ドジャース 10 @ 9 Dバックス
現地2024年8月30日、フェニックスのチェイス・フィールドでドジャース@Dバックスの首位攻防の4ゲームシリーズが始まりました。このカードはレギュラーシーズンでは最後の直接対決で、ドジャースからすれば一気に差を縮められるリスクがあると同時にDバックス側からすれば、ここでシリーズ勝ち越しを狙いたいところ。
なお、ドジャースは9月24日から26日までパドレスとの直接対決を残しております。シーズン終盤、どういう状況になっているかはわかりませんが、最後にやばい状況になって優勢なのは追いかける方なのでそれまで良い状態を作っておきたいところです。
カーショウが左足母指の骨棘で2回途中で退場
Gm1の先発はドジャースがクレイトン・カーショウ、Dバックスがエースのザック・ギャレンです。Dバックスからすれば、なんとしてでもGm1を取りたいところ。
ザック・ギャレンも苦戦
このゲームはカーショウが苦戦したのですが、それより前に苦戦したのがザック・ギャレン。ナックルカーブの相手打線の打率は.148と抜群に良いのですが、4シームは.317、カットが.333とファストボール系があまりよくないです。いずれも今季の数字です。
この日は、いきなり大谷選手に初球の4シームをRF線に運ばれ、2塁打を打たれるピンチ。4シームがどうも甘くなるようですね。コーナーに決まればそれほど打たれないのですが、打たれるのはやはり甘いボールです。
フリーマンが復帰後即HR
ムーキーの2Bベース寄りのSSゴロで3塁へ到達した大谷選手。ここでバッターはフレディー・フリーマン。
フレディー・フリーマンは現地2024年8月17日のカージナルス戦でゴロを処理する際にイレギュラーバウンドで右手中指を骨折。さすがに翌18日のゲームは欠場しましたが、19日から25日まで強行出場。しかし、オリオールズとの3ゲームシリーズは欠場しました。
Freddie Freeman is out of the game as a result of a finger injury sustained on this play in the 6th inning, per @Ken_Rosenthal. pic.twitter.com/hffW0S9s0P
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) August 18, 2024
この日が復帰ゲームとなったのですが、その第1打席でザック・ギャレンの甘い4シームを左中間スタンドに持っていく技ありのHRを放ち、ドジャースは2点を先制しました。ザック・ギャレン登板日でこの先制点は幸先が良かったです。
Freddie Freeman swats.@Dodgers lead. pic.twitter.com/FajU2j9WYF
— MLB (@MLB) August 31, 2024
ところが、1回裏、クレイトン・カーショウは先頭のヘルド・ペルドモに二塁打を打たれたあと、1アウト1、3塁からジョシュ・ベルにタイムリーを浴びてまず1失点。さらに死球も絡み犠牲フライで2点目を奪われるなど、一瞬、2023年のNLDSのGm1を想起させる投球でDバックスに畳み掛けられます。
ドジャースは2回表に3連続シングルなどで3得点。大谷選手の右肘に死球が当たりましたが、エルボーガードの上でしたので事なきを得ました。肘の手術をした箇所なので衝撃も避けたいところですね。大谷選手は出塁後、2塁盗塁に成功。43個目の盗塁となりました。
カーショウは2回裏、先頭のコービン・キャロルにRFへ大きなHRを打たれ、スコアは5-3に。コービン・キャロルはカーショウからキャリア3本目のHRです。相性が良いみたいですね。
その後、カーショウは急遽マウンドから退場。直後は何が起こったのかわからなかったのですが、どうやら左足に痛みがあったようです。後に、左母指の骨棘が原因だと判明。ここ数年来、悩まされていた怪我だったようです。プレートから体を蹴り出す時に使う場所ですから、さすがに痛くて投げられなかったのでしょうね。
ロバーツ監督、めまいのするリレー
あまりに早いカーショウの退場により、ドジャースは予定にないブルペン・ゲームを余儀なくされました。緊急でマウンドに上がったのはジョー・ケリー。このケリーがもう明らかに調整不足で大苦戦。ストライクが入りませんでした。2回0アウトから3回2アウトまで投げるも、2点のリードを吹き飛ばす乱調。ジョー・ケリーは1.2 IPの登板だったのですが、46球を費やしました。ストライクは22球。ちょっと気の毒な面もありました。
その後、ドジャースはアレックス・ベシアがゲームを落ち着かせました。彼は本当にいい仕事をしますね。ERAは1.77です。
ドジャースは6回にワイルド・ピッチで1点を奪うと、7回表にはウィル・スミスがこのイニング途中から交代したポール・シーウォルドから3ランHRを放ち、9-5。これでゲームは決まったはずでした。
大谷、43号
さらに、8回表には2アウトから打席が回ってきた大谷選手が、逆方向へソロHRを放ち、43号。これで43-43が完成し、ドジャースは10-5とリードを拡大して最終回に。
アンソニー・バンダが4失点
ベシア以降、ライアン・ブレイジャー、マイケル・コペック、ダニエル・ハドソン、ブレイク・トライネンとスコアレス・リレーを続けたドジャース。いい流れだったのですが、9回裏に大ピンチを迎えます。
最後を任されたアンソニー・バンダが先頭のジョク・ピダーソンにシングルで出塁を許します。ルルデス・グリエル・Jr.を打ち取り1アウトを奪ったものの、ジョシュ・ベルに痛打(RFへのシングル)、ワイルド・ピッチ、ジェイク・マッカーシーに2点タイムリーを許し、10-7に。かなり雲行きが怪しくなってきた中、そのジェイク・マッカーシーを1塁に置いて、今度はユーヘイニオ・スアレスがLFポール際に弾丸ライナーの2ランHRを放ちます。これでスコアは10-9の1点差。
もうロバーツ監督は気絶しそうだったと思います。ただ、さすがにその後はさらにギアを上げたアンソニー・バンダがコービン・キャロル、ルイス・ギヨーメを抑え、なんとか10-9で逃げ切りに成功しました。アンソニー・バンダは3連投でしたからね。
それにしても大変なゲームとなりました。
カーショウ自身も2回からのブルペンゲームとなったことに、「申し訳ない気持ちでいっぱいだった」とこたえており、ただチームが勝利してホッとしたようです。
ロバーツ監督もコペックを最後に持って来たほうが良いと思うんですが、ちょっとよくわかりませんね。
大谷の43-43は史上初
大谷選手はこの日の1盗塁、1HRで43-43を完成。40-40達成の段階ですでに価値は十分にあったのですが、43-43はMLB史上初となりました。
- ロナルド・アクーニャ・Jr. (ATL) : 40/70 (41 HR/ 73 SB: 2023)
- アルフォンソ・ソリアーノ(WSH): 46 HR/41 SB (2006 :NYYから移籍後1年目)
- アレックス・ロドリゲス(SEA): 42 HR/ 46 SB (1998)
- バリー・ボンズ(SFG): 42 HR/ 40 SB (1996)
- ホセ・カンセコ(OAK): 42 HR/ 40 SB (1988)
シーウォルド、苦戦中
2023年の後半からDバックスのクローザーを務めるようになったポール・シーウォルドは今季は苦戦中。この日は1.2 IPで失点2、自責点2。ウィル・スミスと大谷選手にそれぞれ一発を浴びたのもシーウォルドでERAは4.46に上がってしまいました。
Dバックスもブルペンは盤石ではありません。ロブロ監督は負けが濃厚な段階でケビン・ギンケルを出してきたのには驚きました。一応、ジャスティン・マルチネスは温存させております。
山本はまだか?
この4ゲームシリーズでドジャースはGm2にギャビン・ストーン、Gm4にジャック・フラハーティを起用予定。Gm3が未定です。ウォーカー・ビューラーとボビー・ミラーはこのシリーズのマウンドに上がらないので、Gm3の先発は現在トリプルAオクラホマ・シティにいる左腕のジャスティン・ウォブルスキ(Justin Wrobleski)になるという見方も。
さすがにこのシリーズに山本投手は出ませんが、すでにリハビリ登板に入っているので、ローテーションへの復帰が急がれます。なぜなら、タイラー・グラスノーの復帰が見えていないからです。山本投手は万全な状態で復帰してもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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