうち、上位勝率の2チームはワイルドカード免除でそのままDSへ。
現時点ではドジャースが地区優勝すればNO1シードに入り、フィリーズが2位。おそらくブルワーズの3位になる見込ですが、これも最後までわかりません。
フィリーズも満身創痍ではないだけになんとか2位以内に入りたいところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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