ロベルト・クレメンテ・デー
現地2024年9月15日はロベルト・クレメンテ・デーです。
「グレート・ワン」とも呼ばれたロベルト・クレメンテは殿堂入りを果たしており、とりわけパイレーツとプエルトリコ出身の選手にとってはレジェンド中のレジェンド。打っては3000本安打を達成し、4度のRBIリーダーを獲得。2度のワールドシリーズチャンピオンに輝きました。アウォードでは15度のオールスター、12度のゴールドグラバー(RF)、MVP(1966)、ワールドシリーズMVP(1971)を受賞。
1972年12月23日にニカラグアで地震が発生。ロベルト・クレメンテは被災した人々に物資を届けるため同年12月31日にチャーター機に搭乗しますが、その飛行機が事故を起こし、38歳の若さで亡くなりました。フィールド内外で偉大な足跡を残した人物です。1973年、MLBはそれまで選手の慈善活動を称える賞であったコミッショナー賞をロベルト・クレメンテ・アウォードに改称。
MLBは2002年から9月15日をロベルト・クレメンテ・デーとして彼を称える日としています。
9月15日
ロベルト・クレメンテはお亡くなりになったのは上述の通り12月31日。彼の誕生日は1934年8月18日。ではどうして9月15日に彼を称える日として設定しているのかというと、毎年、アメリカは9月15日から10月15日までスペイン、メキシコ、カリブ海諸国、中南米からやってきた人々の歴史、文化、貢献を祝う「Hispanic Heritage Month(全米ヒスパニック遺産月間)」を実施。野球は、それを祝う素晴らしい方法だとして、そのスタート日をロベルト・クレメンテ・デーとして設定したようです。本当は命日に開催したいのでしょうが、シーズン・オフです。様々な要素も鑑みて9月15日が意味合いとしても良いという判断だったのでしょう。
なぜ、21番がバラバラ?
毎年、ジャッキー・ロビンソン・デー(4/15)には全員が42番のジャージを着用しますが、この日はバラバラ。
ドジャース@ブレーブス戦だとキケ・ヘルナンデス、ムーキー・ベッツが名前無しの21番。ブレーブスはホルヘ・ソレアー、ジョー・ヒメネスらが名前無しの21番を着用していました。ウォーカー・ビューラーはもともとが21番で名前あり。
名前無しの21番がロベルト・クレメンテ・デーとして着用していた選手になります。そして着用していたのは、
- プエルトリコ出身の選手(キケがそう)
- ロベルト・クレメンテ・アウォードにノミネートされた選手(ムーキーがそう。ATLはクリス・セールがそうですが、彼は前日に投げてオフゆえにダグアウトでジャケットを着用)
- その他、上記2つでもないが、敬意を表したいとか祝いたいという選手
が着用していたようです。全選手分を作るのも大変ですからね。
ビューラーが復活!
さてゲームの方ですが、連敗スタートとなったドジャースはこの日はウォーカー・ビューラーが先発。ブレーブスはチャーリー・モートン。
今季、トミー・ジョン手術から復帰して調子を上げていたところに右股関節の炎症が襲い、そこから復帰後は不安定な投球が続いていたウォーカー・ビューラー。そろそろ調子を上げてくる頃かと思われました。
そのビューラーはこの日は鬼門の立ち上がりを難なくクリアー。しかし、2巡目となった3回裏にコントロールを乱し、打撃妨害も含めた3四球で押し出しで先取点を与えます。さらに内野ゴロの間に追加点を許し、このイニング2失点。
ただ、乱れたのはこのイニングだけ。その後はチャンスらしいチャンスを与えず、6イニングを投げきり、ゲームを作りました。ビューラーは復活と見ていいかもしれませんね。
大谷、2打席連続RBIをマーク
2点を追うドジャースはチャーリー・モートンの強い4シームや曲がり幅の大きいスライダーに苦戦していましたが、大谷選手が期待に応える打撃を見せました。
5回表、先頭のマックス・マンシーがシングルで出塁し、ギャビン・ラックスも四球を選び、ノーアウトランナー1、2塁のチャンス。ドジャースは代打でオースティン・バーンズに代わり、ウィル・スミスを送りますが、あえなくRFフライに倒れ1アウト。タッチアップでマンシーは3塁へ。
つづくケビン・キアマイアーは三振に倒れて2アウト。ここでバッターは大谷選手。過去2打席は三振に倒れていましたが、この打席は初球のインローのファストボールを強烈にRF線に弾き返し、これでマンシーが生還して1-2。追撃の狼煙を上げます。この後、ムーキーはLFフライに倒れてこのイニングは1点のみ。
7回表、ブレーブスのピッチャーは左腕のディラン・リー。ドジャースは2アウトを奪われるも、ウィル・スミスが四球で出塁。ドジャースはキアマイアーに代えて、アンディー・パヘスを代打に送り、これが成功。パヘスはLF前に痛烈なシングルを放ち、チャンスを拡げます。
ここでバッターは大谷選手。左腕投手を相手に最初の2球で追い込まれますが、3球目のアウトコースへのスライダーをうまく拾い、これがまたしてもRF線を襲う2塁打となり、これでウィル・スミスが生還し、ようやく2-2の同点に追いつきます。この後、ムーキーは凡退。
It's a tie ballgame thanks to Shohei Ohtani 😤 pic.twitter.com/jFjITsWltZ
— MLB (@MLB) September 16, 2024
コペック、剛球で流れを呼び込む!
7回裏はブレイク・トライネンが安定した投球を見せ、2-2のまま。
8回裏、ドジャースはマイケル・コペックを投入。そのコペックはさすがの剛球を披露。しかし、スライダーがまるでストライクが取れず。先頭のマーセル・オズーナはそのスライダーが明らかに外れて四球。つづくマット・オルソンは4シーム1本に絞って打席に立ち、あわやHR かという強烈な2塁打を放ち、ノー・アウト2、3塁。マイケル・コペックは大きなピンチを迎えます。
つづくトラビス・ダーノーにもスライダーが制球出来ず、厳しい状況に。
ここでバッテリーはどうやらスライダーを捨てと肚を括ったようで、ここからコペックの剛球が続いていきます。まずトラビス・ダーノーを101mphの4シームでLFフライで1アウト。
つづくオーランド・アルシアには初球にスライダーを選びましたが、やはり制球できないままと見るや、ウィル・スミスは徹底して4シームを選択。コペックもギアを上げ、4球連続100mphを記録し、三振で2アウト。
100, 101, 100, 101 and 101 MPH
— MLB (@MLB) September 16, 2024
Michael Kopech is FIRED UP after getting out of the jam! pic.twitter.com/BRDFBqGLbM
さらに、ジャレット・ケルニックには3球全てが100mph超えの豪速球。ケルニックを3球三振に仕留め、自ら蒔いたピンチの種を回収していきました。
身から出た錆とは言え、コペックのこの開き直りがドジャースの流れを変えたのも事実です。
9回に7得点
勢いを得たドジャースはブレーブスのライセル・イグレシアスを攻めます。1アウトからウィル・スミスがHRかと思うようなウォールのてっぺんに当たる3塁打を放ち、アンディー・パヘスが内野ゴロに倒れて2アウト。
ここで大谷選手でしたが、申告敬遠となり1塁へ。2アウト1、3塁でムーキー・ベッツが打席に。この日当たっていなかったムーキーでしたが、ここはしぶとくCFへ弾き返し、ドジャースが待望の勝ち越し点を上げます。3-2。
そこからフレディー・フリーマンのタイムリーで堰を切ったドジャースは、3者連続HRなどこのイニング一気に7得点。試合を決めました。
最後は無難にブラスダー・グラテロルを投入して逃げ切ったドジャースが9-2と大勝しました。
途中までは重たい試合でしたが、9回は別のチームのようでした。
NLウエスト順位
連敗を止めたドジャース。ただ、この日はパドレスがジャイアンツに延長で4-3と粘り勝ち。Dバックスもブルワーズに延長で勝利。ご覧の状況となっています。よってゲーム差は前日と同じ。
# | Club | W-L | GB |
---|---|---|---|
1 | LAD | 88-61 | – |
2 | SDP | 85-65 | 3.5 |
3 | AZ | 83-66 | 5.0 |
ブレーブスのWC争いの状況
あと、ワイルドカード争いを演じているブレーブスは、メッツも敗れたため、こちらも前日と同じ状況です。
【NLワイルドカード】
# | Club | W-L | GB |
---|---|---|---|
1 | SDP | 85-65 | – |
2 | AZ | 83-66 | – |
3 | ATL | 81-68 | – |
3 | NYM | 81-68 | – |
このシリーズは明日がファイナル。山本投手とマックス・フリードの先発です。
楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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