ロッカー、マイナーでの実績を引っ提げてメジャーへ
現地2024年9月9日、レンジャーズのトップ・プロスペクト右腕のクマール・ロッカー(Kumar Rocker)のメジャー昇格が決まりました。
クマール・ロッカーは現地2024年9月12日(木)のマリナーズ戦での先発が決まっており、ロスターには当日登録される予定です。ロッカーの40manロスター枠の調整も当日判明します。アクティブ・ロスターは28人に拡大していますので、そこは問題ないかと思いますが、40manロスターをどうするのかは注目です。
レンジャーズはエルビス・アンドラスが引退を表明しましたが、彼はマイナー契約で今季はメジャー・ロスターには入っていなかったので彼の枠ではなさそうです。アンドラスの引退記事も追って書きたいと思います。
表記ゆれ
まず最初に表記について書いておこうと思います。当ブログでは、ドラフト時からKumar Rockerの表記を「クマール・ロッカー」としてきました。
Kumarという名前はインド由来のように思えのたのと、ドラフト時の呼び方ではやはり「ル」が聞こえましたので、”r”を発音するように「クマール」と表記してきました。しかし、どうやら読みとしては「クマー」あるいは「カマー」というのが良いようです。姓名を区切る表記をするなら”Kumar”の”r”は表記しない方が良さそう。
ただ、マイナーなどの実況を聞くと、やはり「クマール」と言っているように聞こえます。これは ”Kumar”というファースト・ネームの最後の”r”と”Rocker”というファミリーネームの最初の”R”がリンキングを起こして「クマール(小さいル)・ロッカー」と聞こえるようです。英語だと”r”は舌を丸めるので発声しなくても”ル”に近い音は出ます。彼のデビューに伴い、もう少し正確な表記が浸透するかもしれません。それまでは「クマール」で表記させてもらいます。
ドラフト時の経緯
クマール・ロッカーは2021年のドラフトの目玉でした。2021年の2月半ばのNCAA開幕前までは、ドラフト候補としてはこのクマール・ロッカー一色のような状態でもありました。
NCAAのファイナル・シーズンが始まると、注目はヴァンダービルト大学の同僚、ジャック・ライターに俄然注目が集中。ロッカーはファイナル・イヤーで球速の低下が見られ、出れば抑えると思われた2019シーズンと違い、マウンドでの安心感がなくなってしまいました。そして、ドラフトではメッツの1巡目ではあったものの、全体順位は10位に。
メッツと契約交渉に入ったロッカーでしたが、肘への懸念を表明したメッツがサイニング・ボーナス・スロットの$4.7Mを遥かに下回る金額を提示。これに怒ったロッカー側はメッツとの契約を拒否したのでした。
その後、ロッカーは独立リーグを経て、2022年のドラフトに再度かかることになります。
2022年のアマチュア・ドラフトではレンジャーズが1巡目(全体3位)で指名。これでヴァンダービルト大学のライターとのコンビが復活したと話題にもなりました。
トミー・ジョン手術
レンジャーズから指名を受けたロッカーは、2022年はAFL(アリゾナ・フォール・リーグ)から参加。そして、2023年はハイAのヒッコリー・クローダッズに所属し、6試合に先発して28.0イニングを投げ、ERA 3.86。このイニング数に対して被安打21、失点12、ER 12、BB 7、HR 2、SO 42。H9は6.8と高め、BB9は2.3、SO9は13.5、HR9は0.9。SO9はさすがの高さですが、H9を見たときにやはり本調子ではないのが数字にも表れておりました。
ロッカーは結局、2023年5月にトミー・ジョン手術を受けることとなりました。残念ながら、前年のメッツのスカウトの見立ては正しかったということですね。
TJ復帰後、快投続き!
手術から約14ヶ月後、2024年7月にロッカーはルーキーレベル傘下のアリゾナ・コンプレックス・リーグでリハビリ登板を開始。3度登板して不安定な内容でしたが、肘の状態は良かったようです。
そして7月26日からはクラスAとハイAを飛び越え、ダブルAに昇格。ダブルAには1ヶ月所属しましたが、5試合に先発して19.2 IPでERA 0.46をマーク。SO9が13.3、BB9は1.4。
さらに8月28日からはトリプルAに昇格。ここでは2試合、10.0 IPでERA 1.80。SO9が16.2、BB9が0.9。
このように今回のロッカーのメジャー昇格はマイナーでの高品質投球を引っ提げての昇格。実力に裏付けされたものゆえ、非常に楽しみなわけです。
そして、ジャック・ライターとのコンビもメジャーで復活しますね。
2025年のレンジャーズのローテーションはすごい
メジャーで苦戦していたジャック・ライターはようやく落ち着いてきた状況で、2025年はむしろ非常に楽しみ。
今回、クマール・ロッカーもメジャーへ昇格したということで、2025年のレンジャーズのローテーションはなかなかすごいです。
怪我でILに入っているベテランも戻ってきます。
ジェイコブ・デグロム、タイラー・マーリー、ジョン・グレイ、ネイサン・イオバルディ、そしてジャック・ライター、クマール・ロッカー。さらに、デイン・ダニングと左腕のコディ・ブラッドフォードも有力候補。非常に選択肢が広がります。何より、デグロムの復帰は心強い以上のものがありますね。ちなみにマックス・シャーザーは2024年で契約終了ゆえ、こちらには入れておりません。
レンジャーズ、2025年は楽しみですね。セミエン、シーガーを補強した時点で黄金時代を見据えていたのでしょうか!?
お読みいただき、ありがとうございました。
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