突然のリストリクティッド・リスト!
現地2024年8月26日、フィラデルフィア・フィリーズは左腕のホセ・アルバラード(José Alvarado)をリストリクティッド・リストに入れたと発表しました。
リストリクティッド・リストは先日、ダルビッシュ投手がそこから復帰しましたが、今度はホセ・アルバラードが入ることになりました。
マイケル・メルカドがアクティブ・ロスター入り
ホセ・アルバラードがリストリクティッド・リストに入ったことでフィリーズはそのアクティブ・ロスターのスポットに右腕のマイケル・メルカド(Michael Mercado)を入れました。
リストリクティッド・リストに入った選手は40manロースターには登録されないので、フィリーズの当面のメジャー・ロースターは39人となります。
マイケル・メルカドは25才の右腕で2017年にレイズの2巡目指名でプロ入り。2023年11月にマイナーの選手とのトレードでレイズからフィリーズへ移籍。メジャー・デビューは今季6月24日。今季はそれも含めて4試合に登板し、うち2試合に先発。11.2 IPで1勝2敗、ERA 9.26。6月2日のカブス戦では先発して5イニングを投げ、被安打2、失点1と好投したゲームもあります。
個人的な事情
ダルビッシュ投手の時にも書きましたが、リストリクティッド・リストは何か訴訟を抱える選手が入る時か、あるいは家族も含めた個人的な事情で試合に出られないときに入るリストです。
ダルビッシュ投手はもちろん後者で、そこから先は立ち入るのが難しい領域。
今回のホセ・アルバラードもリスト入りの理由はやはり個人的な事情で、チームから離れる期間も含めて情報は提供されていません。よって時間が経ち、公表できる事由が出来るまでは謎のままになります。
ホセ・アルバラードとは?
ホセ・アルバラードはレイズ時代からその豪腕で鳴らした左腕。
デビューは2017年で22才の時。35試合で29.2イニングに登板し、0勝3敗、ERA 3.64。
すごかったのが2年目の2018年。70試合、64.0イニングに登板し、1勝6敗で、ERAが2.39。6敗は喫したものの厳しい場面での登板ばかりでしたので、これは致し方ない面も。チャズ・ローとともに2人で62ホールドを演じて見せました。70試合に登板したこともすごいですね。
2019年は家族のメディカル・イシューがあったり、本人も調子を崩し、35試合の出場に終わりました。ERAは4.80と悪化。
2020年は上述の通り、シーズン途中の8月半ばにショルダー・イシューで離脱。それまでの成績もERAが6.00とふるいませんでした。
100mph近い剛球に、嘘のように曲がるツーシームが特徴の投手。ヘルシーであれば相当心強い存在。
2021年からフィリーズ
2020年12月に3チームトレードでフィリーズに移籍。
フィリーズ移籍後はかなり頑張って稼働しており、2021年は64試合で55.2 イニングを投げ、7勝1敗、ERA 4.20。2022年は59試合、51.0 イニングを投げ、4勝2敗でERA 3.18。
José Alvarado Filth 😷 pic.twitter.com/FMlb4MU2FJ
— Rob Friedman (@PitchingNinja) April 6, 2022
素晴らしかった2023年
そして素晴らしかったのが2023年。登板数は42試合と怪我の影響で減らしたものの、41.1 IPでERAが1.74 ! 出れば抑えるという状態でしたね。
不安定な2024年
そして今季ですが、正直に言うと不安定な投球と称した方が良さそうな投球内容となっています。
ここまで56試合と相当稼働しているのですが、52.1イニングでERAは4.30。月別の主要成績を見るとご覧の通りです。5月と6月は安定していたのですが、7月以降は厳しい登板が続いております。
リリーバーとして三振を奪う力には長けておりますが、不安定なのはイニング数とほぼ同数の被安打を許している点。ちょっと多いかなとは思います。
Month | ERA | G | SV | IP | H | ER | HR | BB | SO | SO9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MAR/APR | 4.63 | 13 | 5 | 11.2 | 6 | 6 | 0 | 7 | 13 | 10.0 |
MAY | 2.13 | 13 | 4 | 12.2 | 11 | 3 | 2 | 3 | 11 | 7.8 |
JUN | 2.79 | 10 | 3 | 9.2 | 6 | 3 | 0 | 2 | 13 | 12.1 |
JUL | 8.31 | 10 | 1 | 8.2 | 11 | 8 | 2 | 5 | 8 | 8.3 |
AUG | 4.66 | 10 | 0 | 9.2 | 10 | 5 | 2 | 8 | 7 | 6.5 |
そして8月に入り、BBの数が増えてきました。
今季のBB9は4.3。2019年などは8.1でしたからかなり改善はしているのですが、細かいコントロールよりもボールの勢いで封じてきた感があります。
SO9が今季は落ちております。2022年は14.3、2023年は13.9と非常に高い数字を上げていましたが、今季は8.9です。
よって良い時は圧倒的なものの、そうでない時も頻繁にあることから、やはり不安定な投球が続いておりました。
フィリーズのブルペン
フィリーズのブルペンですが、左腕はマット・ストラムとタナー・バンクスの2人のみとなりました。コルビー・アラードとタイラー・ギルバートも40manロースターに登録されていますが、現在はマイナーにオプションされております。
不安定とは言え、左腕のアルバラードが後ろにいないのはやはり痛いところです。
フィリーズはトレード・デッドラインでエンゼルスからカルロス・エステベスを獲得済み。クローザーはおります。
サラリーなど
リストリクティッド・リストに入っている間は、サラリーもなし、MLS(サービスタイム)もカウントされないということになります。
ホセ・アルバラードとフィリーズは2023年2月に下記の内容で延長契約にサイン。
- 3 年/$22M (2023-25) + 2026 $9M クラブオプション($0.5Mバイアウト)
今季のサラリーは$9M。リストリクティッド・リストにいる間はその日割り分が削られることになり、フィリーズは贅沢税の計算においてもその点は節約できます。
ホセ・アルバラードはどうなるでしょうかね??今後の動向が気になります。
お読みいただき、ありがとうございました。
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