今永投手が9戦目も快投
Shota Imanaga lowers his ERA to a Major League-leading 0.84! 🔥
— MLB (@MLB) May 18, 2024
That’s the lowest by any non-opener through 9 career starts since ER became official in AL/NL (1913).
(h/t @SlangsOnSports) pic.twitter.com/xvbUmPRAQd
現地2024年5月18日はカブスの今永投手の登板日。前日、ポール・スキーンズにやられたカブスですが、この日は同じルーキーの今永投手がパイレーツ打線に対して最高の投球を見せました。
今永投手の先発登板はこの日でキャリア9試合目。これまでの8試合のシーズン通算ERAは0.96。果たして9試合目に1981年に一大センセーションを巻き起こしたフェルナンド・バレンズエラのERA 0.91にどこまで迫れるか?が注目でしたが、結果は超えて来ました!
Armed Forced DayとMemorial Day
New Era has revealed this year's Armed Forces Day caps
— MLB (@MLB) April 26, 2024
Teams will wear these during the weekend of May 18th in honor of Armed Forces Day pic.twitter.com/WhV45P0ReN
なお、今週末(18日)に各クラブが特別な黒いキャップを被っているのは、”Armed Forced Day”「軍隊の日」を記念してのこと。週末を通して、MLBは現役の軍人、退役軍人、軍人の家族を称える日としており、それに合わせたデザインのキャップを着用しています。
もともと、MLBは5月の最終月曜日をメモリアル・デーとして毎年、国民とともに祖国のために亡くなった人々を追悼し、敬意を表する日としていました。2024年は5月27日(月)がそれです。Armed Forced Dayはその一環で創設されたようですね。
今永投手、7回/スコアレス/7 K
(YOUTUBE)Shota Imanaga lowers his ERA to 0.84 (Best in MLB!) |
その今永投手は初回、先頭のアンドリュー・マッカッチェンに四球を出す立ち上がりに。高めに浮いてしまいましたが、枠をわずかに外れるコースでした。しかし、2番のブライアン・レイノルズの打席からコマンドが修正され、ブライアン・レイノルズを3Bゴロに仕留め、コナー・ジョー、エドワード・オリバレスから連続三振を奪い、無失点に。
パイレーツ先発のベイリー・ファルターの立ち上がりの投球を見て打線が苦戦することを今永投手が想定したのかどうかどうかはわかりませんが、2回以降はさらに精度が上がってきました。2回はニック・ゴンザレス、ジャレッド・トゥリーオロ(Jared Triolo)、ジョーイ・バートを三者凡退に仕留め、3イニング目もマイケル・A・テイラー、アリカ・ウィリアムズ、そして2巡目となったアンドリュー・マッカッチェンから凡打を奪い、ここまでノーヒット・ピッチング。
初ヒットは4回表。2アウトからエドワード・オリバレスにSSへの内野安打を打たれました。しかし、このイニングも後続を抑え、スコアレス投球を継続。5回表も三者凡退に仕留め、6回裏に2アウトからブライアン・レイノルズに2安打目を許すも、またしてもSS内野安打という投球で全く打たれる気配のないままゲーム終盤へ。
そして7回表、両軍スコアレスが続く中、今永投手はこの日初めてのピンチらしいピンチを迎えます。今永投手は2アウトまで奪うも、ジャレッド・トゥリーオロ(Jared Triolo)にこの日初めて外野(LF)へのシングルを打たれると、続くジョーイ・バートにもLFへクリーン・ヒットを打たれ、2アウトながら1,2塁でベテランのアンドリュー・マッカッチェンを迎えるという場面に遭遇。どうしても先制点を与えたくないという場面でした。
しかし、今永投手は落ち着いており、アンドリュー・マッカッチェンを91.1mphの4シームと83.5mphのスプリッターの2球で追い込むと、最後は2球目よりもさらに厳しい高さへのスプリッターで空振りを奪い、なんと三球三振でこのピンチを切り抜けました。
今永投手は7回でお役御免に。7.0イニング、88球、被安打4、スコアレス、BB 1、SO 7でまたしても素晴らしい投球を披露。
カブスがサヨナラ勝利
今永投手が好投している間、パイレーツ先発のベイリー・ファルターに苦戦したカブス打線は、8回裏に2アウトながら満塁の大チャンスを迎えますが、パトリック・ウィズダムがコリン・ホルダーマンから三振を喫し、チェンスを活かせません。嫌な流れで9回表のパイレーツの攻撃を迎えますが、ここは3番手のヘクター・ネリスがパイレーツの中軸を三者凡退に抑え、サヨナラへのお膳立てを作ります。
9回裏、パイレーツはクローザーのデービッド・べドナーにスイッチ。カブスは先頭の鈴木選手がCFフライに倒れましたが、次打者のコディー・ベリンジャーがLF線にグランドルール・ダブルを放ち、チャンスメイク。ここでクリストファー・モレルがフルカウントまで粘った後、べドナーのスプリッターを粘り強くCFへ弾き返し、これで2塁ランナーのコディー・ベリンジャーが微妙なタイミングでしたが、ホームに生還し、サヨナラ勝利。最後はVTR判定となりましたが、判定は覆らず。カブスが1-0で勝利を収めました。
なお、今永投手降板後の勝利のため、今永投手に勝ちはつかなかったものの、今永投手は勝利に大きく貢献しました。
今永投手の過去9試合のログ
この日の登板で今永投手のERAは0.84に。これは1913年以降でキャリア最初の9先発で、史上もっとも低いERAをマークしたことになりました。今永投手の9試合のログです。
Rk | Date | Opp | Rslt | Dec | IP | H | R | ER | BB | SO | HR | ERA |
1 | 4/1 | COL | W,5-0 | W(1-0) | 6.0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0 | 0.00 |
2 | 4/7 | LAD | W,8-1 | 4.0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0.00 | |
3 | 4/13 | @ SEA | W,4-1 | W(2-0) | 5.1 | 5 | 1 | 0 | 2 | 4 | 0 | 0.00 |
4 | 4/20(2) | MIA | W,5-3 | W(3-0) | 6.0 | 5 | 3 | 2 | 0 | 5 | 1 | 0.84 |
5 | 4/26 | @ BOS | W,7-1 | W(4-0) | 6.1 | 5 | 1 | 1 | 1 | 7 | 1 | 0.98 |
6 | 5/1 | @ NYM | W,1-0 | W(5-0) | 7.0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 0.78 |
7 | 5/7 | SDP | W,3-2 | 7.0 | 7 | 2 | 2 | 1 | 8 | 1 | 1.08 | |
8 | 5/13 | @ ATL | L,0-2 | 5.0 | 7 | 0 | 0 | 3 | 8 | 0 | 0.96 | |
9 | 5/18 | PIT | W, 1-0 | 7.0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 0.84 |
ついにフェルナンド・バレンズエラ超え
そして、これまでキャリア最初の9先発でもっとも低いERAを叩き出していたフェルナンド・バレンズエラの1981年の0.91を今永投手は上回ることとなりました。
なんと、なんと43年の時を超えて、今永投手が偉業を成し遂げました!
【フェルナンド・バレンズエラの1981年の最初の9先発】
# | Opp | Rslt | Dec | DR | IP | H | R | ER | BB | SO | HR | ERA |
1 | HOU | W,2-0 | W(1-0) | 99 | 9.0 | 5 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 | 0.00 |
2 | @ SFG | W,7-1 | W(2-0) | 4 | 9.0 | 4 | 1 | 1 | 2 | 10 | 0 | 0.50 |
3 | @ SDP | W,2-0 | W(3-0) | 3 | 9.0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 0.33 |
4 | @ HOU | W,1-0 | W(4-0) | 3 | 9.0 | 7 | 0 | 0 | 3 | 11 | 0 | 0.25 |
5 | SFG | W,5-0 | W(5-0) | 4 | 9.0 | 7 | 0 | 0 | 4 | 7 | 0 | 0.20 |
6 | @ MON | W,6-1 | W(6-0) | 5 | 9.0 | 5 | 1 | 1 | 0 | 7 | 0 | 0.33 |
7 | @ NYM | W,1-0 | W(7-0) | 4 | 9.0 | 7 | 0 | 0 | 5 | 11 | 0 | 0.29 |
8 | MON | W,3-2 | W(8-0) | 5 | 9.0 | 3 | 2 | 2 | 1 | 7 | 2 | 0.50 |
9 | PHI | L,0-4 | L(8-1) | 3 | 7.0 | 3 | 4 | 4 | 2 | 6 | 1 | 0.91 |
なお、フェルナンド・バレンズエラの最初の5試合から8試合のERAは異常でしたね!!すごすぎました。
まだまだ継続しそう
今永投手の4シームは浮き上がると言われており、これに各クラブは苦戦しています。いつかは慣れは出てくるとは思いますが、コマンドの良さと変化球の精度は健在で、2度目、3度目の対戦をこなさないとなかなか手こずったままではないでしょうか?
それにチームに貢献するキャラクターもシカゴでは大いに評価されていますから、まだまだこの好成績は継続しそうです。
フェルナンド・バレンズエラの代わりに今永投手がその名をMLB史に残しそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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