サイン→即起用。しかも相手は元の所属先!
現地2024年7月24日、ロサンゼルス・ドジャースはFAとなっていたSSのニック・アーメッド(Nick Ahmed)とメジャー契約でサイン。つい先日まで所属していたサンフランシスコ・ジャイアンツとのGm3に早速9番で起用しました。この急激な舵取りのような動きもメジャーリーグならではですね。
SSが手薄になったドジャース
ニック・アーメッドの補強はSSを守っていたミゲル・ロハスがILに入ったため。
ミゲル・ロハスはオールスター・ブレイク期間に重いバットを使って片手打ちの練習を実行。主に右手を使ってやっていたようです。右打者が後ろの手を強化するのはよく見る光景ですね。休み明けに備えて準備していたまでは良かったものの、その後は腕の張りが収まらず。当初は単なる筋肉痛と考えていたものの、あまりに張りが引かないことから検査をしたところ、屈筋を傷めていたことが判明。投球前腕にも関わることからこのまま現地2024年7月24日に10 Days IL入りに。スタートは遡って22日から。
代役の代役
ミゲル・ロハスは死球で左手を骨折したムーキー・ベッツに代わってSSを務めていました。ニック・アーメッドはいわば代役の代役ということに。
ギャビン・ラックスはスローイングの懸念がまだ晴れておらず、2Bのまま。SSを守ることも出来るキケ・ヘルナンデスは故障しているマックス・マンシーの代わりに3Bを守るため、ドジャースはSSがかなり手薄になってしまいました。
キケをSSに、3Bにはキャバン・ビジオという布陣もありですが、ビジオは打撃が本調子ではなく、キケにSSを任せると守備の負担から彼の打撃も落としかねないと考えたかもしれません。そこでFAになっていたニック・アーメッドに白羽の矢が立ちました。
SFGからリリースされたニック・アーメッド
ジャイアンツは今オフ、ブランドン・クロフォードをFAで放出。若手も決定打がなかったため、ニック・アーメッドとマイナー契約を結びました。アーメッドは見事に開幕ロスターを勝ち取り、SSとして試合に出続けたものの、52試合で155-36、 BA.232、OBP.278、SLG.303、1HR、15 RBIと「それなりに」という数字しか上げられませんでした。せめてOBPが.300を超えていればなんとかなったかもしれませんが、その間、25才のブレット・ワイズリーがOPS+ 103をマーク、また26才のタイラー・フィッツジェラルドもOPS+ 183と活躍。ジャイアンツは彼らを選択したということですね。ニック・アーメッドは7月9日にDFA、翌7月10日にリリースとなりました。
1安打をマーク
34歳のニック・アーメッドはジャイアンツからのリリース後、アリゾナの自宅でトレーニングに励み、次のチャンスを待ちました。その間、いくつかのチームからのオファーもあったようですが、ドジャースとのディールが成立するまでは何も実現せず、辛い時間を過ごしたようです。
急転直下でドジャース入りが決まったアーメッドは24日の古巣との対戦で9番SSで出場。3打数1安打をマークし、守備でも好プレーを披露。
まずは結果を出しています。
ニック・アーメッドはもともと2011年にブレーブスから2巡目指名を受けてプロ入り。2013年1月にブレーブスがジャスティン・アップトンらを獲得したトレードでブランドン・ドゥルーリーらとともにDバックスへ移籍。
デビューもDバックスで2014年のことです。その後、キャリアの大半をDバックスで過ごし、2018年、2019年と2年連続でゴールドグラブ賞を受賞。201年には打率.254、19 HRをマーク。
2021年、2022年と右肩を傷め、離脱することが多くなりました。
2023年、ニック・アーメッドはほどんどの試合をヘラルド・ペルドモにSSを譲り、シーズン打撃成績がBA.212、OBP .257、SLG .303と落ち込んだことから、現地2023年9月6日にDバックスをDFA。ロスター・スポットをジョーダン・ローラーに譲る形となりました。Dバックスは皮肉にもそこから大躍進してワールドシリーズにも出場しました。
どれだけ爪痕を残すか
おそらくドジャースのニック・アーメッドは短命です。ムーキー・ベッツが復帰した時にはまたFA市場に戻るかもしれません。ミゲル・ロハスもおそらくすぐに復帰するはずで、バックアップSSとしてどこまで爪痕を残すか?にかかってきます。
ちなみにこの日、ニック・アーメッドはDバックス時代の長年の親友でるロビー・レイのシーズン・デビューに付き合う形となりました。
守備もいいですし、ベテランのしぶとさもある選手なので、この機会をなんとか利用してもらいたいなと思う次第です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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