オープニング投手候補だった千賀投手
現地2024年2月22日には重大な負傷のニュースとしてメッツのPOBO(President of the baseball operations)であるデビッド・スターンズが、千賀滉大投手の右肩について後部関節包に中等度の損傷あることを発表しました。これは医師の診断結果を受けた上での発表ですね。
千賀投手は2024シーズンのメッツのオープニング投手を務めるであろうと思われていただけに、これは関係者やファンに大きな衝撃を与えました。
新監督となったカルロス・メンドーサのコメントです。
PRP注射後3週間の投球禁止
22日の発表時点ではタイムスケジュールは明らかになっていませんでしたが、現地2024年2月25日となり、その大まかなスケジュールが出ました。
千賀投手は、治療としてすでに右肩にPRP(platelet-rich plasma)を注入済み(注射済み)。これから3週間は投球禁止ということになりました。
PRP療法は肘のUCLを損傷した場合によく行われる療法であり、大谷選手も1度目のトミー・ジョン手術の前は一旦はこれを実施。最終的にはトミー・ジョン手術となりましたが、損傷が浅い場合、あるいは人によって大きな効果が得られます。千賀投手の場合は肩で、PRP療法が肩にも行われるのは初めて知りましたが、組織の損傷には違いないですから、血小板による治療で回復を試みるということですね。
医師のGOサインが出てからがポイント
現時点で3週間の投球禁止なので、その空いた3週間を取り戻してチューニングする必要がありますから、現時点で言えることは開幕はILで迎えることは確実であるということ。
そして問題は医師のGOサインが出てからの回復具合です。
投球を開始して問題がぶり返さないかどうか慎重に見極める必要があり、場合によってはかなりの時間を要することも。
今季からチームメイトになったルイス・セベリーノも右肩痛で苦しんだ投手でもあります。個人差はあるものの、回復プロセスが共有されていれば良いですね。
2023年は166.1 IP
2023年、千賀投手は長年待ち焦がれた念願のMLBのマウンドに立ったわけですが、29試合に先発し、なんと166.1 イニングを投じました。4月から9月までちょうど5試合ずつに登板していて、登板間隔はシーズン前半は中5日、9月にややペースを落として中6日となりましたが、ほとんどは中5日での登板でした。最長は4月下旬から5月初旬にかけての中8日で、中4日の登板日も3度ありました。
NPB時代には2019年に26試合に先発し、180.1 イニングを投じていますが日本の場合はほぼ週に1度の登板でしたので、MLBでの登板間隔から比較すると、回復時間が1日、2日削がれているのは大きいと言えそうです。ボールの質の違いも影響しているのかもしれません。
2023年は12勝7敗、ERA 2.98(NL 2位)、奪三振202 (NL8位タイ)と素晴らしい成績を残しました。なお、破壊力抜群のフォークボールの影響か、ワイルピッチ数14はNLで最多でした。2位はブレイク・スネルの13ですから、これも良い投手が持つもう1つの面ということでしょうね。
メッツのローテーション
メッツはこれで千賀投手が復帰するまではルイス・セベリーノ、ホセ・キンタナ、ショーン・マナエア、エイドリアン・ハウザーの4人が軸となり、もう1枠か2枠を内部から補うということになるでしょう。また、タイラー・メギルが出てくるかもしれませんね。
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