ロスは36年ぶりのパレード!
現地2024年11月1日、ワールドシリーズを制したドジャースがロサンゼルスにてセレブレーション・パレードを実施。約25万人の人々が通りを埋め尽くし、パレードの終着地であるドジャースタジアムには42,000人ものファンが詰めかけました。
まさに盛大!というパレードでした。
2020年のチャンプ時は実施されず
ドジャースがワールドシリーズ・チャンプとなり、セレブレーション・パレードを行うのはオーレル・ハーシュハイザーを擁してアスレチックスに勝った1988年のチャンプ以来、実に36年ぶりのこと。つまり、前々回のワールドシリーズ・チャンプ時。
前回のチャンプは2020年のワールドシリーズ。
ご承知のように、2020年はコロナ・パンデミックの影響でレギュラー・シーズンも60試合に短縮となり、非常に特殊なシーズンとなりました。せっかく32年ぶりにチャンプに輝いたドジャースでしたが、この時はたくさんの人々が集まるということでパレードは実施されませんでした。
MLBとして2019年のナショナルズのDCでの実施以来、2年ぶりにパレードを行ったのが2021年チャンプのブレーブスで、フレディー・フリーマンのアトランタ・ラストイヤー。この時のワールドシリーズでフリーマンはGm5とGm6でそれぞれ1本ずつHRを放ち、これが2024年のワールドシリーズの4試合連続と併せてカウントされ、ワールドシリーズ6試合連続HRとなりました。
ドジャースは今回、8度目のワールドシリーズタイトルを手にした強豪ですが、それでもロサンゼルスの街は、優勝パレードを36年間待ち続けてきたということになりますね。
大谷夫妻とデコピンも山車に搭乗
球場内でのセレブレーションは午前8時30分ごろから始まったようです。
その後、パレードを実施。ロサンゼルスのダウンタウンの通りを練り歩いた山車は選手、家族、スタッフ、フロント・オフィスのメンバーを乗せ、計8台が用意されました。
この中には大谷選手夫妻、そしてデコピンの姿もありましたね。デコピンはこの日のために、背中に名前の入った17番のドジャースのジャージを着用です。夫人も特別にあしらったと思われるジャケットを着用。
ワールドシリーズ制覇が30日でしたから、実施まで中1日しかありません。もう事前に用意していたのでしょうね。どのコースを走るなどの街中の警備もそれこそ大急ぎでやったことでしょう。これは関係者はかなりの大仕事であったと思います。ご苦労様です。
スタジアムに着くと、ラッパーのアイス・キューブがフィールドでパフォーマンスを行い、お祭りは続きました。
スピーチ
そしてスピーチへと移行。
デーブ・ロバーツ監督
ロバーツ監督は特に2020年にパレードがキャンセルになったことも含め、街はパレードを欲していたというファンの声を代弁するようなスピーチを行いました。もはやシャウトでしたが。
It’s one thing to celebrate with your coaches, the organization, the players, but I’m telling you, the game is about the players and the fans. And in 2020, we just didn’t have that opportunity. Everyone was wearing masks. This right now, it really put a bow on the season where there was some unfinished business in 2020. … The city needed this parade. And we got our parade.
「コーチ陣や組織、選手たちと祝うのもひとつのことだが、言っておくが、試合は選手とファンのものだ。2020年はその機会がなかった。みんなマスクをつけていた。2020年にはやり残したことがあった。街はこのパレードを必要としていた。そして我々はパレードを手に入れた。
カーショウは涙
This was the coolest thing I’ve ever been a part of. I’m just so thankful to every single fan that came out. So thankful how well they’ve treated me and my family for all these years. I mean, we’ve been through it, you know, we’ve been through some stuff, so to be able to see them as happy as they were, being able to celebrate with us. It means the world to me. It really does.
ドジャースで最も在籍年数の長い左腕のクレイトン・カーショウは、「今までで一番クールな出来事だった。来てくれたファンのみんなに感謝している。この何年もの間、僕と僕の家族によくしてくれたことに感謝している。僕たちはいろいろなことを経験してきた。それは僕にとって大きな意味がある。本当にそう思うよ」。
フレディー・フリーマン
From the bottom of my heart, Three months ago, when I came back after my son got sick, you guys showed out for my family and I. That was one of the greatest experiences I’ve ever had on a field. I did everything I could to be on this field for you guys and I’m glad I did because we have a championship now. I can’t wait to run this back next year.”
「心の底から。3ヵ月前、息子が病気になって復帰したとき、君たちは僕と家族のために応援してくれた。君たちのために、このフィールドに立つためにできることはすべてやった。来年、また走れるのが待ちきれないよ」
偉大なワールドシリーズMVP。
涙とユーモア
テオスカー・エルナンデスは上述のクレイトン・カーショウ同様、感極まり、涙を流す場面も。いつも抜群の笑顔を見せるテオスカー・ヘルナンデスの涙は激戦を物語っていたと思います。
また、マックス・マンシーとムーキー・ベッツによるユーモアもありました。
(MUNCY)“Mook, what did I tell you every time they walked Shohei to get to you?”
(MOOKIE)“I got 400 [million, too],” Betts responded.
(マンシー)「ムック(ムーキー・ベッツ)、相手がショーヘイを歩かせるたびに、君に何と言ったっけ?」
(ムーキー・ベッツ)「400もらったよ(僕も$4Mもらったよ)」
ちょっとわかりにくいですが、要は大谷選手が歩かされるごとに本当はプレッシャーもあったのでしょうが、そのチャンスを拾って行って、ボーナスやサラリーアップの機会をものにしたよと、$4Mくらいの価値じゃないか?くらいのノリのユーモア。
ムーキー・ベッツ
ベッツは優勝について「あと8~9年はある(ムーキーの契約は2021-32ですからそのこと)。少なくとも5、6年は行かなきゃいけないよね?チームメイトたち、君たちが僕にとってどれほど大切な存在か、君たちは知らないだろう。僕は君たちを愛している。僕は3回優勝した。この手を(チャンピオン・リングで)いっぱいにしたいんだ、L.A.」
ムーキー・ベッツは開幕からSSを守り大谷選手を上回る滑り出しでしたが、途中デッドボールによる骨折で離脱。焦る気持ちを抑えて復帰し、復帰後はさすがの存在感を見せました。
大谷、山本もスピーチ
ドジャースが今季、ワールドシリーズを制したのは間違いなく大谷選手が入ったから。昨年までならこれだけ野戦病院状態だとおそらくパドレスにNLウエストを奪われていたでしょう。そして2023年にALDSでDバックスを前にメルドダウンしたように、立ち上がれていなったと思われます。
しかし、大谷選手の影響はそれこそ内部でしかわからないものの、皆をつなげるというか、打撃成績以上の影響をもたらしたであろうことは間違いないところです。それは外部から見てもわかるところ。トミー・エドマンやキケ・ヘルナンデス、ギャビン・ラックスら下位打線の活躍もポストシーズンで大いに力を発揮しました。大谷選手は「皆で勝ち取ろう」という無形の大きな貢献を成し遂げていたと思われます。
Shohei Ohtani celebrates with Dodgers fans! pic.twitter.com/VBFkPhL4ks
— MLB (@MLB) November 1, 2024
”this is such a special moment for me. I’m so honored to be here and be part of this team. Congratulations, Los Angeles. Thank you guys!”
「ヨシ!ヨシ!ヨシ!」コールで迎えられた山本投手は “Thank you, Dodgers fan!”と短くシャウトしてファンやチームメイトらに感謝の意を伝えました。
デコピン、大人気
そしてこのパレードのもう1人の主役はむしろ大谷選手をも差し置いて、デコピンだったかもしれません。もう大人気でした。
デコピンのハチワレ具合はたまりませんね。
結局、チームワーク大稼働の勝利
最後に、印象的だったデーブ・ロバーツの監督の言葉を載せます。筆者の和訳より、英語原文の方が説得力がありますので。UNITYというか、和というか。かなり日本的な発想の言葉に感銘を受けた次第です。
It means more. It’s different, but it means more because you just have your hands in a lot of different arms, and hands on a lot of different people. So for it all to come together like this, in that sense, it means more.
「より多くの意味がある。違うけど、より多くの意味があるんだ。なぜなら、多くの異なる腕に手をかけ、多くの異なる人々に手をかけているからね。だから、このようにすべてが一つになることは、そういう意味で、より大きな意味があるんだ。」
怪我人多数の中で勝ち取ったワールドシリーズチャンプ。古臭い言葉ですが、チームワークで勝ち取った大勝利ということが言えるのではないでしょうか?
そしてそのチームワークが稼働した大原動力が大谷選手であったと筆者は思っています。さらにその大谷選手を支えたご家族やデコピンも大きな貢献だったと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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