1961年以降で最長記録
現地2024年5月28日、パドレスのリリーバーのジェレマイア・エストラーダ(Jeremiah Estrada)が、マイアミ戦の9回表に登板。ヘスス・サンチェス、ジェイク・バーガー、ニック・ゴードンの3人を3者連続三振に斬って取り、4-0のスコアでゲームを締めました。
これにより、ジェレマイア・エストラーダは13者連続奪三振記録を達成。これは少なくとも1961年のエクスパンション以降の最長記録となりました。これまでは、フィリーズのリリーバー、ホセ・アルバラドが2023年に11打者連続三振をマークしていました。
JEREMIAH ESTRADA
— Sarah Langs (@SlangsOnSports) May 29, 2024
13 STRAIGHT STRIKEOUTS
THE LONGEST STREAK IN AT LEAST THE EXPANSION ERA (1961)
AND STILL AN ACTIVE STREAK
h/t @EliasSports
13者連続奪三振の記録
その13者連続奪三振の記録ですが、ご覧のような具合です。リリーバーによる13者連続三振ですから、当然複数試合にまたがっております。
# | Date | Opp | INN | Batter | Results |
---|---|---|---|---|---|
– | 5/23 | @ CIN | Bot 8 | M・フォード | CF フライアウト |
– | 5/23 | @ CIN | Bot 8 | S・スティール | LF シングルH |
1 | 5/23 | @ CIN | Bot 8 | N・マルティニ | SO |
2 | 5/23 | @ CIN | Bot 8 | J・インディア | SO |
3 | 5/23 | @ CIN | Bot 9 | L・メイリー | SO |
4 | 5/23 | @ CIN | Bot 9 | W・ベンソン | SO |
5 | 5/23 | @ CIN | Bot 9 | S・フェアチャイルド | SO |
6 | 5/26 | NYY | Top 6 | A・ジャッジ | SO |
7 | 5/26 | NYY | Top 6 | A・ベルドゥーゴ | SO |
8 | 5/26 | NYY | Top 7 | G・スタントン | SO |
9 | 5/26 | NYY | Top 7 | A・リッゾ | SO |
10 | 5/26 | NYY | Top 7 | G・トーレス | SO |
11 | 5/28 | MIA | Top 9 | J・サンチェス | SO |
12 | 5/28 | MIA | Top 9 | J・バーガー | SO |
13 | 5/28 | MIA | Top 9 | N・ゴードン | SO |
5月23日のレッズ戦で8回裏に登板したジェレマイア・エストラーダは最初の2人の打者には打球を前に飛ばされましたが、残りアウト2つを三振で奪いました。イニングまたぎで9回裏のマウンドにも上がったエストラーダは三者三振に仕留めてゲームを締めています。これで5者連続。
そして5月26日のヤンキース戦ではイニング途中でマウンドに上がり、またもやイニングまたぎで5者連続三振。ここにアーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントンがいることがすごいですね。
さらに、5月28日のマイアミ戦ではクローザーとしてマウンドに上がり、三者連続三振を奪い、これで13者連続三振の完成。
今季のエストラーダのログ
そして2024シーズンのジェレマイア・エストラーダは現地2024年5月28日時点で12試合に登板。ここまで自責点はたったの1点!ゆえにERAは0.55というリリーバーとして最高の仕事をしています。
# | Date | Opp | Ings | IP | H | R | ER | BB | SO | HR | ERA | FIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4/20 | LAD | 9-GF | 1.0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0.00 | 7.13 |
2 | 4/26 | PHI | 4-6 | 2.1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0.00 | 4.03 |
3 | 4/29 | CIN | 7-8 | 2.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0.00 | 2.94 |
4 | 5/3 | @ ARI | 7-8 | 1.1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.00 | 2.68 |
5 | 5/6 | @ CHC | 8-8 | 0.1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0.00 | 2.85 |
6 | 5/13 | COL | 8-8 | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0.00 | 2.38 |
7 | 5/15 | COL | 6-7 | 1.2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0.93 | 3.65 |
8 | 5/17 | @ ATL | 9-GF | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0.84 | 3.04 |
9 | 5/20(1) | @ ATL | 8-8 | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0.77 | 2.70 |
10 | 5/23 | @ CIN | 8-9 | 2.0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0.66 | 2.03 |
11 | 5/26 | NYY | 6-7 | 1.2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0.59 | 1.50 |
12 | 5/28 | MIA | 9-GF | 1.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0.55 | 1.23 |
A.J.プレラー、宝を探し当てる
ジェレマイア・エストラーダの活躍をおそらく本人以上に喜んでいるだろうと思われるのが、パドレスのPOBO(President of Baseball Operations)のA.J.プレラーです。
その理由は、言葉が適切かどうかわかりませんが、「超掘り出し物」だったからです。ご覧ください。ジェレマイア・エストラーダのシーズン別成績です。
Year | Age | Tm | W | L | ERA | G | IP | H | R | ER | HR | BB | SO | WHIP |
2022 | 23 | CHC | 0 | 0 | 3.18 | 5 | 5.2 | 6 | 2 | 2 | 1 | 3 | 8 | 1.588 |
2023 | 24 | CHC | 0 | 0 | 6.75 | 12 | 10.2 | 12 | 8 | 8 | 4 | 12 | 13 | 2.250 |
2024 | 25 | SDP | 2 | 0 | 0.55 | 12 | 16.1 | 5 | 1 | 1 | 1 | 4 | 28 | 0.551 |
デビューした2022年はリリーバーとして良いスタートを切りました。
さらに2023年はスプリング・トレーニングでコンバインド・ノーヒッターを達成。滑り出しは好調でした。
シーズンでは大いに期待されましたが、わずかな登板機会で四球を連発。しかも被本塁打が4で、ストライクを取りに行ったところ痛打されるという典型的なパターンを演じました。シーズン中にリコール→オプションを繰り返し、メジャーとマイナーを往復。結果、2023年11月6日にウェーバーにかけられたところをパドレスがクレームオフ。
そう、パドレスはこの至宝をほぼ努力なしで獲得したことになります。当然、獲得時は数多いウェーバーからの獲得選手の1人くらいの認識だったと思います。
ウェーバーからの獲得はそれこそ1年中行われており、1クラブが行うこのディールは年間どれくらいになるでしょうか?仮に月平均で5件だったとしても年間60件。もっと多いかもしれません。クラブ側も選手の力を確かめた上でクレームオフしている訳ですが、メジャーでセンセーショナルな活躍を見せるに至ったディールは本当に限られています。プレラーはそれを見事に探し当てたということになりますね。
豪速球&スライダー
そのエストラーダの武器は、爆発的に上昇する速球が1つ。前にいたカブスもここを非常に買っていた訳です。ところがその魅力を削いだのがコントロールの悪さ。上述の通りです。今季はこのコントロールが安定。しかもスライダーがほぼアンタッチャブルというくらいにキレが良いです。これは打者が苦労するはずです。
すごい才能が埋もれていたということですね。メジャーはこういうシンデレラ・ボーイ的な選手が出てくるのでやはり面白いですね。
なお、28日のマイアミ戦ではパドレス先発で、ナックルボーラーのマット・ウォルドロンが好投。7.0 IPでスコアレス、BB 0、SO 8という素晴らしい働きをし、見事にゲームメイクしました。
ジェレマイア・エストラーダの次の登板が楽しみですね。
追記:13車連続Kで終了!なんと申告敬遠でEND
追記です。現地2024年5月31日、13者連続三振を奪ってから初めての登板となったこの日のロイヤルズ戦。ジェレマイア・エストラーダは6回裏、1アウト2、3塁でマウンドに。サルバドール・ペレスを相手にこの日も強烈な投球を見せるか!と思われたのですが、パドレスが指示したのは申告敬遠。意外な形でジェレマイア・エストラーダの記録は途絶えました。
状況とすれば2-2のタイスコアで、サルバドール・ペレスでしたから、戦術的なところでの記録ストップとなりました。なお、次打者のネルソン・ベラスケスはCF犠牲フライで三振を奪えませんでした。
https://www.mlb.com/gameday/padres-vs-royals/2024/05/31/746303/final
お読みいただき、ありがとうございました。
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