登板スキップが裏目に
現地2024年5月29日、カブス@ブルワーズ戦で今永昇太投手が先発。非常に楽しみだった今回の登板。というのも、前回登板の5月24日のカージナルス戦が雨で中止となり、そのままスキップして今回の登板を迎えたからです。このローテーションのスキップは、まるで焦らされているように感じる期間でもありました。それはカブス・ファンのみならず、多くのMLBファンはそう思ったはずです。
このローテーションのスキップは判断として間違ってなかったと思います。今永投手はプロとしては経験豊富なものの、MLBは初年度です。いくらベテランでも(まだ30才)、始めてのレベルのリーグで過去9戦、MLB史に残るロケットスタートを切っていたのですから、「一度休憩を!」と思うのも当然のことです。
ただ、この試合の結果だけを見れば、この「気遣い」は裏目に出てしまいました。
5回途中7失点
中10日を経てマウンドに立った今永投手は、ベロシティー自体はこれまでの登板と変わらない92-94mphの4シームを投げ込み、数字は良かったです。ただ、これまでほどのキレはないように見えました。さらに、初回は特に高かったですね。
今永投手は先頭のジョーイ・オルティズにRFへの二塁打で出塁を許し後、1アウトを奪い、クリスチャン・イェリッチを迎えます。そのイェリッチは勝負が早かったですね。初球でした。93.2mphの4シームがほぼど真ん中に来たところをミラー・パークのCF後方へ大きな2ランHRを放り込まれ、いきなり2点を先制されます。
さらに、2イニング目はかなりコーナーに散らしたものの、ブレイク・パーキンスの時は甘いボールが続き、2塁打を打たれてしまいます。ただ、このイニングは無失点。
3回に5失点
痛かったのは3回裏です。ジョーイ・オルティズ、クリスチャン・イェリッチ、ウィリー・アダメスの3人からシングルを浴びてまず1点。つづくゲイリー・サンチェスにはLFへ2塁打を打たれ、イェリッチとアダメスが生還し2失点。最後はブレイク・パーキンスに2ランHRを浴びてこのイニングは計5失点を献上。残念ながらゲームメイク出来ませんでした。
それでも今永投手は4回裏を三者凡退に斬って取り、ようやく調子が戻ってきたように思いましたが、5回裏に1アウトを奪ったところで降板となりました。
今永投手は4.1イニングで81球、被安打8、失点7、自責点7、BB 1、SO 1、HR 1という結果でした。
バレンズエラも10戦目、11戦目で苦戦
フェルナンド・バレンズエラ超えを果たした今永投手。
そのフェルナンド・バレンズエラも10戦目、11戦目は苦戦しました。
【フェルナンド・バレンズエラの1981年の最初の11先発】
# | Opp | Rslt | Dec | DR | IP | H | R | ER | BB | SO | HR | ERA |
1 | HOU | W,2-0 | W(1-0) | 99 | 9.0 | 5 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0 | 0.00 |
2 | @ SFG | W,7-1 | W(2-0) | 4 | 9.0 | 4 | 1 | 1 | 2 | 10 | 0 | 0.50 |
3 | @ SDP | W,2-0 | W(3-0) | 3 | 9.0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 0.33 |
4 | @ HOU | W,1-0 | W(4-0) | 3 | 9.0 | 7 | 0 | 0 | 3 | 11 | 0 | 0.25 |
5 | SFG | W,5-0 | W(5-0) | 4 | 9.0 | 7 | 0 | 0 | 4 | 7 | 0 | 0.20 |
6 | @ MON | W,6-1 | W(6-0) | 5 | 9.0 | 5 | 1 | 1 | 0 | 7 | 0 | 0.33 |
7 | @ NYM | W,1-0 | W(7-0) | 4 | 9.0 | 7 | 0 | 0 | 5 | 11 | 0 | 0.29 |
8 | MON | W,3-2 | W(8-0) | 5 | 9.0 | 3 | 2 | 2 | 1 | 7 | 2 | 0.50 |
9 | PHI | L,0-4 | L(8-1) | 3 | 7.0 | 3 | 4 | 4 | 2 | 6 | 1 | 0.91 |
10 | @ CIN | W, 9-6 | – | 4 | 8.0 | 8 | 5 | 4 | 6 | 3 | 0 | 1.24 |
11 | @ ATL | L, 4-9 | L(8-2) | 4 | 3.2 | 6 | 7 | 7 | 2 | 2 | 0 | 1.89 |
今回の今永投手の投球はバレンズエラの11戦目とよく似ています。
ERA 1.86 !
浅いイニングで7失点した今永投手ですが、これまでの蓄積もあり、ERAはそれほど悪化しませんでした。ERA 1.86はMLB NO.3。IPが58.0となり、カブスはこのゲームが56試合目でしたから、試合数を追い抜いて規定投球回数を超え、再びERAランクに入りました。ただ、次回登板前も規定投球回数の関係で一度ランクから消えそうです。
ブレイク・パーキンスが大活躍
この日、ブルワーズのCF、クレイグ・パーキンスが大活躍。守備では完全にHRとなっていた打球をキャッチ。さらにカブスに行きそうな流れをパーキンスが止めたというプレーも。
そして打っては今永投手からHR。カブスは猛追するも、守備力で阻まれたというゲームでもありました。スコアはブルワーズが10-6で勝利です。
今回は負け投手となりましたが、中10日の間隔によって筋肉も大いに休ませられたのではないでしょうか?今永投手の次の登板に期待したいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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